土地を相続した場合、その土地を時価評価していませんか?
間口が小さな土地や、奥行が間口に対して長すぎる土地や、がけ地が混在している土地を相続した場合は、節税ができます。時価評価していて相続税が高くなっている場合がありそうです。それではみていきましょう!
目次
1.間口が小さい土地を相続した場合
間口が小さな土地を相続したということは、利用効率の悪い土地を相続したということになります。同じ地積でも間口が小さくない土地と比較すると同じ相続税評価額では不公平ということになるからです。そのため、本来の路線価よりも安く相続税評価額を設定でき節税できます。
2.路線価は1ヘーホーメートルあたりの価額
間口が小さい土地を相続した場合は、路線価に割合Bを乗じることで、路線価を安くします。このときの割合Bのことを間口狭小補正率といいます。間口が狭いため、路線価を安くする割合です。この割合を路線価に乗じて路線価を下げます。間口狭小補正率表で割合が調べられます。ビル街、繁華街、住宅地、工場などに分かれています。
3.間口が狭い土地の相続税評価額
路線価 × 奥行価額補正率 × 間口狭小補正率 × 地積(ヘーホーメートル
この値は路線価方式での相続税評価額となります。時価よりも低くなっています。
4.奥行が長い土地を相続した場合の節税
奥行が長い土地を相続した場合は奥行が長すぎるかそうでないかを調べます。奥行が長すぎるかそうでないかは、間口距離を用いて奥行超大補正率という割合を求めます。
奥行距離が間口距離に占める割合つまり、分母:間口距離、分子:奥行距離の割合によって、奥行超大補正率は決まってきます。奥行超大補正率は路線価を下げる要素です。こちらを用いれば路線価は下がり、節税となります。奥行超大補正率表で調べられます。
5.奥行が長い土地の相続税評価額
路線価(1ヘーホーメートルあたり価額) × 奥行価格補正率 × 奥行長大補正率 × 地積
この値も時価よりも低くなるので、節税となります。
6.間口が小さくて奥行が長い土地は?
もちろん、間口が小さくてかつ、奥行が長い土地の場合は、間口が狭いだけ、または奥行が長いだけの土地よりも、路線価が安くなり節税になります。
路線価(1ヘーホーメートルあたり価額) × 間口狭小補正率 × 奥行価格補正率 × 奥行長大補正率 × 地積
7.がけ地のある土地を相続した場合
土地を相続した場合で、その土地にがけ地部分がある場合は節税の対象となります。がけ地部分の面積が総地積の面積に占める割合が多いほど、路線価に乗じる割合が小さくなるので、その分路線価が安くなり節税となります。
また、がけ地部分の方角によってもがけ地補正率という割合は変化します。南→東→西→北の順番でがけ地補正率は大きくなります。南向きの土地のほうが利用効率がいいということになります。ですからがけ地部分が北向きの土地を相続した場合は節税効果が高いといえそうです。がけ地部分の面積が総地積の面積に占める割合のことをがけ地補正率といいます。がけ地補正率表で調べられます。
8.がけ地のある土地を相続した場合の路線価方式での相続税評価額
がけ地のある土地を相続した場合、節税効果のある路線価方式での相続税評価額はこのようになります。
路線価 × 奥行価額補正率 × がけ地補正率 × 地積
まとめ
間口が小さい土地、奥行が間口に対して長すぎる土地、間口が小さくかつ、奥行も間口に対して長すぎる土地、がけ地となる土地が混在する土地などを相続した場合で、時価評価をして相続税を算出している場合は、相続税が高くなっていることがあります。路線価方式で相続税評価額を算出してみて、時価よりも安ければ、相続税の節税となりそうです。
本格的な相続税対策は相続税専門の税理士に相談を
相続税対策は生前贈与や生命保険を活用した方法、土地を所有している場合の節税テクニック等、様々な節税方法があります。
生前贈与一つにしても法的に有効な方法で実施しなければ生前贈与として認められない場合もありますので、本格的に相続税対策をしたいのであれば、相続税専門の税理士に相談することをお勧めします。
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