
辞めにくいブラック企業を思い切って辞める方法について
労働厚生省がブラック企業の実名公表を行ったのをきっかけに、私自身のかつての体験も交えてブラック企業で働いた「実態」のようなものを前回まででご紹介致しました。
では、一度入ってしまったブラック企業。どうすれば後腐れなく退社する事が出来るでしょうか?今回はこの問題について書いて参りますね。
自分の働いている会社がブラック企業かどうか見分けるには
まず、自分が働いている会社が、世の中で思われているようなブラック企業なのかどうか、見極めるためのポイントを挙げておきましょう。
勤務時間が大幅に増加していないか
ブラック企業として見極めをつけやすいポイントだと思います。
あなたの1か月間の勤務時間が前月に比べて大幅に増加していたなら、それは危険信号です。
現在の労働基準方で判断すれば1週間の法廷労働時間は40時間です。40時間かける4週分、160時間プラス20時間前後が1か月間の法定内労働時間です。
但し、ここにきちんとした残業手当がつく残業時間が発生する場合があります。それが1ヶ月70時間以内です。となると、1ヶ月の労働時間は残業を最大にやったとしても250時かんくらいがマックス、という事になります。
世でいうブラック企業の残業時間は1ヶ月平均、200時間を超えるのがザラのようです。200時間の残業ということは月に22回、出勤したとして1日当たり9時間の残業です。
定時の労働時間分と合わせれば17時間、会社に拘束されていますね。まさに家に帰ったら寝るだけの生活になってしまいます。当然、終電も危ういでしょう。朝も始発かも分かりません。そりゃ、こんな時間拘束で半年もやってごらんないさい。どんな人でもおかしくなっていきますよ。
円滑なコミュニケーションの不能状態
次にブラック企業の体を成していると思える要素は「コミュニケーション不能」です。
人間、その仕事に熱意と情熱を持っていれば勤務時間が超過過酷であったとしても文句も言わず働き続ける事が出来る人もいます。独立を目指す人がこのタイプと言えるでしょう。そういった人達は人の2倍も3倍も働け!という前近代的な標語を自身の信条にしています。
まあ、その人がそれで壊れないのであればそれでいいかもしれないのですが、たまったものではないのはその他大勢の社員たちです。超人的な人を模範にされてしまうと、何も言えなくなってしまうのです。そう、円滑なコミュニケーションが阻害されてしまうのです。
人間、時には不満や弱音も言いたくなる時があるでしょう。それすらも認めず根性論で喝破され続けてしまったら、あなたならどうしますか?
人間は適正なコミュニケーションを行う事によって現状のバランスを是正できます。しかしそれを完全に封印されてしまったら心の病気になるのは時間の問題なのです。
長時間拘束とコミュニケーションの阻害。この2つがある時、その勤務地は限りなくブラック企業だと思ってもいいと思いますよ。現に私が勤めていた食器洗浄の会社、見事にこの要件に当てはまっていましたからね。
こうすればブラック企業から脱出できる?
それでは次に実際に自分自身がブラック企業にいると認識できたとして、ではどうやってそこから抜け出すか、について考えてみます。
まず自分に危機感があるかどうか
ブラック企業から抜け出すための1つ目のきっかけは「危機感を感じているかどうか」です。
ハッキリ言って、自分のいる会社が世間で言うところのブラック企業だ、という認識を持っていない人が案外、多いという事です。
そういった人達に、周りの者がいくら説得のようなことを言ったとしても全く話が噛み合ってこなくなるでしょう。ご本人が何も苦痛に感じていないならそこを辞める必要はありませんからね。
このパターンは結構、多いですよ。実際、私の場合も苦しんだのは結局。私だけです。他の者はケロッとした顔で働いています。
個人個人の主観はこうも大きく違うものなのです。だから労災や過労死の問題は、一緒くたには扱えないナイーブな問題なのです。
責任を十字架にしない
ブラック企業から抜け出すきっかけの2つ目は「責任を十字架にしない」です。
ちょっと大げさな言い方をしてしまいましたが、ブラック企業と思われる会社で働き続けて心身共に疲弊し、にっちもさっちもいかなくなる人というのは、「責任感」を人よりも大きく、重く考えすぎていないでしょうか?
確かに責任感は重要であり大切です。仕事をいい加減な気持ちでやる人間と責任感を持ってビシッとやってしまう人間。会社はどちらの人間を引き立てて上へあげようとするでしょう。
それは言わなくても分かりますよね。例えその会社がブラックであったとしてもリーダーには責任感あるものを抜擢するでしょう。抜擢された人間も大いに感謝し誇りに思い、一層業務に励もうとするでしょう。目出度し、目出たし、です。
と、こんな感じで世の中の会社は回っていると思うのですが、ここに当人にとって思い違いの落とし穴が待っているのです。責任感溢れる人達は会社から期待されています。「お前には期待してるぞ」とか「次の出世頭はお前だな」みたいなことを直属の上司や部長などから声をかけられたりしたら、悪い気がしますか?いえ、そんな事はありませんよね。
ますます気持ちが奮い立って、この会社のために死に物狂いで頑張ろう!と思うでしょう。
そこに落とし穴があるのです。そう、責任感ある人は頑張り過ぎるのです。会社からの期待や周囲の人からの評価や評判を気にするのです。「自分は落第者じゃない」と妙なプライドが自分を支配するようになるのです。つまり見えない十字架がいつの間にかあなたの背中に張り付いてしまっているのです。
それに気付けばいいのすが、入社したての新入社員や大学を出たばかりのフレッシュマンたちは第三者の目で自分を見る事ができません。ただあるのは「期待に背かないよう頑張ろう」という気持ちだけになるでしょうね。
逃げる勇気を持つ
もしあなたが入社して1年以内に過度の寝不足を感じたり余暇の時間が全く取れなくなったり気が付いたら会社で寝泊まりしていた、などという事態が起こっていたら必ず一度、立ち止まる事です。そして自身の健康状態を細かくチェックする事です。
特に気分が全く優れない、という状況になっていないかどうか調べてみてください。最悪の場合、「うつ」の症状に向かっているかも分かりませんので。
と、言うところで本題です。皆さんは「逃げる」と聞いてどうお感じになりますか?
「それは卑怯者のすること」「社会の落伍者」「問題外」などといった判断になるでしょうか?どれをとってみても好意的にみてくれるものはありませんよね。「逃げる」という行動は我々にとって責任を放棄した恥ずべき行為、という評価に他ならないようです。
しかし、本当に逃げることが責任放棄につながるのでしょうか?逃げなかったら英雄のような評価をしていただけるのでしょうか?
逃げる事は終生の笑いもの?
私はかつて在職していた食器洗浄の会社を辞めました。ハッキリ言って逃げたのです。一部署の責任者だったにも関わらず、です。
勿論、理由なしにサッサと辞めてしまうのは一般常識として問題ありでしょう。
ただ、もうこれ以上子の会社に在籍して頑張ろう、と思ってもどうしようもないだろうな、という思いは自分なりのけじめはつけた頃からハッキリと意識する事ができていました。
自分自身のモチベーションが上がらないのですからこれ以上ここにいても心が病むばかりです。それならさっさと辞めて次を探して頑張った方がまし、という気持ちがその時の私を支配したわけです。
結果的にはその退職はそれでよかったと思っているのですが、どうしてそういうように思えたのか、次回で詳しく述べてみたいと思います。
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