留学なし・独学のみで英語で会話するための勉強法

このサイトでは、これから英語を学習して話せるようになりたいと思っている方や、今英語を勉強中だけど行き詰っている方に対して少しでも役立てるよう、全く英語ができない状態から、留学せず、独学でなんとなく話せて聞けるようになった私自信の具体的な学習法をご紹介します。

目標は、自力でなんとなく会話できるようになること!

まず、皆さんの英語を話せるレベルをざっくり5段階で表すと、こんな感じになるのではないでしょうか?ちょっと乱暴ではありますが、あくまで簡単なイメージです。なお、以下では、話せて聞けることを「会話する」と表現しておきます。

①まったく会話できない(会話理解度0%~20%)→②ちょこっと会話できる(20%~40%)→③なんとなく会話できる(40%~60%)→④ほぼ理解しながら会話できる(60%~80%)→完全に理解して会話できる(80%~)

このサイト作成のきっかけは、自分の経験と周囲の方の英語の学習を見ていて、独学で①や②のレベルから、③のレベルに持っていく段階がとにかく一番しんどい時期だな、と感じたからです。私の経験上、③の段階までいくと、ある程度自分の学習方法も確立していますし、「なんとなく会話できる」ので、英語に接すること自体がそれほど苦にはならなくなっているはずです。

もちろん、③から④の段階に到達するのも非常に大変ではありますが、少なくとも、あの「何も話せなくて、後ろめたい気持ちを抱えて家に帰る・・・」ということはなくなるはずで、ここから学習も加速度的に進んでいきます。

かくいう私自信も、最初は①のレベルでTOEIC3××点(恥ずかしくて書けません・・・)でしたし、今でも上記レベルの③~④の間で、決して上手に英語を話せるわけではありません。ですが、今では海外との英文メールの対応もしていますし、たまの海外でのミーティングも何とかこなせるようになってきました(もちろん、とても重要な会議は、今でも通訳の人に手伝ってもらったりしていますが・・・)。

ですので、独学で③の段階まで何とか持っていった経験と学習のノウハウを共有して、これを読んでいる①や②のレベルで苦しんでいる皆さんも、いち早く③の段階まで到達してほしい!というのが目的です。

なお当サイトでは、「会話する」ための学習方法の紹介に力点を置いてます。ですので、私が学習していた際に「これは会話するにはいい教材だ!」と思った書籍やアプリ等は紹介しますが、単語やフレーズそのものの紹介や、文法解説等は一切ありません。

また、TOEIC対策についても一切ありませんので、その点はご注意ください

では、前置き長くなりましたが、「なんとなく会話できる」ようになるための具体的な方法をご紹介します。

一番重要なことー嫌いな学習方法を続けるのはやめるー

語学学校の 電車広告の隅に、「英語の上達には不断の努力が必要です・・・」というただし書きを見かけた方はいらっしゃいますでしょうか?

言わんとしていることは、「語学学校に通うだけでは英語は話せるようになりませんよ、自分でも日頃から努力してくださいね。」という意味だと個人的に解釈しているのですが、まさにそのとおりで、語学学習において魔法のような近道はなく、継続して学習することが一番重要です。

「それができたら困りません!」と、皆さん思ってらっしゃると思います。継続することが重要でも、継続できない、ここが悩みどころです。

学習を無理なく続けたいからこそ、嫌いな方法はやめる

ですので、学習方法を紹介するサイトにもかかわらず、逆説的ではありますが、継続して学習することを最優先にしていただき、嫌いな学習方法を続けるのはやめてください。以下、色々と学習方法をご紹介はしますが、「合わないな~」と思ったら、続ける必要はありません。とにかく、続けてできることを最優先に考えてください!

勉強というのは苦しいもので、「好きな学習方法なんてない!」とおっしゃる方がほとんどだと思います。では、どんな方法を続ければいいのか?それは、「他の方法と比べて、そんなに嫌ではない方法を続ける」です。

いろいろな方法を試すことだけは怠らない

ただ、どんな方法が「そんなに嫌ではない」かは、やってみないとわかりません。ですので、皆さんに心がけていただきたいのは、どんな方法が「そんなに嫌ではない」かを見極めるため、いろんな学習方法を試すことです。とにかく、色々試してみて、なんとか続けれそうな学習方法を探す。これが、語学学習において、一番重要なことです。

で、とりあえず「じゃあ、あなたの学習方法を試してやろう」と思っていただいた方に、以下で話すための訓練と聞くための訓練に分けて、より具体的な学習方法を紹介します。

話す訓練ー「筋トレ」と同じー

話す訓練は「筋トレ」と同じ。

これが、英語で会話できるようになるための鉄則だと私は考えています。筋トレ、すなわち重要なことは筋肉を動かすことにあります。もちろん、筋肉を動かすと言っても、「ランニングしながら英語を勉強しましょう!」というのではありません。「声帯」と「口(舌も含みます)」を動かすことが重要ということです。

ちゃんと声に出してみよう!

