審査の厳しい新創業融資制度の審査に通るコツ・必要条件について解説

新創業融資制度は、新創業で事業を立ち上げようとする人を金融面で、積極的に支援しようとする制度です。

国全体として事業の開業率が低下している状況がありますので、担当する日本政策金融公庫も一生懸命なわけです。

一般的な金融機関では、新創業でお金を貸してください、といっても、まず断られるでしょう。

取引がなく、実績もない状態では判断ができないからです。

従って日本政策金融公庫の創業融資制度は、新しく事業を起こしたい人にとってはありがたい制度なわけです。

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参考:新創業融資制度は自己資金なしでも融資可能!メリット・デメリット

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新創業融資制度は審査が厳しい、その理由

ただ、新創業融資制度は融資を受けたい人に取って使い勝手の良い融資制度ではありません。

審査が非常に厳しく、誰でも審査が通るわけではありません。

借入に成功した人が何%なのか、具体的な数値の発表がありませんのでよく分かりませんが、おおよそ15~20%であろうという推測データがあります。

審査が厳しいのは、融資の原資が税金であるから、ということがあります。

融資担当者は公庫の方針に基づいて、間違いのないように審査しなくてはなりません。

融資担当の審査官は、融資しなければならない、という義務感。

一方、貸したお金が本当に返してもらえるだろうか、という心配。この両極端の狭間の中で苦労しています。

必然的に厳しいと思われる審査を行わざるを得ないわけです。しかし実際には審査に通って立派に創業に成功し、確実に実績を上げている人達も大勢おられます。

新創業融資制度の融資条件は無担保、無保証が最大の特徴です。

開業資金が十分にない人にとっては大きな援軍ですが、公庫の審査官は、無担保、無保証で、お金を貸し出すのですから、それに代わる創業計画書の内容と、依頼者の人柄は重要視されます。

審査においては創業計画書に創業者の新規開業の凝縮された熱い思いが、いっぱい詰まったものでなければなりません。この計画なら、創業が成功し、確実に貸したお金が返してもらえるだろう、と思ってもらえるような計画書でなければならないのです。

新創業融資制度の審査は本当に厳しいか?

新創業融資制度の審査を受けるためには、融資依頼書に創業計画書を添付しなければなりません。審査官はこの計画書に沿って審査を進めていきます。

創業計画書の書き方は日本政策金融公庫のHPで紹介されていますが、この計画書に書く内容が不十分、不適切な人が非常に多い、という現実があります。

創業というご本人にとっては一大事業である熱い思いが計画書から伝わってこないわけです。

中には通り一遍な、本当にお金を借りたいのかよく分からないような書き方をされる人もいるようです。

運よく通ればいいし、通らなければ仕方ない、というような軽い気持ちで申し込みする人も中にはいます。

このような人達の融資依頼の件数が多いため、審査に通る人の率が非常に厳しい数値を示しているわけです。

そういった状況がありますので、ただ単に審査が厳しいということにはならないのです。

創業にかける意気込みを適切に計画書に盛り込んでいる人の成功率は、意外と高いのではないでしょうか。

新創業融資制度は2014年3月1日に改正されています

新創業融資制度の主な改正点は、

① 融資の限度額:1,500万円から3,000万円(内 設備資金1,500万円)に増額されました。

② 自己資金:融資額の1/3以上から融資額の1/10以上に緩和されました。

自己資金を現物出資で充当させることが可能です。

新創業融資制度の融資可能額は、自己資金によって変動します。自己資金が多ければ大きな融資が受けられます。改正後の自己資金は、融資額の1/10以上となっていますから、自己資金を例えば300万円準備すれば、最大2,700万円の融資が受けられることになります。自己資金の9倍ということです。

