うさぎに野菜を与えるときの農薬問題の対策方法

栄養バランスや嗜好性を育むのに、うさぎに色んな食べ物を与えるのは良いことです。(もちろん、うさぎの体に安全なもの限定ですが)

中には野菜をあげたいと考える方もいるのではないでしょうか。でも、市販の野菜って農薬が心配ですよね。

そこで、うさぎが食べる主な野菜の農薬事情や農薬除去方法について調べてみました!

人間用の資料を参考にしているので、飼い主さんの食生活にもぜひ取り入れてみてください。

市販の野菜は農薬が心配~危険はないの?~

市販の野菜はどれくらいの農薬問題を抱えているのか、農薬についての資料を見てみたところ、日常的に使う野菜のほとんどに農薬が使われている可能性があるようです。

  • ハウス栽培
  • 収穫後の農薬散布
  • 化学肥料の使いすぎ

消費者センターの試験研究室長だった人の本によると、農薬の危険は、この3つのポイントにあるそうです。

ハウス栽培は季節に限らず一年中同じ野菜を食べられるようにしてくれますが、露地栽培に比べると、農薬を多く使用している可能性が高いです。

収穫後の農薬散布なんて、必要ないんじゃないの?と思うかもしれません。

ポストハーベストといって、殺菌剤、防カビ剤を収穫した野菜に散布しているのだそうです。とくに海外からの輸入品は傷みにくくするために、こういった処理が行われます。

また、散布していなくても、使用している化学肥料に問題がある場合も考えられるので、注意が必要です。窒素系の化学肥料は、野菜に多くの硝酸塩を含む原因となります。

淀川中央動物病院の看護婦さんによると、硝酸塩が多い食べ物はうさぎの健康に良くないそうです。

私が参考にしたのは人間用の資料ですが、人間が危なくて食べられないものを、うさぎが食べられるわけないですよね!

野菜を購入するときは、無農薬のものを購入するか、購入後にしっかりと農薬を除去するようにしましょう。

うさぎが食べる野菜の農薬を家庭で除去する方法

ここでは、実際にうさぎに与えることの多い野菜について、農薬事情と具体的な除去方法を調べた結果をご紹介します。

参考にした資料のテーマが「農薬や添加物は家庭で除去できる」というものなので、難しい知識や専門の道具は必要ありません。

ちなみに、もっとも手軽な農薬を少しでも避けるコツは、旬のものを選ぶことです。

野菜の種類ごとに除去方法は異なる

農薬は殺菌剤・防カビ剤・殺虫剤・除草剤など、さまざまな種類があります。

野菜とひとくくりに言っても、使われている農薬が同じわけではありませんし、農薬がたまりやすい部分も違います。

そのため、農薬を除去するには、野菜の種類ごとに方法を変えましょう。

【小松菜】

小松菜の旬は12~1月ごろ。

葉肉が厚くて、葉の大きさが不ぞろいなものを選びます。整っているものはハウス栽培が多く、農薬リスクが高いためです。茎が長くスラッとしたものも避けましょう。

農薬は表面から少し浸透した部分(クチクラ層)に溜まりやすいそうです。

除去するにはゆでるのが一番ですが、うさぎ用はそうもいきません。2センチぐらいにこまかく切って農薬が入り込みやすい部分を晒し、水でよく洗いましょう。

小松菜はよくそのまま(葉と茎がつながったまま)で与えてしまいませんか?

農薬を除去するには、こまかく切って流水の中でしっかり洗う必要があるので、これからは小さめに切って与えるようにしてください。

【キャベツ】

キャベツの旬は、4月・8月・2月の年3回ほど。

購入するときは、外側の葉があまり紫色がかっていないものを。紫色が濃いものは病気への抵抗力が弱っているので、農薬が使われるような痩せた土地で栽培された可能性があります。

キャベツの農薬を多く除去する方法は、外側の葉をちぎって捨てるだけ!

