うさぎなどペットが動物病院で医療事故にあった時の対策と賠償について

こんにちは、うさぎぱんです。先日アップした記事『高齢うさぎに多い腰骨の骨折!動物病院でのトラブル~うさぎの飼育日記⑪~』の最後の方にも書いたのですが、我が家のうさぎ、はーくんが動物病院での事故をきっかけに3月5日に亡くなってしまいました。

その際の経験をもとに、同じく動物病院で事故にあったうさぎやその他ペット達の飼い主さんに知っておいてほしい制度についてご紹介します。

「他院で治療させたいけれど、医療費が高すぎて払えない」
「事故を起こした病院に賠償請求したいけれど、払ってもらえるか心配」

という悩みを持つ人、泣き寝入りせずに済む制度をご紹介します!ペット達のためにも、絶対に諦めないでください!

※我が家の事故の内容と動物病院のクズすぎる対応の詳細はこちらです。
→『我が家のうさぎが動物病院で殺されました。』へ

うさぎを診てくれる動物病院が少ない理由

今や専門店も多く存在するうさぎは、犬猫に次ぐ人気ペットのうちの一種です。そのわりには、うさぎを診てくれる動物病院があまりにも少ないと思いませんか?

実は、そこには次のような事情があるのです。

  • うさぎは治療が難しい
  • うさぎの医療を学ぶ機会がない
  • うさぎは儲からない
  • うさぎは事故を起こしやすい

まず、うさぎの治療法が確立していないことが理由です。

犬や猫など肉食獣と違い、草食動物であるうさぎは、どのような薬が効果的かですらほとんど判明していません。

うさぎを診てくれる動物病院の獣医師いわく、薬は人間用のものを改良して犬猫に使っているものをさらに様子を見ながらうさぎに使っている、というものが多いそうです。そのため、本当に効いているのか、まだ判明していないリスクがあるのか、ほとんど分かっていません。

専門家であるはずの獣医が何故このような薬を使わざるをえないのか、それは薬事情に加え、そもそも大学でうさぎの治療について学ぶ機会がないためです。

何年も前に大学を卒業された獣医師の体験談なので、現代は多少は改善されているかもしれませんが、大学ではうさぎの治療を学ぶコースや授業はないそうです。ほとんど肉食獣や牛豚など畜産関係の動物、そして大型動物ばかりの勉強や実習です。

では、うさぎを診ることができる獣医師はどこでうさぎの治療について学ぶのかというと、卒業後の研修や就職先です。うさぎを診療対象に加えている獣医師の下で、うさぎの治療を学んだり、独学で勉強します。

そのような事情があるため、うさぎを診てくれる動物病院はただでさえ少なくなりがちです。加えて病院でうさぎを診療対象に加えたがらないのには、単純に儲からないこと、事故による賠償でむしろ損をする可能性があることも挙げられます。

最新医療機器を揃えていたり、スタッフの多い動物病院では、うさぎの診療では薬代込みで5,000円前後となります。一方、個人経営の小さな動物病院では、1,000円程度となることも珍しくありません。

飼育数が多く、ワクチンなどの予防接種で定期的に来る犬や猫と、予防接種の必要がなく、一回あたりの診療費も安くなるうさぎ。どちらをより多く診たいと思うでしょうか。現実問題、このような理由でうさぎを診たがらない病院もあります。

しかも、うさぎは骨が細いのに反し、強い脚力と高い瞬発力を持っています。遊んでいるうちに高く飛び跳ねただけで骨折することもあるほどです。臆病なため知らない人間に持ち上げられるとすぐに暴れます。

逃げようと後ろ足をいつも以上に強く蹴り出すので、動物病院で暴れただけで骨折することも珍しくありません。

診られる獣医師が少ない、それほど儲からない。何より事故のリスクが高い。そのため、うさぎを医療対象に挙げる動物病院は少ないのです。

このような事情があるなら、診てもらえるだけでも有難いですよね。でも、だからといって動物病院内での事故を放っておいて良いわけではありません。

うさぎやその他ペットが動物病院で事故にあった時の対策

では、実際に動物病院で事故が発生した場合はどうすれば良いのでしょうか。私が行ったことをご紹介します。

  • うさぎを別の動物病院へ連れて行く
  • 他院での事故であったことを伝え、領収書をもらう
  • 事故の様子をきちんと記録する
  • 領収書を事故を起こした動物病院へ渡す

簡単に書くと、この4つです。事故を起こしたような病院で引き続きうさぎを任せたいと思いませんよね?我が家の場合、さらに動物病院の獣医師の技量不足も原因だったので、別の有名な動物病院へ行きました。

有名な病院ですが、自宅からはとても長距離なので、普段はうさぎのストレスを考えて行かない場所でした。

別の動物病院では、適切な治療を受けるか、症状に合ったもっと専門性の高い病院を紹介してもらいます。

この時、他院で事故が起こったことを必ず伝えてください。そして必ず治療費などかかった費用すべての領収書をもらいましょう。事故を起こした病院を宛名にすることも忘れずに。

その後、私は事故を起こした獣医師と看護士それぞれに事故の様子を聞きました。この時、いざという時のために録音。相手に黙って録音は違法となるため、記録をとることを伝えました。

なるべく冷静に事情を聞きますが、ポイントは「何があったか」「どのような治療or検査を行っていたか」「どのような体勢で行ったか」「事故が起きた後はどのような対処をしたか」です。

この4つは必ず確認してください。病院の質もこの時点で分かります。誠心誠意説明してくれたり、謝罪してくれる獣医師や看護士であれば今後の対応もスムーズですが、そうでない場合は我が家のようにこじれます。

事情を調査した後は、今後の治療を他院で行うことと、治療費の全額を保証してもらうことを伝えましょう。

動物病院には、事故を起こした時のための(獣医師のための)保険があります!遠慮せずに絶対に保証してもらってください!