「声帯」を動かすというのは、ご想像のとおり「声に出す」ということです。中学や高校で先生から「ちゃんと英語は声に出しましょうね」と言われた方も多いと思います。

「この年でぶつぶつ一人で暗唱するのは恥ずかしい」、「発音も下手だし声に出すのも面倒くさい」というお気持ちはわかります。ですが、この古典的な「自分で声を発し、その声を聞く」という方法こそ、話す訓練においては最も重要です。

一方で、「ん、声に出すとか学習方法として当たり前じゃね?」と思われた方もいると思います。ここで、私の考えるもう一つ重要な方法として、「口」を動かすことの重要性をお伝えします。「筋トレ」というネーミングを使ったのも、この「口」の筋肉を動かすことが重要だと考えているからです。

口をしっかり動かして、筋肉に言葉を覚えさせることが重要!

声に出して練習されているとき、皆さんどんなふうに声を出されているでしょうか?おそらくですが、小声でモゴモゴ練習されているのではないでしょうか?

声に出して練習されているだけ素晴らしい!ですが、声に出すのであれば、なるべく大きな声で(張り上げる必要はありません、普通に誰かと会話しているときの音量です)、少し口を大げさに動かして練習した方が、明らかに効果的です。

なぜ、こんなことを言うかというと、口の筋肉をちゃんと動かしておくと、不思議なことに暗唱したフレーズを頭だけでなく、口が覚えているという感覚になります。より正確に言うと、単語やフレーズと口の形が一致していくイメージになります。

何か科学的な根拠があるわけではなく、これは私の感覚的なものなので、うまく説明することができないのですが、口が覚えだすと、何も考えずに返答できるようになってきますので、会話の反射神経(相手の言葉に返答できるまでの間隔)も上がります。これは、会話のストレスをものすごく解消してくれますし、同時に会話に対するモチベーションの維持にも役立ちます。

少し英語を勉強されている方だと、自分がよく使うフレーズがあると思います。そのフレーズを発する際、何か考えて発せられているでしょうか?

おそらく、何も考えずに勝手に声が出て、その言葉を発するように口が勝手に動いているのではないでしょうか?その感覚を作り出すために、声を出すだけでなく、口をしっかり動かすことが重要だと、私は考えています。

ちょっとずつ、気に入ったフレーズを口に叩きこむ

ということで、おすすめの学習方法としては、「気に入ったフレーズを、暗唱できるようになるまで、口を意識しながら、何度も声に出す」になります。気に入ったフレーズは、最初は一つ、二つで構いません。徐々に増やしていけばいいです。暗唱できるようになれば、それは自分のモノになっているということです。

私も20~30フレーズぐらいを、1か月ほどで暗唱できるようにしたのですが、知り合いのカナダ人に「英語うまくなったね」と言われ、自分でも驚くほど会話の反射神経が上達したのを覚えています。

これは覚えた20~30フレーズが、たまたま会話の内容にマッチしたからではなく、暗唱できるようになってくると、そのフレーズの中の単語を入れ替えたり、時制を変化させたり、関係代名詞で修飾してちょっとゴージャスな英語にするのも、会話の中で割と早くできるようになります。

覚えたフレーズ(語順や構文)をベースにして、会話の内容にマッチするように変化させながら話すことができたので、「上達した」と思ってもらえたのだと思っています。ここまでくれば、会話するのも徐々に苦ではなくなってきます。

「気に入ったフレーズを、暗唱できるようになるまで、口を意識しながら、何度も声に出す」。当たり前です。しんどいです。ですが、留学せずに独学で話す力をつけるには、これ以上の方法はないと確信しています。是非一度、試してください。

なお、気に入ったフレーズの見つけ方ですが、後でおすすめの学習アプリや学習サイトをご紹介しますので、そこから気に入ったフレーズを見つけていただいてもいいかと思います。私も基本的にはこれらの教材から気に入ったフレーズを見つけています。

聞く訓練ー生の英語を、手を広げ過ぎずに何度も聞くー

では、続いて聞く訓練についてです。語学は、読む、書く、話す、聞くと四つの分野に分けれると思いますが、私も「聞く」ことが最も苦痛でした。最初は、ナチュラルスピードの英文はまったく聞き取れませんでしたし、聞く力を伸ばすのにも相当苦労しました。

