200日線を割れるということの意味
株でも為替でも移動平均線で200日線がよく登場するようになっています。単純移動平均か加重移動平均線かによって多少ラインの位置は変わってくるのですが、いずれにしても200日といいますと、土日を除いてみるとほぼ10ヶ月以上前からの平均ですから、これを突き抜けて上げても下げてもここ1年間ぐらいの動きをすべて反故にする流れだと見ることができるわけです。
これが上昇局面で起こることならば明らかに流れが変わっていることを示唆していることになるのでしょうが、下降局面で下抜けるということは、殆ど1年前にもどりましたということを示唆しているわけですから、尋常ではありません。
何の成果も上がりませんでしたということが示されているのですから、流れが上方向にあるとは決して言えない状況であることは間違いありません。これが今国内では日経平均でもドル円でも試金石となっており、すでにドル円は下ぬけしてしまいました。まあ相場ですから色々なことがあるのは当然ですが、少なくとも成長相場ではありえないことであり、誰しもが調整局面を考えることになるタイミングといえます。
しかし、金融相場の場合、殆どの人が上がると考えたり下がると考えたりして相場が一方に偏りすぎるとそれ以上動かなくなり、利益確定がでたり投げがでたりしはじめれば大幅なショートカバーに陥ることもあるため、その間合いをプライスアクションでチェックしながら市場の状況を連想する必要が生じてくることになるのです。
このあたりをどう見極めるかが相場の面白いところでもあり、心理戦で勝利するための1つの方法論にもなってくるのです。FXの場合は幸いなことに買いからでも売りからでも参入ができますから、とにかく相場の動きをよく見ていれば必ず参入と大幅な利益機会を得ることができます。
しかし上から下までの動き全てを利益にすることは不可能に近いものがあります。どこまで利益を伸ばすために我慢するかはかなり精神力との関係にもなってくるものがあり、まさに個人の資質と繋がるところが大きいのですが、それを乗り越えていくことができると大きな利益を確保できるようになるのです。同じ移動平均線一本を見ていてもそれだけ読み取れる情報は異なってくるということなのです。これを面白いと感じるか苦しく感じるかはまさに個別のトレーダー次第であり、メンタルのトレーニングをしていくことも必要になってくることもあるというわけです。どの世界も道を究めるというのは楽ではありません。