動物病院や獣医師が加入している保険を利用しよう

お世話になった病院だから請求しづらい、担当になった獣医師の給料が減ったら逆恨みされそう。など、色々な事情があって他院での治療費を請求することを諦める人もいるかもしれません。

もしかしたら、あまりの高額に自費で支払えず、安楽死しか考えられないという飼い主さんもいるのではないでしょうか。

ですが、諦めないでください。確かに一度は自費でそれぞれの病院に支払わなくてはなりませんが、かかった治療費は「事故さえなければ、本来は必要なかった費用」です。その費用を賠償してもらう権利もチャンスもあります。

それが、『獣医師賠償責任保険』です。簡単にいうと、動物病院のミスで医療事故が起こり、ペットに何かあった場合に飼い主へ支払うべき賠償のための保険。つまり、動物病院が加入している損害保険です。

<保険対象となる事故>
  • 診療室内での事故
  • 入院中の事故
  • 入院中の逃走や盗難

他にもありますが、知っておくべきはこの3つです。今回の我が家のように診療室内での診察や検査、手術中に病院側のミスで起こった事故はもちろん、入院中に起こった事故についても保証されます。

たとえば、犬が入院している時に看護士が散歩へ連れて行った際、飛び出して車にひかれた場合。あるいは、通行人を襲って怪我をさせてしまった場合。

そして、預けていたペットが逃走してしまった場合や盗難にあった場合も保証されます。血統書つきのペットは盗難にあうこともあり、限られた人間しか立ち入れない動物病院の病室であっても盗まれることがあります。

このようなリスクから獣医師や看護士を守るために、多くの動物病院が獣医師賠償責任保険に加入しています。言い換えると、加入していない動物病院は働く側としても患者側としてもあまり信用できません。

私が見つけた獣医師賠償責任保険のプランによると、事故の内容などによりますが、最高で9,000万円までの保証となっています。ペットの医療費はおよそ数十万円なので、条件内であれば100%保証される額です。

つまり、事故を起こされた被害者である飼い主さん側が「獣医師や病院が可哀想」「ここが潰れたら他のペットや飼い主が困るだろう」と心配する必要はないのです。きちんと権利を主張しましょう。

獣医師賠償責任保険の注意点!医療費は先に自己負担となる

とはいえ、あくまで動物病院用の保険です。私達飼い主が他の動物病院に行って「ここでかかった治療費は○○動物病院に請求して!」と言っても聞いてもらえません。先に自己負担で全額支払ってから請求することになります。

そのため、他の動物病院でかかった治療費は全て領収書をもらい、記録しておく必要があるのです。診察を受ける時も、必ず動物病院での事故が原因であることを伝え、カルテに書いておいてもらいましょう。

少しでも多くの証拠を残しておくことが大切です。ペットが心配でそれどころじゃないと思いますが、頑張って記録を残しておきましょう。

実は、うさぎの動物病院内での事故で裁判の実例があります。判決では飼い主さんが勝訴。小額ではありますが、きちんと賠償が認められた前例ができたことは、うさぎを飼う人々にとってとても喜ばしい事実です。

勝訴できたのは、やはり飼い主さんが記録を残していたからでしょう。裁判には感情ではなく証拠が重要となります。いざという時のためにも、スムーズな賠償を受けるためにも、必ず記録はたくさん残してください。

うさぎや他ペットが動物病院で事故にあった時の対策まとめ

うさぎは動物病院での事故が多いですし、犬や猫、小鳥やハムスターも100%事故が起きないとは言い切れません。うさぎの例を挙げれば、小鳥やハムスターも獣医師が少ないのは同じですし、同じく体が小さく体力の少ない小動物です。

飼い主の私たちが動物病院を慎重に選ぶこと、事故が起こった際にすぐに対処することが大切です。

事故が起こった場合は、場合によっては高額な治療費が必要となります。(我が家は35万円くらいかかりました)だからといって諦めたり、安楽死を選んだりしないでください。

一時的に支払うことになっても、事故を起こした動物病院から保証してもらえます。動物病院側が何も言わない場合は、「獣医師賠償責任保険を利用して賠償してもらいます」と言いましょう。

飼い主が保険の存在を知っていると分かれば、病院側もとぼけることはできません。本来は獣医師を守るための保険ですが、飼い主さんも自己防衛のために必ず覚えておいてほしい保険制度です。

また、安易に安いからと動物病院を選ばないことも大切です。治療費の負担が不安な人は、ペット保険なども考えておくと良いでしょう。高額な手術費のみの保証プランであれば、毎月2,000円くらいで加入できます。

気になる方は飼い主用のペット保険についても考えてみてください。資料請求のみなら無料でできるところばかりです。

私の場合、動物病院が本当にふざけたところでした。どうして近いからとここを選んだんだろうと後悔しかありません。あんな獣医師や院長だと知っていれば、絶対に連れて行きませんでした。

他の事故にあった飼い主のみなさんも、絶対にペットのために泣き寝入りしないでください!

2 Comments

りくちゃん

私も飼っていたウサギ(ネザーランドドワーフ)りくちゃんが医療ミスで6月17日に亡くなりました

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usagi-pan usagi-pan

りくちゃん さま

お返事遅くなって済みません・・・。医療ミスで亡くなったとのこと、遅ればせながらお悔やみ申し上げます。
体の小さいうさぎだからこそ獣医には軽く見られるのかもしれませんが、医療ミスを安易に片付けないでほしいですよね。
少しでも元気を取り戻してくださいね。

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