ある一定の条件を満たす会社は機械装置などを購入すると法人税額が減額されたり、減価償却費を増加させたりできることがあります。この制度を活用して法人税の節税をしていくのはいかがでしょうか?

特定機械装置の特別控除についてみていきましょう。

1.対象となる法人は?

  • 青色申告を提出していること
  • 資本金3000万円以下の中小企業者であること。(資本金1億円以下であり以下の法人ではないこと。①資本金5億円以上の大法人に完全支配されていないこと。②資本金1億円以上のある法人に発行済み株式総数の2分の1以上支配されていないこと。③資本金1億円超の複数の企業に発行済み株式総数の3分の2以上を支配されていないこと。)
    また購入した資産の利用方法は貸付ではなく、事業の用に供することも必要です。

2.どんな資産が対象なのか?

  • 機械装置(1台あたり取得価額が160万円以上のものであること。)
  • 事務処理の能率化に貢献する器具備品(1台あたり取得価額が120万円以上であること。測定工具、電子計算機、デジタル複合機など。)
  • ソフトウェア(1台あたりの取得価額が70万円以上または、1つのソフトウェアを複数購入し、その年度の合計額が70万円以上になるような場合。)
  • 大型貨物自動車(車両総重量が3.5トン以上のもの。)
  • 国内を運行する船舶など

3.特別償却の場合

普通償却費としての減価償却費をAとします。取得価額の30%をBとします。A+Bの合計額がその年度のその資産にかかわる減価償却費となります。つまりBという特別償却費がプラスされた分×法人税率の額の税額だけ節税効果があるといえます。

3-2.特別償却は特定中小企業者でなくても適用がある

特別償却は資本金3000万円以下の特定中小法人でない中小法人でも適用があります。ただし、特別控除については資本金3000万円以下の特定中小企業者しか適用がありません。資本金1億円超の大法人にはどちらも適用がありません。では特定中小企業者にのみ適用される特別控除をみていきましょう。

4.特別控除の場合

特別控除は税額からダイレクトに減額できる額です。

①取得価額の7%の額を算出する→税額控除限度額
②税率を乗じた後の算出税額の20%を計算する
③ ①または②のどちらか小さい額を税額から控除できます。

5.税額控除限度超過額の繰越し

特別控除の場合において税額控除限度額が法人税の20%の額を超えていたとします。そうなると4.の②の法人税の20%の額が特別控除額として採用されることになります。

この場合において、税額控除限度額(4.①の額)のうち②の法人税の20%を超えた部分の額はどうなるのでしょうか?もしなんら措置がなければ高い資産を購入した企業が不利となってしまいます。

そこで法人税では取得価額の7%の額であるところの税額控除限度額が法人税の20%を超えた場合は、1年間に限って、繰越して損金化できるということになっています。ですから特定機械装置を購入する場合は、できるだけ収益が見込まれる年度に購入すると節税につながります。

6.特別償却と特別控除どちらが節税効果があるのか?

もし事業者様が特定中小企業者であれば特別償却と特別控除のいづれかを選択できます。どちらも採用して節税することは出来ないので要注意です。つまり特定機械装置の特別控除も特別償却も大法人は利用できないことになります。また資本金1億円以下の中小法人であっても特別償却のみしか利用できません。

つまり資本金3000万円以下の特定中小法人だけが特別償却か特別控除にするのかどちらにするのかということを選択適用できるのです。青色申告は中小企業者にとって有利な制度だといえそうです。特定中小法人はその都度、計算して損金額が多くなる方を選択することが重要です。

まとめ

いかがでしょうか?収益が数年連続で見込まれる事業年度では、特定の機会装置を購入し、節税をするというのはいかがでしょうか?

https://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5433.htm