ただ、聞くことに関しては、個人差はありますが学習時間との比例関係が如実に出ます。したがって、焦らず、気長に取り組むことが、読んだり書いたり話したりするトレーニング以上に重要ですし、その方が精神衛生上も安定して学習に取り組むことができます。

とにかく、どれだけ英語を聞いたか、という累積時間が重要ということは、念頭に置いておいてください。

とはいえ、「じゃあ何を、どうやって聞けば会話に対応しやすいのか?」ということですが、私のお勧めの方法は「生の英語を、手を広げず何度も聞く」という方法です。

「生の英語」というのは、いわいる参考書等のCDやMP3として付属している「正しい発音で、音もはっきりしている英語」ではありません。アメリカなどの英語圏で流れているラジオ、公演、ニュースなど「何も加工されていない、英語を母語とする人が現地の人に対してナチュラルスピードでしゃべっている英語」ということです。

「そんなのいきなり聞けるか!」というのはごもっともで、学習の最初はスピードの遅い、正確に発音されている教材から耳を慣らしていくのがいいです。ただ、それで少し慣れてきたら、いきなり「生の英語」を聞いてみましょう!

「生の英語」を聞くことの重要性

当たり前ですが、私たち日本人の話している日本語は、外国人が勉強している日本語の教材に記載されているものとは違うはずです。

英語も同様で、日本語よりも母音・子音が多くそもそも発音構造が複雑な上に、生の英語は音がつながったり、音が落ちていたりすることが多いですし、それぞれの人の話し方もあります。これらは一般の教材ではなかなか慣れることが難しいですが、これに対応できなければ、会話をすることが難しいのは想像に難くないはずです。

ですので、教材の音声ばかり聞いて、その音声に慣れすぎると、生の英語を聞き取るのにとても苦労します。特にやっかいなのは、「あんなにCD聞いて、CDでは聞けるようになったのに、いざ目の前で外人の話しているのを聞くと全然聞き取れない・・・」という精神的ダメージを受け、英語の学習自体がイヤになりかねません。

そこで、なるべく生の英語で耳を慣らしておくことが、会話するにあたっては特に重要なことなのです。

短い「生の英語」から始めてみよう!

ただ、その生の英語が聞けないから困っているわけで、聞けと言われても無理だというのはごもっともです。そこで、おすすめの方法としては、1分~3分程度のとても短い生の英語のスクリプトを、何度も聞く、というものです。

生の英語なので、当然早い、単語も難しいです。ですので、最初から聞き取ろうとせず、まずスクリプトを読み、知らない単語を調べておきます。

その後、スクリプトを見ながら聞き、大体の意味をとります。話されている単語と日本語での意味が把握できたら、後はそのスクリプトを延々聞き続けます。可能であれば、話している人のフレーズだけでなく、リズム、抑揚を真似できるまで聞きましょう。

ここで重要なのは、手を広げすぎないことです。生の英語を色々聞くのは、最初は本当に辛いことですし、スクリプトを読んでいるだけで時間もかかります。

ですので、最初は1つのスクリプトだけでいいです。しかも、3分以下の短いものでいいです。とにかく、気に入った生の英語のショートスクリプトを聞き続けることが重要です。無理に手を広げる必要はありません。

「もう聞きすぎて、内容にも飽きちゃった」と思ったら、また一つずつ短い生の英語のスクリプトを増やしていきましょう。徐々にですが、聞き取れる部分が増えてくるはずです。

この方法がいいのは、生の英語ならではの英語の自然なリズムが身に付き、音がつながったり落ちたりしている英語を聞く感覚を養えますし、何より「臨場感」があります。

また、個人的な意見だとは思いますが、特定のスクリプトとはいえ、ガチのナチュラルスピードの英語を聞けること自体、学習の自信にもつながります。

「生の英語を、手を広げ過ぎずに何度も聞く」。最初はハードルが高いと思います。ですが、少しでも耳が慣れてきたな、と思ったらぜひこの方法を試してみてください。

おすすめの学習教材

では、今までご紹介した話す訓練・聞く訓練を実践するために、私が利用しているアプリやコンテンツをご紹介します。英語を独学で勉強し始めて、約2年。色々な教材を試し、紆余曲折ありましたが、現在は以下の教材のみを、気分によって使い分けて学習しています。

隙間時間にアプリでフレーズを吸収

  1. Real英会話:思わず使いたくなるフレーズがいっぱい。隙間時間の学習に最適。→「Real英会話」の特徴、勉強法

生の英語からフレーズ吸収+耳を慣らすために(以下の3つは基本的に無料の教材です)

