DMAT看護師のヨッシーのブログ

ER看護師でDMAT隊員副隊長を務めているヨッシーのブログです。DMATに関する情報、日々のDMATの業務、看護の技術について等、DMAT看護師に興味を持っている方に役立つ情報を発信していきます。

東日本大震災とDMATと看護師である自分

      2016/04/11

復興とは程遠い現実がまだ残っている東北地方。

あの日大震災で多くの方々が被災し未曾有の震災で多くの方々が亡くなり避難を余儀なくされまだ行方不明の方々もいらっしゃいます。福島第一原発の問題もまだ残っています。

あの日自分には何もできずにいました。その悔しさをバネにして少しでも力になりたいどんな災害のも立ち向かえる看護師になりたいという強い思いからDMATの隊員になることができました。自らも被災しながら医療活動や救助活動された方々には本当に頭がさがる思いが消えません。

とても辛かったでしょう。私が同じ立場だったらどうだったでしょうか?これほど強い自分だったか疑問が残ってしまいます。誰にでも家族や友人、恋人、親戚など大切な人はいます。このブログを読んでいる方の中にも大切な人をお持ちの方もいらっしゃると思います。

災害は特に自然災害は突然やってきて予想が難しく大きな爪痕を残してしまいます。その場合多くは命を奪うという悲惨な結果を招いてしまいますね。

私は二十歳の時に父を食道癌で亡くしました。それは突然でもあり時間がゆっくり流れていたとも感じられました。でも実感はありましたし覚悟もできました。お見舞いに行くたびに帰り道寂しくて悲しくて大粒の涙を何回も流してしまいました。不思議なことにお葬式の時には涙が流れませんでした。

とても大切な人を亡くしてしまった悔しい思いと病気や怪我をした方の役に立ちたい何かしたいという思いから縁あって看護師になりました。

でもその時に父に何を今まで伝えることができたでしょうか?何をしてあげられたでしょうか?多分これはある意味、東日本大震災で何もできなかった自分と同じ思いなのかなと感じています。

今お読みになっている方の多くは大切な方がいらっしゃると思います。もちろん私にも家族がいますし大切な友人がいます。仮に今彼らの命がなくなってしまったとしたらまだまだ伝えたいことや一緒にやりたいことなどありますので多分後悔の念が大きく感じてしまうと思います。

これから個人的にも社会的にもまだまだたくさんの出来事が起こると思います。そんな時自分の立ち位置とは?DMAT隊員として看護師として何ができ何ができないのか大切な人への思いはどのように伝えたらいいのか?日々の感謝の思いは?大震災に備えてどのように備えをしていったらよいのか?少し長くなりましたがこれらの思いを東日本大震災の発災から5年経過した今、自分が感じたことを綴ってみたいと思います。

普段の何気ないことから

電話やメール、ラインなどコミュニケーションツールは溢れるほどありますね。「明日どこに食べに行く?」「明日の夜勤は〇〇先生だから嫌だよね」など本当にたわいない会話やコミュニケーションが多いです。

でも1つ変わったことはどんな会話の最後にはこの時間を共有してくれてありがとう、一緒に過ごしてくれてありがとうと言う思いを込めています。そんなたわいのないことなのに大げさと思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも突然その人がまた大切な人がいなくなったら病気や不慮の事故、災害など思いもよらない時にです。

私だったら父を亡くした何も思いを伝えられなかった思いからまた後悔を大きくしてしまいます。また受容もできないでしょう。照れくさいので面と向かってありがとうとは言えませんができるだけ言葉に表すことにしています。

看護師としてDMAT隊員としての心構え

何回もお伝えしてしまいましたが東日本大震災の発災で私の看護師としての思いは大きく変わってしまいました。看護師としてより強くより高くという心は誰にも負けないと自負しています。

今までのんきに過ごしていたくせにたくさん勉強もしました。外傷の知識などが持ち合わせていなかったのでJPTECやITLSなどの講習会にも参加してアクセスコースというコースではインストラクターになり多くの救助隊員や救急隊員の指導をしています。

気の向くまま気ままに面白おかしく生活スタイルだった私には考えられないほどの方向転換です。このような平時からの勉強するスタイルや葉とても大切です。災害との戦いというより自分との戦いになりますね。

災害に備えてどうすれば良いか?

普段はみなさん災害に対して備えというものはされているでしょうか?万一のことを考えての避難場所、食料や水のストック、その他日常生活用品の備蓄、連絡方法や通信手段などです。

私の場合は病院に最低でも三日間の食料や水を個人的にストックしています。着替えいつも使う風邪クスリや痛み止め日用品もロッカーにストックしています。派遣命令が出ればそのまま持参できるようにしてあります。

自宅ではまず動物がいるので彼らの餌や水のストック、ゲージ、インシュリンのストック(糖尿病のため朝夕にインシュリンの注射をしているためです。)。

東日本大震災で計画停電があり電気が止められて凍えながら電気が来るのを待っていたのですが意外なことにガスは何の影響も受けなかったので大型のガスストーブを買いました。その他交通機関が麻痺してしまっても病院への参集が求められた場合でも道順なども確認しています。

家族や自分を守る為DMAT隊員である私も災害に備えて怠ったことはありません。

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