今回はメキシコペソ円のスワップポイントを利用した投資について検討していきます。
個人的には、メキシコというのは治安が悪く不安定というイメージがあるのですが、テクニカル的には投資する価値があるのではないかと考えています。
メキシコペソ円は将来有望?他の新興国通貨との比較。
まずはメキシコの政策金利から見ていきます。前回のブラジルレアルについての記事で書いた表を再喝します。
- メキシコ(ペソ)8.25パーセント。
- 南アフリカ(ランド)6.75パーセント。
- 中国(元)4.35パーセント。
- トルコ(リラ)24.00パーセント(笑)
代表的な高金利通貨といえばこの辺りですが(ちなみにブラジルレアルは6.5パーセント)メキシコペソはエクストラ設定のトルコリラを除けば、他の高金利通貨よりも高い政策金利が設定されています。
ですので、純粋にスワップポイントだけを見れば、トルコリラに次いで旨味があると言えるでしょう。
※ちなみにスワップポイントは現在こんな感じです。メキシコペソは1通貨5.7円程ですので、10万通貨はドル円の5000通貨ぐらいです。
では、次にテクニカル的な比較をします。高金利通貨で最もハイリスクハイリターンなのは為替差益ですから、そこはよく見ておく必要があります。
まずはみんな大好きトルコリラ円から。これは週足チャートですが、現在2番底を見に行くかな?という感じの動きです。
トルコリラショックからは大分立ち直りましたが、まだまだ下値余地はありそうです。
こちらは南アフリカランド円週足。こちらはトルコリラ円と比べて下げていませんが、もう一度下値を探りそうな動きです。
ですが、トルコリラ円よりは強そうです。
で、こちらが問題のメキシコペソ円週足チャートです。
上二つと比較して明らかに頑張っている気がしないでしょうか(笑)
勿論ここから下攻めというルートは残っていますが、上に抜けても全然おかしくはない形です。少なくとも、この3つの内のどれかをロングしろと言われたら、迷わずメキシコペソ円をロングします。
でも様子がおかしい世界経済。新興国通貨の取引は充分に気をつけて。
前項でメキシコペソ円が新興国通貨の中では非常に有望だという風に書きましたが、個人的には一つ引っかかる点があります。
こちらをご覧ください。
これは円インデックスの日足チャートですが、非常に日本円が強くなってきています。
で、次にユーロインデックス。
円がやたら強くユーロが弱いという典型的なリスクオフ相場ですね。全体的に世界経済がリセッションを意識し始めているため、このような動きになっています。
もしもこのまま減速からリセッション突入となれば、しばらくは円が最強通貨になる可能性が高いですし、新興国通貨全体が弱くなる可能性も高いです。
たしかに、メキシコペソはトルコリラや南アフリカランドよりは下値余地が少ないのかもしれませんが、全体的な流れに逆らって独歩高になるほどではなさそうです。
ですので、メキシコペソ円をロングする際は細心の注意を払って、ちょっとずつエントリーをしていく必要があると思います。
メキシコ経済について
ここまではテクニカル的な話でしたが、ファンダメンタル的な話も少し触れておきます・・・といっても詳しく書かれたURLがあるので丸投げ気味になってしまうのですが・・・
メキシコ経済の現状と今後の展望~ トランプ・ショックと2018年大統領選挙でメキシコ経済はどうなる? ~
2018年の頭に書かれた記事ですが、大体こんな感じらしいです。
これは2018年の末に書かれた記事ですね。こちらも参考になります。
加速したトルコの「ドル化」~さらなる通貨危機を見越し今後も着実に進む恐れ~
ちなみにトルコについてのレポートです。比較してみて下さい。
上3つを読んで頂ければ、メキシコペソがテクニカル的に踏みとどまっている理由がよく分かるはずです。参考にしてみて下さい。
まとめ
- メキシコペソは政策金利が高くかつテクニカル的にも有望です。
- しかし日本円が最強モードに突入しそうなため、本当に買ってもいいのかは疑問です。メキシコに関わらず、リスクオフは新興国経済が一番ダメージを負うはずです。
- 新興国の中ではメキシコ経済は安定しているように思います。
メキシコペソ円は面白いと思うのですが、いかんせん地合いが悪いというのが個人的な見解です。
ですが、虎穴に入らずんば・・・の精神で買ってみるのも面白いと思います。
・・・ちなみにトルコは虎穴じゃないと思いますよ。あれはもう、そんな生易しいものではなさそうです(笑)
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