東芝はいつ買いのタイミングなのか【今後の株価の見通し、徹底予想】

日本の大企業の一つ東芝。ですが2015年に発覚した“不適切会計”により株価は急落。

東芝

株主からは集団訴訟を起こされており、さらに2016年3月期連結決算では、リーマンショックのあった2009年3月期の赤字額3988億円を大幅に上回る過去最大の5500億円もの巨額赤字へと転落する見通しであることが今月21日に明かされました。

また1万600人の社員削減の方針に加えて家電を開発する拠点であった東京青梅市の工場を売却する方針です。ではそもそもの根幹である“不適切会計”とはどのような問題だったのでしょうか。

利益至上主義による不正

東芝の“不適切会計”と聞くと何か違和感を覚えると思います。

ライブドアの時のように刑事事件にはなっていない事や粉飾と呼称されないことに対して疑問を持ってしまいます。

このからくりとしては2点挙げられると思います。

1点目は東芝が2月に自ら証券取引等監視委員会に通報したことです。おそらく裏では企業の粉飾などを扱う東京地検特捜部や証券取引等監視委員会の内情に気付いた、若しくは内部からリークされたために最もダメージを受けない形をとったのだと考えられます。

2点目は東芝が原発事業などを手掛ける企業であり粉飾を行っていたとなると著しく国益に反することになるため、証券取引等監視委員会や東京地検特捜部も刑事事件として立件できないということが考えられます。

そのため東芝は第三者委員会を立ち上げ問題解決を図ろうとしました。ただ身内が第三者委員会に交じっているなどと厳しい批判もあり、中立とは言い難いものでした。その第三者委員会の報告書は厳しい論調で東芝の経営陣を批判しており、プレッシャーなどを与えて暗に“不適切会計”をさせるような風潮などが見られたそうです。

要するに株主と約束してしまったから、みせるものは豪華にしようとして株主をだましたということになります。

ただそんな東芝も大企業。現在、株価が下がり続けており日経平均の足を引っ張っている企業の一つとも言えますが、“不適切会計”の折で非常に値ごろ感がでています。このようなチャンスは民主党政権下の円高株安による状況と似ている部分があり、投資家などは見逃すことができないでしょう。

では東芝株は買いなのでしょうか。

体力があり上場廃止にならない東芝 底値とみて買い

問題発覚当初は東証から締め出される上場廃止になるのではないかと過去の事例から推測した東芝が一斉に売りに走りましたが、基本的に東芝側の思惑通り前社長3人の首で事態を収拾させることに成功しました。

もうすでに刑事事件になる恐れがないこと、有価証券報告書に虚偽の記載をした企業を投資家に喚起するために取引所から出される特設指定銘柄に指定されたものの取締役を外部から招聘するなど内部刷新を図った東芝はすでに上場廃止のリスクをすべて吸収しています。

そのため倒産のリスクはほぼなく、東芝株は大企業にしてはとても値ごろ感が出ており売りの圧力も未だに大きく底値がわかりにくい展開となっています。

21日現在の株価は223円と年初来安値を更新しており底値は見えていない状況です。

年初来高値が535円だったことを考えると株価は半分ほど吹き飛んでおり、投資家たちに与えた影響が大きかったことを思わされます。ただこの223円という株価は巨額赤字を計上した2009年や2012年2013年の株価とほぼ同じラインであり過去20年の中で東芝の最安値となっていることや悪材料が出きったことからこのあたりが底値と考えることもできますが、過去最大の赤字転落という業績の中で投資家たちの動きは未知数です。

ただいくら過去最大といえども過去20年で200円台前半が底値圏となっていたことを踏まえると今回も底値は200円~210円の圏内ではないかと考えます。そのため底値圏に入っている手ごろ感の出ている東芝株は間違いなくいまが買いだと予想します。ただ今の東芝はリストラなどで応急処置をしているのにすぎず、黒字化のめどは立っていません。

まだまだ課題が山積している中、どのような対応を取っていくのか注目することが大切です。

次の記事を書きました。
東芝株の空売りで稼ぐことはできるか?おすすめの証券会社は?

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