現物出資によって融資額を増やすことも可能です。

例えば、自己資金が100万円で現物出資が50万円の場合、1/10の条件に当てはめると、出資額は合計150万円となりますから融資限度額は1,350万円となります。

現物出資は、出資金の1部として計算されますので、知っておいて欲しいです。

なお、現物出資の現物とは、車両や不動産、土地、車両、パソコン、事務機器などの資産をいいます(減価償却の対象)。但し現物の評価及び出資に関しては手続きが別途必要です(結構面倒です)

③ 融資期間:設備資金の場合10年から15年(元本据え置き期間2年以内)

運転資金の場合5年から15年(元本据え置き期間1年以内)

返済期間は事業計画書の中で明確な根拠が必要です。また返済期間が短いほど融資審査が有利になる傾向がありますので注意をしましょう。

④ 利率:2.6%(5年以内)が3.1%(15年以内)に変更されました。

新創業融資制度にはどんな条件が必要か、創業計画書や担保、保証人など

新創業融資制度は、日本政策金融公庫の新規開業資金の制度を使って融資を申し込むときに、選択肢の1つとして制度化された融資制度です。

従って融資申し込み時に、新創業融資制度で申し込むことを審査官に申し出ることになります。場合によっては、新創業融資制度より新規開業資金の制度の申込に変えた方がいいですよ、と言われる場合もあります。審査が厳しいからです。

創業計画書は、融資申込書に添付する重要書類です。必須の書類です(後述)。

融資の前提条件として、融資対象者を厳密に定めています。

  1.  創業の要件
  2. 雇用創出等の要件
  3. 自己資金要件

以上3つの要件は全て該当していなくてはなりません。

詳細は日本政策金融公庫のHPに記載されています。特に雇用創出等の要件及び、自己資金要件については、HPを熟読してください。

日本政策金融公庫URL

新創業融資制度の審査に通るコツ 融資条件、面接時の対応、事業計画書のポイント

では、新創業融資制度の審査の条件等について解説していきます。

融資条件

・ 自己資金は、建前は融資額の1/10以上となっていますが、これはあくまで建前で実際には融資額の3割程度は最低限必要とされています。できれば融資金額と同額程度の自己資金があればかなり審査に通り易いです。

・ 担保や保証人ですが、建前は無担保無保証をうたっていますが、実態は異なっています。融資額が1,000万円以内であれば、おおよそ無担保無保証でもよさそうですが、これを超えると担保、保証人要求される場合が多いです。

・ 融資条件で預金通帳の開示を求められます。自己資金が必要額あるのかどうかの確認です。自己資金とは、自らコツコツ貯めてきた貯金のことです。一時的に親から友人から借りたお金は自己資金としてカウントされませんので注意が必要です。

・ 税金の滞納、ローンの遅延、水道光熱費や電気代などの未納は即NGです。

面接時の対応

・ 事業計画書で必ず儲かるビジネスモデルを提示するわけですから、経営者は、そのモデルの内容を熟知していなければなりません。説明ができなくて資料を見たり、説明そのものができなかった場合は、審査に通らない可能性が高いです。

・ 審査官からいじわるな質問がある場合があります。もし返済できなかったらどうしますか?という質問です。質問される可能性が高いですから回答を準備しておいてください。経営者としての覚悟と責任の取り方を問う質問です。

 事業計画書

・ 創業計画書は、借りたお金はこのようにして確実に返済します、ということを主張する書類です。実績がないために、審査官はこれを見て審査を通すかどうか決めるわけですから、なるほどこの計画の内容なら、返済はできそうだ、と分ってもらえるような計画書でないといけません。

・ 事業の経験を問う欄が計画書にあります。経験なしでは完全にNGです。経験は審査官にとっては人物を計る大事なポイントです。

・ お金の使い道は明確にしないといけません。本当に融資されたお金が計画されている使途で使われるかどうか、他の目的で使われないか、を明確にすること。

・ 事業計画書は、客観的に信頼度が高いと評価されるものでなくてはなりません。

その他

・ 創業支援融資は、お金に困っていない時に申し込む、これが最も利口な方法です。お金に困っていないので、自己資金も潤沢にあり、事業計画書の内容も利益が確実に出ていますから、公庫の審査官の心配がかなり低減されています。お金がある時に何故融資の申込をするかと言えば、お金に困った時に申し込むと審査が途端に厳しくなり、簡単には貸してもらえなくなるからです。事業開始後は思わぬお金が必要となる場合があります。そんな時のために借りやすい時に借りておく方法はおすすめです。

