意外なことに口の傷は肌の傷よりも治りやすいと言われています。確かに、何かを食べていて誤って舌を噛んでしまった時に、いつの間にか傷が治っているように感じることは多いですよね。一方、肌の傷は口の傷に比べると治りが遅いように感じるかも知れませんね。
実は唾液には傷を治す効果があるようですよ。
唾液の止血、雑菌効果
肌を傷付けてしまった時に、傷口を舐めている方っていませんか。傷口を舐めるのは言い伝え的なものではなく、一応根拠があるようですよ。唾液には止血したり、雑菌が傷口に侵入するのを予防したり、炎症を抑えたりなどの効果があるのです。
具体的な成分の名前を挙げると、唾液にはリゾチームやペルオキシダーゼ、ラクトフェリンなどの成分が含まれています。リゾチームやペルオキシダーゼは抗菌作用のある酵素です。ラクトフェリンは感染を予防する機能を備えたたんぱく質です。唾液にこのような成分が含まれていることが、口の傷の治りを早くするのに役立っているのです。
ただ、口の中の唾液が少ないと口の傷は治りにくくなります。唾液の分泌を増やすためには、よく噛んでゆっくりと時間をかけて食事を行うことが大切です。よく噛んで食べることは、唾液によって食べ物を消化しやすくして、消化器官への負担を抑えるのにも役立ちます。
唾液の少ない人は口内炎になりやすい?
ところで、唾液が少ない方は口内炎になりやすいようですね。いや、口内炎どころか虫歯や歯周病などにもなりやすくなります。唾液が少ないと言うことは、それだけ口の中を殺菌する力が弱いことでもあるのです。だからこそ、口の中が細菌によるダメージを受けやすくなってしまうのです。食事の時は、1口につき30回以上噛むように心掛けましょう。
唾液の減少を抑えるためには
ちなみに、唾液の分泌は年齢とともに減少していきます。何も対策しなければ唾液は年齢とともに減っていくことしかありませんが、対策次第で唾液の減少を少しでも抑えることは出来ます。食事でよく噛むこと以外には、水分補給をしっかりすることも一緒に心掛けてみると良いでしょう。何時間置きと時間を決めてこまめに水分を摂取するようにしましょう。
この他には、唾液の分泌を良くする梅干しやレモン、みかんなどの食品を摂取するのも良いでしょう。あまり食べ過ぎるときついでしょうが、1日1つだけなら美味しく食べられるのではないでしょうか。お弁当のご飯に梅干しを乗せたり、レモンやみかんなどのフルーツを入れてみるのもお勧めです。硬くて噛みごたえのある食品を上手く取り入れるのも、唾液の分泌を良くしますよ。
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