「さぁ!今日から英語の勉強を始めよう!」と思い立ち、最初に悩むことの一つが、「文法書はどうしよう?」ということです。
特に、社会人の方で英語を始めようとされている方や大学生の方でもしばらく受験から離れている方であれば、「やっぱり、文法もちょっとおさらいしたほうがいいかな~」と思われる方もいらっしゃるはずです。
ここでは、「会話=話し聞くことすること」にとって、はたして英文法は必要なのか?そして文法をおさらいするにはどんな教材がいいのかについて書きたいと思います。
目次
英文法は自由な会話への近道
結論から言いますと、会話するためであっても、英文法を学ぶことの意義は大いにあります。
周囲の人が常時英語を話し、英語で話し聞けるような恵まれた(厳しい?)環境であれば、自然と会話できるようになります。特に、普段の日常での会話は、かなり短期間で会話できるようになるはずです。ただし、普段から楽しく英語で会話をするだけで、ビジネスやちょっと難しい会話に対応できるようになるには、それなりの時間がかかります。
というのも、普段の会話はある程度の文章パターンで対応できても、いざ小難しい話になり何か別の表現を使いたいと思っても、英文法の知識で文章構造を理解しておかなければ、普段使っている文章パターンのどこを、どうやって変形すればよいかわかりません。結果として自分の表現を広げていくことが難しくなり、相手にとってもわかりにくい、ということになりかねません。
また、会話をするうえでは「繰り返し暗唱」という作業が本当に重要なのですが(話す訓練ー「筋トレ」と同じー)、英文法の知識があるのとないのでは、効果に大きな差があります。この「フレーズは、こういう構成なんだな~」と理解しながら繰り返し暗唱することで、やがて自然にそのフレーズの一部分を入れ替えたり、修飾語を足したりすることが瞬時にできるようになり、いろんな内容をスムーズに表現できるようになります。
英文法を学習せず、いつも使っている文章パターンから表現を広げていこうとすると、理屈がわかっていない分、相当時間がかかります(伝わらない場面も増えるはずです)。
つまり、英文法を学ぶことは、自由な会話への近道になります。面倒ではあると思いますが、会話できることを目指す場合でも、基礎的な英文法は学習されることをおすすめします。
具体的な文法書の選び方と学習方法
では、どんな文法書がよくて、どんな風に学習すればよいのか?ということですが、まず、文法書を選ぶ際のポイントは、「薄めのものを選ぶこと」、「書店で実際に手をとって中身を見てみること」、そして「手を広げすぎないこと」が重要です。これは、英文法の全体像を定着させるために、同じ文法書を何度も繰り返し学習することが重要であり、そのための気に入った一冊をを見つけるためのポイントになります。以下では、それぞれのポイントについて説明しておきます。
1.100ページ前後の薄めのものを選ぶ
繰り返しに適するのは、やはり薄めの本です。どんな分野の学習でも全体像をつかむことが重要ですし、何より終わりが見えていると安心しますよね?そのため薄めの本、目安としては、多くとも100ページ前後のものをおすすめします。それ以上だと、なかなか最後までたどり着かず、全体像もつかめないどころか、読み進めていくことすらイヤになりかねませんので・・・。
「100ページでも多い!」のですが、書店の文法書コーナーには300ページ前後もある、辞書のような文法書もあります。英語を勉強する決意の証!ということで、辞書的な文法書を買ってしまいそうになる気持ちはわかるのですが、まぁ続きません・・・(実際、私は続きませんでした)。最初は薄めのものにしましょう。
2.書店で実際に見てみる
このEC時代に実際に書店に足を運ぶのも古臭い方法ではありますが、繰り返し学習するからこそ、書店で実際に手に取ってみて、パラパラと中身を確認することをおすすめします。
上記の「薄さ」だけでなく、本のサイズ、1ページの文章量、ページの色使い等、気に入ったものを選びましょう。内容が問題なさそうであれば、ある程度はデザインのかっこよさやかわいさで選んでもいいと思います。とにかく、選んだ一冊をある程度マスターすることが重要ですので、自分の気に入る文法書を探しに書店に行かれることをおすすめします。
3.手は広げすぎない
そして、手を広げすぎないこと。選んだ文法書がよっぽど合わない限りは、選んだ一冊に集中してください。なぜなら、文法書によって説明の仕方や切り口は違えど、基礎的な英文法という内容に限れば、どの文法書もそれほどクオリティは変わらないはずなので、文法書をころころ変えることにあまりメリットはないからです。
もちろん、選んだ文法書でも詳細がわからない部分は、他の書籍やGoogleで調べることも必要になります。ただ、ベースとなる文法書は変えず、内容が自分の頭の中で定着するまで繰り返すことが重要です。
基礎的な文法ができてきたら
自分の気に入った文法書で学習を続けることが重要・・・ということをお伝えしましたが、以下で「これは興味深かった!」と思った文法書を紹介しています。
いずれも、基礎的な文法が身に付いている方が読まれて、初めて成果が出るものですので、ある程度学習が進んでから読んでみてください。
1.ENGLISH EX
一から文法を学習するための本ではなく、一通り勉強したけどピンポイントでもっと詳しく知りたい方向け。解説が非常にわかりやすく、わからない箇所を集中的に補強するのに最適。ただ、ページ数は膨大なので、これを最初から最後まで読み切るのは本当に大変なので、あくまで辞書的な使い方をおすすめします。→英文法学習の決定版!「ENGLISH EX」について(*中級者以上向けです)
2.<英語のカンを一瞬にしてモノにする!>世界に一つだけの英語教科書
本のタイトルが大風呂敷を広げている感じがあり、今までの英文法の常識とは少し異なる角度からの解説が多く、賛否両論あるようです。ただ私個人としては、あくまで「イメージ」をつかむには良い教材だと思いますし、仮定法や助動詞の「イメージ」を持つのに非常に参考になりました。→<英語のカンを一瞬にしてモノにする!>世界に一つだけの英語教科書について
まとめ
会話が目的でも英文法は重要
英文法は、自由な会話への近道です。英文法の学習は、最初は効果の実感がわきずらいですが、後々に大きな差となり現れます。言ってしまえば、言葉の「お作法」に過ぎないものですので、つらいことは重々承知ですが、取り組む価値はあるはずです。
薄め、実物確認、一冊だけ
無理なく続けられる、自分の気に入った薄めのものを一冊だけ繰り返しましょう。
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