中国の武漢というローカルなところから発生した新型コロナウイルスですが、その驚異的な感染力により世界規模で広がり、世界経済をリーマンショック時に次ぐレベルで大混乱に陥れています。
そしてそんな騒ぎの中、忘れられかけていたある大問題が再燃することになります。破綻するぞともう何年も言われ続けているドイツ銀行の経営危機(?)です。
果たして、ドイツ銀行の現状はどうなのか?今回の記事ではその辺りのことについて考察をしてみます。
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ドイツ銀行の株価チャート
ドイツ銀行の現状について、いろいろな人がいろいろな事を言っています。CDSの問題や今回話題になったCoCo債権の件が話題ですが、私レベルの人間ではそのあたりのことを考察してもあまり実のある話は出来そうにないので、別の指標を用います。
つまり、シンプルイズベスト、全ての材料はチャートに織り込まれているということで、ドイツ銀行の株価チャート(月足)を見てみましょう。
・・・かなり危険な匂いがしています。というかどうみても風前の灯火です。
長きに渡った底値圏での買い支えが崩壊しかけています。これまでの底値は5ユーロぐらいでしたが、そこを突破して4ユーロ台に突入しています。どっからどうみてもマズい状況です。ついでに言えば最高値からは95パーセントくらい下落をしています。
ちなみに日足チャートはこうなっています。
もうどうにもならないかもしれませんね。株価チャートを見る限りでは、破綻の可能性がかなり現実味を帯びてきたと言えるでしょう。
しかしそんな簡単には倒産しないと思います・・・ドイツ銀行問題の焦点
このように、チャートだけ見ればかなり危ないドイツ銀行ですが、しかし本当にリーマンショック時のような連鎖破綻からの恐慌になるのかは疑問が残ります。
というのも、ドイツ銀行が破綻をするととんでもないことになるのが目に見えているため、ドイツが救済したりどこかと合併したりする可能性はまだ残されています。
メルケルさんは救済をしないと言っていますが、状況次第では救済に舵を切るしかないかもしれません。
それと、おそらくドイツ銀行に止めを刺すことがあるとすれば、CDSが払えなくなってというルートが一番考えられます。
つまり、ドイツ銀行の前にどこかの企業なり国家なりが派手に死ぬということです。
リーマンショックの時がそうでしたが、リーマンさんが逝ってしまわれたのはサブプライムローンが完全に焦げついちゃったからです。
だからドイツ銀行もその前に何かが派手に焦げ付かない限りは、ある日突然いなくなっちゃうみたいなことはないと思います。
ドイツ銀行の問題をわかりやすく言うと。ドイツ銀行は結局何がマズいのか
ドイツ銀行のどこがマズいのかと言うと、CDSという保険商品で予め大きなお金を集めているにも関わらず、他の部門等でやらかし赤字になって財務状況が逼迫しているところです。
つまりCDSは保険ですから、有事の際には保険金を支払わなければいけません。
更に有事が一度起こると連鎖的に焦げ付きが起きやすいため、保険金の額が莫大になることが予想されます。
そしてこういった時に「ドイツ銀行が保険の約束を守れないのではないか」と言われているのが現状です。
しかもその「有事」がコロナショックにより起きてしまいかねないというのが現状としてあります。
まとめに変えて、個人的な感想
リーマンショック以降、主要中央銀行は超低金利や量的緩和を行い、一部では「緩和バブル」と揶揄されてきたわけですけど、それでもなんだかんだと耐え続け、ここ10年以上、そういう批判をしてきた人たちや逆張り投資家を皆殺しにしてきました。
「緩和バブルなんてないから緩和し続ければいい」や「要は過度な引き締めさえしなければバブル崩壊は起こらない」みたいなノリで運営されてきたのがここ10年間なのではないでしょうか。
インフレ率とかいうのは超緩和による株価の維持をやりたいがために、言い訳として用いられているのではないかとすら思います。
しかし、やっぱり緩和バブルって、あるんじゃないですかね。
ドイツ銀行の問題の背景の一つにマイナス金利の長期化による収益の低下があるように、緩和政策の副作用というのはゆっくりと、しかし確実に世界経済を歪ませているような気がします。
この緩和祭りの時代のフィナーレとして、いつかドイツ銀行の爆死というものが起きるのなら、それは結構綺麗な花火なのではないかと思います(笑)
・・・というのはまあ、妄想ですが、とりあえずドイツ銀行は超危険ではあるけどすぐに死ぬとかそういう話ではまだないのではないか、というのを結論とさせていただきます。ついでに言えば今回のコロナで世界経済が破滅するということもないとは思っているんですけどね・・・
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