歯並びが悪いと、ホワイトニング薬剤を塗るのも一苦労。何より、虫歯や歯周病になりやすいので、ホワイトニング自体が不可となる可能性もあります。

今回は、歯並びが悪い原因に何があるのかと、それぞれの原因に合わせた治し方、歯磨きなどケア方法についてもまとめてみました。

歯並びが悪くなると起こるトラブル

先進国の中でも、歯並びの悪い人の割合が多いと言われる日本は、見た目が重視されるアイドルですら歯並びに問題を抱えている人ばかりです。

海外では歯並びが悪いと「育ちが悪い」と認識されますが、日本の場合はそこまで問題視されていません。では、このまま歯並びが良くなくても問題ないのでは、というと、そうもいかないのです。

歯並びが悪いまま放置していると、次のようなトラブルの危険が高まってきます。

  • 清潔感がなくなる
  • 顔がゆがむ
  • 体がゆがむ
  • 体調が悪くなる
  • 虫歯や歯周病になりやすい
  • 口臭が出やすい

まずは単純な話、笑った時の口元に清潔感がなくなります。実際、歯並びの悪さが理由で思い切り笑顔になれないという人も多く、大人になるとビジネスシーンでの印象にまで影響を与えてしまうようになります。

歯並びが悪いと噛み合せのバランスも崩れるため、顔や体にゆがみが生じます。たとえば左右で噛み合せの高さなどが異なるような歯並びの場合、左右どちらかの顔が極端に下がったり上がったりします。毎日少しずつゆがんでいくので、本人は顔がゆがんでいることに気付きません。

また、そのようなゆがみは体の筋肉にまで影響します。ゆがんだ噛み合せでも真っ直ぐ立って歩けるように背骨などが曲がってバランスをとろうとします。結果、ゆがんだ顔を支えるために曲がった背骨に妙なクセがつけられ、体全体もゆがむようになります。

体がゆがむと骨格だけではなく、それらを支える筋肉も緊張しやすくなるため、肩こりや腰痛、頭痛などが起こります。いつも慢性的な肩こりなどに悩まされている上、歯科矯正の経験がない人は、噛み合せによる体のゆがみが原因かもしれません。

他にも歯磨きがしにくいことから虫歯や歯周病になりやすいこと、口臭が出やすいことが挙げられます。歯並びの悪さで起こるトラブルとしては、こういった口腔トラブルを思い浮かべる人は多いでしょう。

しかし、実際は口腔内だけではなく、全身のトラブルにまで発展する可能性があるのです。全員不明の体の異常などがある人は、歯並びなど別のところに原因がある可能性も考えてみてはいかがでしょうか。

歯並びが悪くなる原因と理由

では、歯並びが悪くなるそもそもの原因は何なのでしょうか。いくつかのものが挙げられますが、種類としては大きく2つに分けることができます。

歯並びが悪くなる2つの大まかな理由は、生活習慣が原因のものと、体質によるものです。

生活習慣が原因の歯並びの不具合

生活習慣が原因で歯並びが悪くなることがあります。たとえば、食事の仕方や日々の姿勢などです。

食事では、たとえばやわらかい食べ物ばかりを食べたり、よく噛まずに飲み込むような食事をしている人は要注意です。とくに子供の場合は、発達が十分でなくなったりするため、歯が生えるスペースを確保できないまま乳歯から永久歯へ生え変わってしまいます。

口呼吸も同様、口元の筋肉をゆるめるため、歯が前にずれて突き出しやすいです。いわゆる出っ歯の状態になります。

他にも頬杖をつく癖、子供の場合は指しゃぶりをする癖など、口や顎に力が加わるような姿勢などをとる人は、少しずつ歯がずれています。

昔はそれほど歯並びが酷くなかったのに、いつの間にか歯並びが悪くなっている、という人は、日常生活の中で歯並びに影響するような行動をしていないか、思い返してみてください。

体質による歯並びのゆがみ

過剰歯や平均より大きな歯など、歯が生えるスペースを確保しづらい体質の人がいます。遺伝的なものもあれば、個人の体質である場合もあるので、簡単に自宅で対処できるものばかりではありません。

顎の大きさは親子で似てきます。親御さんが子供のころ顎が小さすぎて歯が納まり切らず、歯科矯正で苦労したといった経験を持っている場合は、子供も同じ経験をする可能性が考えられます。

成長に合わせてある程度は対処できるものもあります。子供が小さいうちから歯科医院で相談しておくと安心です。

歯並びを治す方法

歯並びを治す最も効果的な方法は、やはり歯科医院での矯正治療です。噛み合せも見てくれるところで矯正治療を受ければ、歯並びの悪さや噛み合せが原因の全身の不調も取り除かれます。

難点といえば、矯正期間の長さと費用の高さです。保険治療ではなく自由診療のため、全額負担となり、安くて数十万円高くて百万円以上となります。歯並びの状態によっては抜歯しなくてはならず、さらに高くなります。