新しい葉は内側から生えてくる(外側が一番古い葉)なので、農薬の多くは外側の葉に染み込んでいます。根から吸い上げる分が気になる人は、根に近い部分も避けると安心です。

うさぎ用のキャベツは、よくスーパーでちぎって捨てられているキャベツをもらって帰っている、という方は要注意。

もっと気になる人は塩もみした後に熱湯をかけると良いそうですが、うさぎに与える分は塩もみせず、水でよく洗う程度にしましょう。

最近よく売られているカット野菜は、カット後に薬品がかけられていることがあるので、うさぎに与えないほうが安全です。

【チンゲン菜】

チンゲンサイの旬は9~12月ごろ。

散布される農薬の心配は低いですが、土地の影響を受けやすいため、根元は念のため切ってから与えるのがおすすめ。

一枚ずつ、葉の部分を中心にしっかり洗いましょう。これだけで農薬の心配はかなり減ります。

ただし、それは農薬の影響に強いカルシウムが豊富だから、という特徴によるもの。カルシウム過多はうさぎの体に影響を及ぼす心配があるため、与える量自体を注意しましょう。

【にんじん】

にんじんの旬は、5月・9月・10月ごろです。

よく、栄養のあるにんじんは茎を切り落とした部分の輪が小さいといいますが、農薬の状況を見るにも、この選び方は正解です。

栄養価の低いにんじんは、痩せた土地で栽培されているため、病気予防のための農薬が欠かせません。茎の部分の輪が小さいものを選べば、栄養価が高く農薬の心配が低いにんじんを買えます。

にんじんの農薬は、皮にさえ気をつければ十分取り除けます。料理中に出たくず野菜(にんじんの皮など)をうさぎに与えている方は、止めましょう。

言い換えると、にんじんは皮を取り除きさえすれば、特別な処理をせず与えられる便利な野菜です。

花形にくり抜く型抜きを使うと見た目が可愛くて皮もしっかり取り除けるので便利です。食事風景の写真を撮りたい飼い主さんにもおすすめです!

【ブロッコリー】

ブロッコリーの旬は、11~12月です。

ブロッコリーは比較的、農薬の心配が少ない野菜ですが、それは国産モノの話。スーパーでは、よくアメリカ産なども販売されているので、しっかり産地を確認して買いましょう。

洗うときはこまかく切って、流水で。塩水で軽く洗ってから流水にさらすと農薬がよく除去できますが、うさぎに与える場合は塩水を避けた方が無難です。

その分、しっかり流水で洗ってあげてくださいね。

【セロリ】

セロリの旬は3~4月ごろ。

芯の部分の葉がしっかりと立っているものは、農薬を使うような痩せた土地では育ちません。健康的な育ち方をした証拠なので、しっかりと立っているものを選びましょう。

農薬が多い部分は、葉です。うさぎにとって食べやすい部分も、この葉なので、しっかり農薬を対処したいもの。

流水で2分以上洗うのがおすすめ。

水600mlに大さじ1の酢を入れた酢水で洗ってから真水で洗う、さらに効果的な方法もあります。

酢はうさぎのトイレ掃除用に使われることも多いので健康的には問題ありませんが、酢水にさらしたセロリをうさぎちゃんが食べてくれるかどうかは微妙なところ。

酢水に入れたあとしっかり水で洗ってから、うさぎちゃんが食べるかどうか試してみてください。食べないときは、流水で洗う方法にしましょう。

こちらであげた野菜の例以外にも、うさぎが食べられる野菜もあります。

が、「農薬除去方法の具体的な参考文献があって、誰でも手軽に購入できる野菜」ということで、これらの野菜に絞っています。(他の野菜も文献が見つかり次第、ご紹介しますね!)

