DMAT看護師のヨッシーのブログ

ER看護師でDMAT隊員副隊長を務めているヨッシーのブログです。DMATに関する情報、日々のDMATの業務、看護の技術について等、DMAT看護師に興味を持っている方に役立つ情報を発信していきます。

災害関係各機関とDMAT

      2016/06/14

災害が発生した時DMATの単隊だけでは対応ができません。政府各機関や自衛隊、消防、警察、行政などたくさんの機関と連携を取らなければ活動ができません。

関係機関はすごく多くて複雑なので今回はすごく身近な都道府県や市町村などの関係などお伝えさせていただきたいと思います。

平時の体制は

日本には災害に対して災害対策基本法というものがあります。都道府県ごとに都道府県防災会議が設置されていて地域防災計画が作成されます。市町村も同様な制度があります。

ヨッシーにDMATになるにはどうしたらいいのだろうか?というご質問を多く頂きました。その条件の一つとして災害拠点病院に勤務することが不可欠となります。

その災害拠点病院についてご説明をさせていただきます。

目的はどのようなものかご存知でしょうか?当時の厚生労働省が打ち立てたもので1996年(平成8年)に災害時における初期救急医療体制の充実化の強化を図るための医療機関というのがコンセプトです。

災害という名がつくので災害に強くなければいけない病院です。私が勤務している病院ももちろんこの災害拠点病院の要件を満たされているので指定を受けています。

どのような条件が課せられるかというとまずライフラインが強化され患者搬送のためのヘリポートを有する施設であり都道府県の指定を受けた施設ということです。

原則としては大学病院などに併設されている救命救急センターやこれに準ずるところと記されています。

その機能の内訳とは重症や重篤な患者さんを受け入れができること、地域の医療機関の支援ができたりその体制が整っていること、災害が発生した時の救護活動において中心的な役割を担うことができる病院となっています。

さらに災害拠点病院は二種類あります。

基幹災害拠点病院と地域災害拠点病院です。基幹災害拠点病院は原則として各都道府県に一ヶ所、地域災害拠点病院は二次医療圏に一ヶ所以上の配置とされています。

災害時の体制

もし災害が発生した場合の対応はどのようになるでしょうか?原則としては市町村が主体となっていきます。それらのことを都道府県や国が調整し支援することとなっていきます。

災害が発生したまたは災害が発生しそうな時市村長は災害対策本部を立ち上げることができます。本部長には市長や村長が就任して任命された職員が本部員となります。

自衛隊や消防機関の派遣要請

災害が発生するとテレビなどのマスコミによく写るのが自衛隊や消防の救助隊の方々です。なぜいち早く駆けつけることができるのでしょうか?緊急を要する時には要請をされるのを待たないで防衛大臣やその指定した人が独自の判断で派遣することができるからなんです。

消防は都道府県知事や市町村長からの要請での派遣が原則、警察は公安委員会からの要請が原則ですが消防庁長官、警察庁長官からの自主的な要請で派遣が可能です。

DMATの派遣要請とはどのようになっているのか

次はとうとう私たちDMATの番です。派遣要請をできるのは誰かというと被災した都道府県です。被災地内の医療機関や被災地内のDMATでも対応ができないと判断された場合において他の都道府県、厚生労働省、文部科学省、国立病院機構にDMATの派遣要請を行います。

ただし超緊急でやむおえない場合は被災都道府県の要請がなくても医療機関の自主的な活動に期待した要請を行うことができます。

私たちDMAT隊員には自主的にいつ派遣されてもいいように自動待機基準がもうけられています。

どのような時に自動待機基準になるかというと

  • 大規模な航空機墜落事故があった場合
  • 津波警報(大津波)が発表された場合
  • 東海地震注意情報が発表された時
  • 東京23区で震度5以上の地震が発生した時
  • その他の地域で震度6以上の地震が発生した時

というふうになっています。

その時は外国にいるとかは別ですが参集場所が自分の勤務する病院なので病院にすぐに駆けつけられるようにします。連絡方法は携帯電話に厚生労働省からメールが来たり勤務する病院自体で独自の連絡方法を構築して連絡を取り合うようにしています。もちろん寝る時も枕元に携帯電話は置いて寝るようにしています。

気になって眠れないのではないか?というふうに言われるかもしれませんがそんなことはありません。しかし電話の音には敏感になってしまいすぐに飛び起きてしまうことがあります。

みなさんの中にはそれでは気が休まらないよとお感じになる方も大勢いらっしゃるかもしれません。しかし被災した地域ではもっと辛く悲しい現実を突きつけられて救助や医療支援を待っていらっしゃる方々が大勢います。

そんなことを考えたらいつなるか電話があって眠れないなんて贅沢なことは言ってはいられないなと私は思っています。

そのために厳しい養成研修を受け試験に合格しその後も研修を受けてスキルアップしています。

最後は少しお話がずれてしまいましたがそれはDMATである責任だと強く感じています。

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