DMAT看護師のヨッシーのブログ

ER看護師でDMAT隊員副隊長を務めているヨッシーのブログです。DMATに関する情報、日々のDMATの業務、看護の技術について等、DMAT看護師に興味を持っている方に役立つ情報を発信していきます。

無線通信は現場活動の要 DMAT無線通信

      2016/03/18

阪神淡路大震災の時は分かりませんが東日本大震災の発災時に携帯電話、家庭にある一般電話、インターネット、メール、衛星電話など通信網がことごとく途絶えてしまいました。ととてもとても大きな不安を感じた方も多かったと思います。

私もその一人でした。

DMATの訓練や研修、病院での災害対策訓練では必ずと言っていいほど使用するのが無線機やトランシーバーです。

私が最初にトランシーバーとの出会いは父がそのようなものが好きだったので私も影響を受け高校生の頃にはアマチュア無線の資格を取りもちろん無線機も買いました。社会人になってから看護師となりDMATの隊員となるまでは触る機会がありませんでした。

DMATの研修でトランシーバーの取り扱いの訓練を受けてからはこのトランシーバーのとりこになり月別日記でもご紹介させていただいていますが今では災害対策用と趣味も兼ねて運用しています(災害が起きない時は趣味として運用しています)。

しかし災害現場などの現場活動は非常時の通信手段、定時連絡、状況報告などのコミュニケーションツールとして大きな力を発揮します。

現在は携帯電話が普及しており無線機やトランシーバーなどは一昔前以上の代物と思ったりトランシーバー?無線機?とご存知ない方もいらっしゃいます。将来DMATの隊員となるにはこれらの取り扱いは必須です。難しいことはないのですが少しだけ取り扱いのコツがあります。

ではこれからDMAT隊員の必須アイテムの一つであるトランシーバーについてのお話です。

○ 無線通信の必要性

よく「情報を制するものは災害も制す」と言われています。

東日本大震災では沿岸各地で津波が大きな被害をもたらしています。その原因の一つに「これから大きな津波が襲ってくるぞ!早く逃げろ!」という情報が震災によって伝わらなかったとも言われています。

我々DMATの活動においても適切な情報伝達は自分を守るだけではなく情報を共有することによって安全かつ有効な活動が可能になってくるのです。

ここではDMAT隊員がよく使用するトランシーバーである特定小電力無線と簡易業務無線についてお伝えしたいと思います。

○ 特定省電力無線とは

このトランシーバーはホームセンターでも購入できるほど普及しています。

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値段も安価なものから2万円から3万円もするほどする高価なものがあります。

購入して電池を入れて電源を入れればすぐに使用できるようになっています。もちろんですが特別な資格は必要ありません。使用の用途も限られていません。平時ではレジャーに使ったり工場などや工事現場などで使われる場面が多いです。電波の到達距離などは場所にもよりますが山岳地帯など高所からの発信だと数キロメートルくらいで市街地などでは数百メートルくらいです。電波の特性と出力が10mwととても小さいのが短所と言えます。

しかし構造も簡単なことから小さく軽く最近のものは防水、防塵のものなどもありハンドマイクなどのオプションも豊富で使用する隊も多いと聞きました。私もこの特定省電力無線は現在趣味として使っています。

○ 簡易業務無線とは

先にお話をした特定省電力無線とは特性がだいぶ違うトランシーバーになってきます。

どのように違うかというとやはり特別な資格は必要ありませんが購入したらすぐに使うことができないのです。

何故なら総務省に申請して登録をしたり使用するための免許証(使用するためのもので個人が取得する免許ではありません)が必要です。年間の電波使用料や申請時にトランシーバー1台つき5千円近くのお金がかかってしまいます。

無断で使うとトランシーバーには電波を発すると固有の番号が付いているので許可を得たものか無断で使用しているのかすぐにわかってしまいます。申請せずに使用すると電波法違反で検挙されてしまいます。トランシーバー自体も高価です。オプションなども取り揃えるとかなりの金額がかかります。

ちなみに私はデジタル簡易無線というものを2台所有しています。トランシーバーの代金や申請料、大型バッテリーパック、ハンドマイクなどでかなりの金額がかかってしまっています。

でも出力が5wとというhigh-powerで市街地でも数キロメートル電波が届いたり山などの高所では100kmを超える交信もできます。かなりの高性能で取り回しもそんなに苦にはなりません。音声もきれいに聞き取れます。趣味で現在使用もしていてフリーライセンスのトランシーバーとして普及がかなり進んでいます。用途はもちろんレジャーや簡単な業務に使用したりします。もちろんDMATの現場活動にも使用しますよ!防塵防水仕様です。

○ トランシーバーの特徴や基本操作法

既にお分かりだと思いますが電波を使用します。複数の相手に同じチャンネルで同時に情報伝達ができる。

電波を使用する特性の一つとして秘匿性が低く第三者に傍受されてしまう(秘匿機能がついたトランシーバーがあり設定すれば第三者には聞かれません)。電話のように同時通話ができないこと(同時通話ができるものもあります)。

基本操作はそんなに難しいことはありません。電源スイッチを入れてチャンネルを合わせ通話ボタン(専門的にPTTと呼ばれています)を押して一呼吸置いてから話し始めます。聴く場合は通話ボタンを話せば聞く側になります。

月別日記でもお伝えしていますが趣味と実益を兼ねながら平時はたのしく運用しています。

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