矯正期間は手術で無理やり短縮させる方法もありますが、通常の方法では2年前後の期間を要します。子供のうちは顎の骨がやわらかく、短めの期間で済みます。顎の骨が硬くなった大人の場合は3年近くかかることもあるため、若いうちの治療がおすすめです。

自宅でできる方法

このように確実かつ安全に治療できる歯科医院での矯正治療に対し、安全ではないのですが、自宅でできる方法もあります。単純に言うと、毎日指で押し続ける方法です。

歯は食事の衝撃をうまく逃がすために、顎の骨との間にクッションをはさんで生えています。また、一定方向に力を加え続けると骨が変形したり溶けたりする現象もあり、歯を動かすことは不可能ではありません。

歯と骨の間にあるクッションの弾力により、実は歯は毎日動いています。その動きを固定するようにずっと同じ方向に指で押し続けると、少しずつ位置がずれていきます。

実際、歯医者の中には「子供のころ、スプーンで押し続けて出っ歯を治した」と豪語する人もいるくらいです。押し続けること自体がとても大変な上、歯の生え方を選ぶ方法ですが、お金をかけずにできる魅力があります。

ただし、あまりに力を入れすぎると歯が抜けてしまう危険もあるため、あまりおすすめできる方法ではありません。

歯並びの悪さに合わせた歯磨きなどのケア方法

歯並びの悪さが強く影響するのは、見た目の次に歯磨きのしづらさでしょう。歯並びの良い人ですら歯磨きを上手にできなければ磨き残しができますが、歯並びがデコボコの人は、さらに磨き残しが出やすいのです。

そのため、歯並びが良くないな、と自覚がある人は歯磨き方法も工夫しなくてはなりません。歯と歯が重なっている人や、隣り合う歯で大きな段差がある場合などは、とくに注意してください。

具体的な方法として、まずは歯ブラシの使い方から変えてみましょう。横向きでのみ歯ブラシを使っている人は、歯と歯が隣接している部分などは磨き残している可能性が高いです。歯ブラシを立てて縦方向に1か所ずつ磨きましょう。

ポイントは、ヘッド部分の小さい歯ブラシを使うことです。最近販売されている毛の多い大きなヘッドのものは縦方向の歯磨きには向いていないので、小さめのものを購入してください。

子供用の歯ブラシを購入する手もありますし、私が以前レビューしたコロコロ歯ブラシも縦方向の歯磨きがしやすかったです。歯ブラシ自体の選び方から考えてみると、歯磨きもしやすくなります。

他にはワンタフトブラシやデンタルフロスの併用もおすすめです。歯が重なり合っている部分は通常の歯ブラシでは奥まで届かないので、細いワンタフトブラシで磨くか、フロスでかき出さなくては汚れが落ちません。

歯並びが悪い人が知っておくべき歯磨き方法や対策まとめ

歯並びが悪いことで悩んでいる人は多く、近年では高齢者が歯科矯正をするケースも珍しくありません。透明なマウスピースでできる矯正もあり、以前のように矯正していることが100%周囲にバレることがないのも関係しているようです。

とはいえ、歯並びの矯正は安くても数十万円かかる高額な治療です。自力で歯を押して治す方法もありますが、加減が難しい上に時間もかかります。

今現在、お金をかけず安全にできるのは、これ以上歯並びが悪くなるのを防ぐことと、歯並びの悪さで口内環境が悪くならないようにケアを徹底することです。

口や顎に負担をかけるような生活習慣を送ってないか自己チェックし、まずは癖を直すことから始めましょう。頬杖など無意識にやってしまう行動が歯に悪い影響を与えているため、やめるだけで歯並びの悪化は避けられます。

歯磨き方法では通常の歯磨き方法に加え、狭い部分を意識した磨き方が必要です。歯ブラシを立てて縦方向に動かしてみたり、ワンタフトブラシやデンタルフロスでせまい部分の汚れを落としたりします。

私が以前使っていたコロコロ歯ブラシもブラシを立てて縦方向に動かす磨き方で活躍しました。今、通常の歯ブラシを使っている人は、このような自分に合った歯ブラシ探しから始めてみるのもおすすめです。

歯並びは短期間で治せるものではありませんが、それは悪化スピードも同じです。毎日コツコツ注意していけば歯並びがさらに悪化するのを防げますし、ケア方法を変えれば歯並びが多少悪くても虫歯や歯周病になるリスクは減らせます。

まずは自分の歯並びを悪化させている習慣はないか思い返し、自分にとって始めやすい対策から進めてみてください。

※コロコロ歯ブラシを縦方向に使ってみた感想はこちらの記事で紹介しています。
→→『ころころ歯ブラシで綺麗に歯磨きするコツ~歯並びの悪い人向け~』へ