  1. NHK ニュースで英会話:2分弱程度の短いニュース。丁寧な日本語での単語・文法の解説があり、学習しやすい。生の英語のデビュー戦として、おすすめ。→「NHKニュースで英会話」の特徴、勉強法
  2. CNN 10 (旧:CNN Student News):アメリカのニュース専門放送局のCNNがアメリカ国内の学生(多分、小~中学生)向けに配信している10分のニュースコンテンツ・・・でしたが、「CNN 10」とタイトル名が変わり、学生向けのクイズコーナーのようなものはなくなり、純粋に10分で最新ニュースを紹介する、という趣旨に代わっている模様です。ネットでも見れますし、Podcastでも視聴可能。通常のニュースよりもやや内容が簡単ではあるものの、ネイティブ向けに放送されているため、当然ナチュラルスピード。また、スクリプトも公開されているので、聞き取れない箇所もチェック可能と、少し学習が慣れた人にとってはいたれりつくせりの教材。しかもちゃんとニュース映像もあるので、飽きにくい。→「CNN10」の特徴、勉強法
  3. TED Talks:ご存知の方も多いと思われる、世界最高峰のプレゼンを聞けるコンテンツ。知的好奇心のそそられるコンテンツがいっぱいです。内容が難しい?いえいえ、繰り返し何度も聞ける短いコンテンツもありますよ!→TEDの特徴、勉強法

やっぱり文法もおさらいしておきたい!

  1. 英文法の学習法とおすすめ基礎的文法書:文法をおさらいするために、英文法の学習法とおすすめの基礎的文法書を解説しています・・・と言いたいのですが、基礎的文法書については具体的な書籍は紹介せず、選ぶ際のポイントを紹介しています。→英文法の学習法とおすすめ基礎的文法書
  2. ENGLISH EX:一から文法を学習するための本ではなく、一通り勉強したけどピンポイントでもっと詳しく知りたい方向け。解説が非常にわかりやすく、わからない箇所を集中的に補強するのに最適。ただ、ページ数が膨大なので、辞書的に使うべきです。→英文法学習の決定版!「ENGLISH EX」について(*中級者以上向けです)
  3. <英語のカンを一瞬にしてモノにする!>世界に一つだけの英語教科書:表題が大風呂敷を広げている感じがあり、今までの常識とは少し異なる角度から文法の解説をしており、賛否両論ある本のようです。ただ私個人としては、あくまで「イメージ」をつかむには良い教材ですし、仮定法や助動詞の「イメージ」を持つのに非常に参考になりました。→<英語のカンを一瞬にしてモノにする!>世界に一つだけの英語教科書について

せっかく勉強してるんだから、実践したい!

  1. Skype英会話:アウトプットには最適。「Skypeでビデオごしに英語を話すのは恥ずかしい」と思うのは最初だけ!そのうち慣れます。→「Skype英会話」を選ぶ際のポイント

番外編ーネイティブから聞いた日本人の英語ってどうなん?-

  1. 日本人の英語:日本人が日本語で解説する本や、ネイティブが英語で解説する本はたくさんあります。この本の斬新なところは、ネイティブの方が日本語で、日本人の英語の特徴を詳細に解説していることにあります。文法書ではなく、普通の文庫本として構成されているため、学習教材というカテゴリーに入るものではないかもしれないので「番外編」とさせてもらいましたが、目からウロコの情報が多く、非常に面白い内容となっていますし、勉強になります。→ネイティブの感覚をつかもう!「日本人の英語」について

なお、くれぐれも最初にご説明した、「嫌いな学習方法を続ける」のはやめてください。上記のコンテンツ等も試してみて「合わないな~」と思ったら、やめる。

少しでも心が英語の学習に向き、学習を継続することが、何よりも重要です。

上記の教材の私なりの詳しい解説・使い方も他のページに載せていますので、興味のある方は参考にしてみてください。

まとめ

私のご紹介した方法のポイントは以下の3つです。

1.好きな学習方法を続ける!

学習を続けることを優先し、嫌いな学習方法はやめる(ただし、続けることのできる学習法を探すため、いろいろ試すことは怠らない)。

2.話すためには、声帯と口の筋肉を動かす!

話す訓練として、気に入ったフレーズを何度も声に出し、口もしっかり動かす(筋トレです、話すことが目的である以上、この作業は絶対に避けられません)。

3.聞くためには、生の英語を何度も聞く!

聞く訓練として、生の英語でナチュラルスピードの気に入ったコンテンツを何度も繰り返し聞く(手を広げ過ぎない、これだけは時間のかかる作業と心得ておく)。

以上、私の実践している学習方法をご紹介させていただきました。このサイトでご紹介した学習方法・教材によって、少しでも早く「なんとなく会話できる」ようになっていただければ、こんなに嬉しいことはありません。がんばっていきましょう!