ちなみに、野菜は50度くらいのお湯を桶にためて、その中で洗う方法も効果的です。

あまり長いと下茹でのようになってしまいますが、1~2分くらいなら良い変化しか起こりません。ほとんどの野菜でできる方法でもあります。

葉物野菜ならシャキッとして鮮度が復活しますし、他の野菜も色鮮やかになります。虫が取れたり、農薬が溶け出したりするので、お湯洗いは良いことずくめです。

ここでご紹介している野菜の他、うさぎちゃんに与えられる野菜は以下のページを参考にしてみてください。

>>『冬のうさぎのエサの与え方と注意点~食べられる野菜もご紹介~

バナナなどフルーツの農薬対策

フルーツはとくに輸入物が多くなってしまうため、農薬に注意したいところ。

とくにうさぎが好きなバナナは外国産ですし、国産でも、りんごは農薬が多くて有名です。

【りんご】

りんごの旬は品種ごとに変わります。平均は9月~11月ごろ。

よく、「りんごは農薬が多い」と聞きませんか?それには事情があります。

別にりんごに特別多くの農薬を使っているわけではなく、袋を被せる栽培方法が影響しているのです。紫外線をカットする袋は、農薬が紫外線で分解される機会を減らします。

最近は袋をあえて被せない栽培方法のものもあるので、農薬を少しでも避けるには、袋を被せないで栽培するりんご(無袋栽培)を選びましょう。

りんごの農薬は皮と、皮の表面の奥まったところ(クチクラ層)に多くあります。うさぎちゃんに食べさせるときは皮を厚めに切り取ると安心です。

洗うときは、流水の中でゴシゴシ洗いましょう。スポンジを使うと皮に傷をつけず(農薬が身に入り込まない)しっかり洗えます。

【バナナ】

バナナは亜熱帯で栽培され、一年中収穫できます。もともと外国産ということもあって、旬を気にする必要はありません。(というより、旬がないそうです)

防腐剤や防カビ剤が収穫後にふりかけられますが、バナナの皮は厚いので、それほど心配することはないそうです。

ただし、中には浸透するタイプの薬剤もあり、念のため対策はしたいですね。バナナの有害物質が溜まるのは、上部の1センチ以内という調査結果が出ています。

うさぎに与えるときは、上部(軸の部分)を避け、真ん中あたりを切ってあげましょう。

また、産地で選ぶなら台湾産のほうが農薬の心配は薄いです。

【いちご】

いちごの旬は品種ごとに細かく異なりますが、だいたいは寒い時期が旬です。11~6月ごろに集中します。

いちごの農薬除去のポイントは、表面を傷めないこと。

葉物野菜の場合は表面から浸透した農薬を少しでもとるためにこまかく切ってから洗ったほうが良いのですが、イチゴは丸ごと優しく洗うのが正解です。

流水に5分ほど晒した後、優しく丁寧に洗う方法がおすすめ。5回程度しっかり洗うと、農薬のほとんどが流れていきます。

【パパイヤ・パイナップル・マンゴー】

環境保護団体の発表によると、残留農薬が少ない野菜果物の中でトップ10入りしているのが、この3つ。そのため、あまり農薬の心配はしなくて良さそうです。

これらも南国産のものの旬はこれといってありません。日本産なら初夏ごろが旬のものばかりです。

とくにパイナップルはランキング中2位というかなりの安心感があるフルーツ。国内産は沖縄産のものがありますが、ほとんどがフィリピン産です。

もともと厚い皮を切ったり中心の芯を取り除いたりするので、農薬対策はそれほど考える必要はありません。

うさぎのエサ用野菜の農薬対策まとめ

うさぎに野菜を与えるのは農薬が心配、という声は少なくないと思います。

でも、災害の多いこのごろ、いつお気に入りのペレットが手に入りにくくなるか分かりませんし、少しでも食べられるものを増やしておきたいですね。

中国では、野菜を長い時間流水につけておいて農薬を除去するそうです。それも間違いじゃないらしいのですが、忙しい毎日だと正直「そんなヒマないわ」って思っちゃいます。

こちらでご紹介した野菜やフルーツごとの農薬の除去方法や旬情報を参考に、少しでも農薬リスクを減らして、うさぎちゃんに新鮮な野菜を食べさせてあげましょう。

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