メイ首相退陣!ブレクジットここまでの流れとポンドの見通し

ボリスジョンソン閣下

このテーマで書くのも随分と久しぶりですが、今回はブレグジットの現状について、分かりやすく解説していきます。

メイ首相退陣!そしてあの男がついに。

前回のブレグジットについて書いた記事では、ブレグジットの期限延長の辺りで止まっていましたが、メイ首相はあの後間もなく、退陣を発表し、それから保守党で首相選が行われました。

そして、満を持してついにあの男が首相として降臨してしまったのです。

ボリスジョンソン閣下

「英国版トランプ」として名高い、ボリスジョンソン閣下ですね。

「彼だけは首相してはならない」という巷の懸命の訴えも無視して、彼は首相選を勝ち抜き、首相に就任することとなりました。

そしてチキンレースが始まる。

こうして発足したジョンソン政権ですが、彼らは早速やらかします。ポンドドルの日足チャートをご覧下さい。

ポンドドルチャート

矢印がボリスジョンソン就任の次の日ぐらいの足です。すでに売られまくっていたポンドドルに更に火がつき、400pips近い暴落を記録しました。

そしてこの暴落の理由ですが、これはジョンソン達のブレグジットに対する発言が大きなウエイトを占めています。

彼らの言葉をまとめてざっと要約すれば。

「俺は合意があろうがなかろうが、もう延長はせず、絶対に10月31日にeuを離脱する。そして合意なき離脱の場合はお前ら(eu)もタダじゃ済まないだろうが、こちらは準備も覚悟も出来ている・・・それが嫌なら、後は分かるよな?」

・・・そうです、離脱協定の譲歩を巡ってヨーロッパ全土の命運をかけたチキンレースが始まってしまったのです。

そして10月31日という崖を目の前にしたボリスジョンソンは宣言します「euが先に止まるまで俺はアクセルを絶対に踏み続ける」と(笑)

ビビり倒すEU。譲歩の道筋が見えた?

こうしてイギリスが無敵モードとなり、ボールはEU側の手に渡りました。

ただ、EU側も当然困りました「譲歩するって何を?ここまで散々交渉してきたはずなんだけど」と。

問題は前回書いたバックストップ案なわけですが、ジョンソン首相は国境復活は嫌だけどバックストップ案で自国領である北アイルランドをEU化するのも嫌と主張しています。

そしてそのハードルを超えることは簡単だとも言っているわけですが、恐ろしいことに特に具体案は無いようです(笑)わざわざバックストップなんかつけなくても、離脱後の法整備の一環でなんとかなるやろというのが彼の立場らしいです。

で、この状況を受けてとりあえずジョンソン首相は独仏首脳と会談します。メルケル首相とマクロン大統領、EU側の二大巨頭はこう見解を示しました。

メルケル氏、ブレグジット国境問題の代替案「30日以内に可能」 英首相に

その後の共同記者会見でメルケル首相は、EU離脱の焦点となっているアイルランドと北アイルランドの国境をめぐる「バックストップ条項」について、30日以内に代替案を策定できるだろうとの見方を示した。

マクロン氏、協定なきブレグジット回避へ協議支持 大幅譲歩は拒否

マクロン大統領は、2017年以降ブレグジット交渉に付きまとってきたアイルランド国境問題をめぐる対立について、「30日」以内に解決策が見つかる可能性もあるとしたアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相の発言を受け、向こう1か月で解決策を見いだすことを支持した。

一方、同大統領は、英・アイルランド間での厳格な国境管理の復活を防ぐ「バックストップ」計画に英政府が反発していることに関し、この計画は「不可欠」だと言明。すべての協議はテリーザ・メイ(Theresa May)前英首相がEU側とまとめた離脱協定案に基づいて行う必要があると述べた。英議会はメイ前首相による協定案を繰り返し拒絶してきた。

ジョンソン首相は、英北アイルランド地方とアイルランドの境界における国境検問所の再設置を防ぐ方策は「簡単に見つかる」と主張。しかしマクロン大統領は、自身はブレグジットをめぐる「最強硬派」との評価を受けているとし、バックストップ計画の破棄を求めるジョンソン首相を退けた。

・・・これ、どう解釈すればいいんですかね。特にマクロン大統領の言ってる事は謎に満ち溢れています。「代替案を見つけることは支持するけど、バックストップ案は絶対に必要」って・・・

ただ、一応EU側が譲歩に前向きな姿勢を見せたという事で、ポンドは急騰しました。

ポンド急騰

まとめと今後について。

ここまで読んでくださった方はよくお分かりいただけると思いますが、私の結論は「バックストップに関するウルトラcがない限りは合意なき離脱で確定」です。

もう尋常な方法では、あと2月ほどでこの話がまとまる可能性はゼロと言っていいでしょう。

ですが最後に一つだけ注意点があります。それは「合意なき離脱をしたら本当に大変な事になるのか?」です。

実はこのあたりが若干謎なんですよね。EUとイギリス双方合意なき離脱を想定して準備をしているわけですから、本当に巷で言われているような大混乱が起きるのかは、実は微妙な部分があるのです。

今後ポンドを触る際には、この点にもよく注意しておく必要があるのでは無いでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です