ポーランドズロチ円とユーロ円の両建てサヤ取りは本当に儲かるのか?リスクを分析

ポーランド両建て

少し前にトルコリラ円のスワップサヤ取りについて書きました

(参考:異業者間両建てを利用したスワップサヤ取りはおすすめできない

が、今回もそれと若干似たスワップポイントでのサヤ取りについて書きます。

今回ご紹介するのは、ポーランドズロチ円ロングとユーロ円ショートでの両建て(?)スワップポイント狙い手法です。

では早速、その両建て手法の概要や効果、私なりの評価について書いていきましょう。

ズロチ円ユーロ円サヤ取りの概要

ポーランドズロチというのはその名の通り、ポーランドの通貨です。

ポーランドはイギリスと同じように、EUに加盟をしているけど通貨はユーロを使っていないわけですね。

そしてポーランドズロチの最大の特徴は、ユーロと非常によく似た値動きをする点にあります。

ポーランド円のチャート分析

ユーロ円チャート

2つを並べてみるとこんな感じですね。非常によく似ています(後述するのですがこのチャート画像はあまり信頼しないで下さい)

そしてもう一つ、ポーランドズロチには大きな特徴があります。それはユーロとは違い、ポーランドはマイナス金利を採用しておらず、2019年4月現在、1.5パーセントの政策金利が設定されているのです。

・・・そこでこれに目をつけた賢いスワップ戦士達が閃いた訳ですね。スワップポイント表を見てみましょう。

表はFXプライム byGMOからです。

ズロチ円スワップ

ユーロ円売りスワップ

このように、ズロチ円ロングはスワップポイントが高く、ユーロ円ショートはスワップポイントが引かれますが少額ですみます。

そして更に、倍率を考えます。これは変動幅ですね。

ユーロ円とズロチ円ではボラティリティが違うので、このボラティリティを加味して、ユーロ円とズロチ円のローソクが同じ形をするなら為替差益が発生しないようにします。

計算方法は簡単で、ユーロ円÷ズロチ円です。今で言えば126.52÷29.54=4.28・・・

なので、ユーロ円の購入量の大体4.28倍のズロチ円を購入すれば両建てに近い状態になります。

具体的に想定をすると、ユーロ円を100万通貨ショートしたとします。マイナススワップは500円です。

で、ズロチ円を428万通貨ロングします。プラススワップは6420円です。ユーロ円のスワップと差し引きすると5920円です。

まあ、こういう手口なわけです。ロットの単位もあるので単純計算はできませんが、ユーロ円10万通貨の場合でも592円入ります。

このような感じで、擬似的に両建てのような状態にしてスワップポイントを得ようと目論むのが今回のズロチ円サヤ取りの概要となります。

本当にこの手法は使えるのか?

を、考える前に少しクイズをしましょう。

Q1.現在のユーロドルの価格は?

A.1.1294

Q2.現在のポンドドルの価格は?

A.1.3064

Q3.現在のユーロドルの価格÷ポンドドルの価格は?

A.約0.8645

Q4.現在のユーロポンドの価格は?

A.0.8640

・・・お分かりいただけたでしょうか。

これ以上は私の力では説明できないのですが、要するに前項での両建ては実質的にユーロズロチをショートしているのと殆ど一緒なんですよね。

ということで、ユーロズロチの月足チャートを見てみましょう。これを見れば、難しい説明もいらず単純明快に分かると思います。また、前項で計算した4.28倍という数字を覚えておいて下さい。

ズロチユーロのチャート

これがズロチ円サヤ取りという手法が生まれた理由です(笑)

確かにこの動きであればスワップサヤ取りは可能でしょう。そして価格は4.27です。先程の4.28とほぼ一緒です。

しかもこの通貨ペアは現在が保ち合いの先端なだけで、動くときは割と強烈に動く傾向があるのです。

また、現状をテクニカル的に見れば、ボラティリティの収縮が進んでいかにもどちらかに走りそうな形です。

レバレッジをかけたとすれば、スワップ狙いで放置は非常に危ないですし、レバレッジをかけてないとしても、塩漬けリスクは当然あります。

勿論、ここからユーロズロチが上がれば爆益ですが、それは最早擬似両建てを駆使したスワップサヤ取りの趣旨とは外れてしまいます。

分かりやすく結論をまとめますと「ズロチサヤ取りは単にレンジを組みやすいユーロズロチで、プラススワップが入るショートをしているだけだが、そもそもユーロズロチがレンジなのは最近の話で、動く時はかなり暴れるのでリスクはそれなりにある」ということです。

勝てる勝てないは置いておいて、安全なスワップサヤ取りという趣旨で取引するのは少し間違っていますよ、ということです。

私の評価(まとめ)

  1. ポーランドズロチ円ロングとユーロ円ショートを利用した擬似両建て手法は、現在のユーロズロチのレンジが続く限りはありなのではないかと思いますが、レンジが崩壊すると非常に危険です。
  2. また、ポーランドズロチはいかにも流動性が低そうなので、何か事件があった時に大変なことになる可能性があります。レバレッジをかけている限りは、ロスカットの危険が高まります。

スワップポイント狙いに共通の、リスクが無さそうで実はハイリスクな取引手法というのが私の見解です。

やはりスワップポイント狙いはドル円が一番明快なのではないかと思いますが・・・

ズロチ円買い、ユーロ円売りの両建てFXをするのであれば、FXプライム byGMOで実践できます。

ズロチ円買い4:ユーロ円売り1 の割合で両建てをすることで、実質ユーロズロチのショートとなり、現時点では安定した為替の推移となり、スワップポイントを得ることができます。ただ、ポーランド経済に何かが起き、ズロチの価格だけが大きく下がった場合は損失をかかえることになりますのでご注意を。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です