・ 新創業融資制度で審査に通らなかった場合、再挑戦するためには、半年間の間隔を開けなくてはなりません。一発勝負に近いですから、それ相応の覚悟が必要です。

新創業融資制度による融資は外部に依頼すべきか?

新創業融資制度の融資を外部の人、つまり専門の税理士に依頼して、各種融資制度からの選択から、新創業融資制度を使った融資申し込み、創業計画書の作成、審査時の同伴など一連の手続の指導を仰ぐ、というものです。

外部に依頼するメリット

  •  創業支援融資は、他にも色々あります。融資を必要とする人又は法人にとって、最もふさわしい融資制度はどれかをプロの目で選択してくれる。個人では難しい。
  • 公庫とパイプのある税理士がおり、公庫の審査官の性格を知っているため、どんな質問傾向があるかが事前に分る。
  • 創業計画にはツボがある。経験豊富な税理士なら、そのツボを押さえた計画作成の指導ができる。
  • 場合によっては審査に同伴してサポートしてくれる。
  • プロの税理士に依頼すると、成功率が飛躍的に向上する。成功率90%の税理士もいる。
  • 事業計画書の徹底指導、開業動機、目標、資金計画、仕入計画、販売計画、収支計画、返済計画、など。

外部に依頼するデメリット

  •  創業融資制度に熟知した税理士が少ない。
  • 費用がかかる。税理士事務所によってまちまちですが、一例として、成功した融資額の2%くらい(最低10万円以上)。他にも着手金として3万円で成功報酬12万円以上、という事務所もあります。
  • 信頼できる税理士かどうかの判断が難しい。

創業融資制度に強い税理士、公庫とのつながりのある税理士に依頼するのがおすすめ

創業融資を確実に受けたいのであれば、やはり、創業融資に強い税理士に依頼するのがおすすめです。

公庫担当者としっかりとコネクションがある税理士に決算書を作ってもらっている場合は本当にすんなりと融資が通るらしいです。入金されるまで1ヶ月もかからないそうです。

ですが、個人で銀行の門をいきなりたたくと、やはり警戒されます。

審査が必然として厳しくなり、時間もかかってしまうようですね。

ですので、創業融資を受けたいのであれば、創業融資に強い税理士に依頼するのがおすすめです。

創業融資制度について詳しい税理士、強い税理士は税理士ドットコムで相談することができます。

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今後も皆さんの疑問に応えれるようなサイト作りを目指してまいります。

まとめ 新創業融資制度の審査に通らない理由

新創業融資制度の審査に通らない理由は5つにまとめることができます。

  •  自己資金不足:誰も指導してくれる人がいない場合、大体このミスを犯します。融資条件には1/10以上と書いてあるからです。この数字はあくまで建前です。
  • そんなことは、普通は知らないでしょう。審査に出向いて初めて、必要融資額に対して自己資金の額が合っていないことを指摘されます。情報を各方面から収集しておくことも大事です。
  •  経験不足:創業したい業種に対しての経験が不足している。全くない人もいます。経験の度合いは、審査官にとっては重要な判断資料です。少なくとも1年以上は必要です。
  •  事業計画が不完全:事業計画から新事業を立ち上げる意気込みや熱い挑戦意欲が伝わってこない。内容がよく分からない。この場合が最も多い審査が通らない理由です。
  •  消費者ローン、カードローン、借金が多い、あるいはコゲついている場合は、ほぼ無理です。

こうしたことから、融資の成功へと導いてくれる条件が見えてきます。

融資に強い税理士と契約しておくと、金融機関の内部者とコネクションがあり、審査が本当に楽です。

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