ホワイトニングで歯を綺麗にしたら、できる限り長くその状態を維持したいものです。でも、かといって食べ物を制限してばかりなのも嫌ですよね。

歯が汚れる原因のひとつは、着色汚れです。着色汚れを起こす原因は色の濃い飲食物を食べたり飲んだりすることの他、歯の表面に小さな傷がついていること。歯の表面に傷があると、通常はつるりと洗い流される汚れが入り込み、着色汚れとなって残ってしまうのです。

今回は、この着色汚れを起こしにくい、歯に優しい食事方法のひとつとして、『甘いものの適切な食べ方』をご紹介します。

歯に着色汚れを起こす傷は虫歯のはじまり

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ホワイトニング後にだんだんと歯が汚れていくことを、色戻りと呼びます。これは色の濃い食べ物や飲み物を口にするために少しずつ色素が歯の表面に沈着していくために起こる減少です。人による差はあれど、色戻りの可能性は誰にもあります。

歯の色戻りを加速させる原因のひとつが、歯の表面にできた小さな傷です。傷は毎日の歯磨きや食事で簡単にできてしまいますが、ある程度は唾液に含まれるミネラルの働きで再石灰化され、修復されます。

しかし、歯磨き方法が間違っていたり、ドライマウスで十分な唾液分泌がなかったり、ちょっとしたきっかけで歯の再石灰化はスムーズに行われなくなってしまいます。結果、歯の表面に傷が残ってしまい、そこに色素が入り込んで着色汚れを作り出すのです。

この着色汚れができるほどの傷は、放置していると審美的なデメリットだけではなく歯の健康にもかかわってきます。たとえば、虫歯のリスクです。

歯の表面にできた傷に入り込んだ虫歯菌が、同じく入り込んでいた食べかすなどをエサに、歯を溶かす酸を作り出します。こまかな傷がたくさんついた歯の表面は溶けやすく、やがて虫歯へと発展。このような事態を防ぐには、歯の表面の傷を少しでも減らす努力が必要です。

たとえば、市販の研磨剤入り歯磨き粉ではなく、歯科医が推奨する研磨剤不使用の歯磨き粉や、通販で購入できるような歯にやさしい歯磨き粉を使用しましょう。歯ブラシもできる限り力を加えずに歯へ当て、優しくブラッシングします。

食事も虫歯のエサとなる糖分を避け、歯にやさしい食べ物を選ぶことが大切です。

とはいえ、甘いものをまったく食べない、というのは心身の両面で健康的ではありませんね。そこで、虫歯リスクの少ない糖分を選んでみてはいかがでしょうか。同じ甘いものでも、虫歯リスクの少ない甘味料を選ぶことで虫歯のなりやすさを改善することができます。

虫歯対策におすすめの甘味料

虫歯になりにくい甘味料の代表として有名なのが、キシリトールです。天然の甘味料で、普段口にする食材にも含まれていることから、健康面での心配もありません。キシリトール入りの歯科医院専用のガムは、歯磨き前に用いることを推奨されているほど歯に優しい成分です。

虫歯菌の増殖を抑える効果も注目されています。また、カロリーも砂糖のおよそ6割しかないため、ダイエットや糖尿病で食事のカロリーを抑えたい人にもおすすめの甘味料です。ただし、めったにキシリトール単体では市販されていないので、購入する場合は通販サイトの海外製のキシリトールが主流となってしまいます。

国産で手に入りやすいのが、イソマルトオリゴ糖です。

←こういう粉末タイプがおすすめ。

オリゴ糖には複数の種類があり、原料となる天然物によって名称もはたらきも異なります。たとえば乳製品由来の乳果オリゴ糖や、でんぷん由来のグルコオリゴ糖などです。大豆から大量に作りやすいイソマルトオリゴ糖は、そのオリゴ糖の中でも安価に手に入りやすい種類です。

ただし、他のオリゴ糖に比べると甘みが控えめとなっています。甘みを重視したい場合はグルコオリゴ糖や、ブドウ糖などがおすすめです。

注意したいのが、ブドウ糖を選ぼうとした際に、果糖ブドウ糖液糖と間違えてしまうこと。果糖ブドウ糖液糖はドリンクなどに使用されていますが、こちらは虫歯菌にとって格好のエサとなるので、間違えないよう注意しましょう。

ブドウ糖やオリゴ糖も、砂糖や果糖ブドウ糖液糖に比べると虫歯菌のエサとなりにくい、という程度なので、口にした後は必ず歯磨きをしましょう。

同じような状況では、菓子類の材料でよく見かける水あめと還元水あめがあります。水あめは虫歯菌のエサとなりにくく、還元水あめは虫歯のエサになりません。虫歯菌対策をより効果的に行いたいなら、水あめではなく還元水あめが使用された製品を選んで購入するようにしてください。

糖類は摂取量より摂取頻度を見直そう

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完全に虫歯菌の繁殖に対抗するには、エサとならないキシリトールや還元水あめが最適です。とはいえ、これらが含まれた商品を選ぶことは容易でも、調味料として使用するには、原料そのものは手に入れにくいものです。

そこで代用品として使用できるのが、砂糖に比べると虫歯菌のエサとなりにくいオリゴ糖類や、ブドウ糖などです。これらは市販品も見つかりやすいです。オリゴ糖はカロリー半減にも効果的で、ブドウ糖は脳のエネルギー源としても役立ちます。

これらの甘味料を使用する際に気をつけたいのが、摂取頻度です。キシリトールのように完全に虫歯菌のエサとならない、というわけではないため、虫歯菌が接触しやすい状況を作ることはおすすめできません。

虫歯菌対策に活用するなら、摂取量ではなく摂取頻度を減らすこと。

口内に長時間、糖分が残らないようにしましょう。たとえば間食を繰り返す人の口内は定期的に糖分や食べかすが供給されるため、いくらオリゴ糖などを使用しても意味がありません。エサとなりにくい糖類でも、何度も供給されてば十分に虫歯の元となるのです。

甘いものを短時間でたくさん食べても、唾液などで洗い流されます。虫歯菌が接触できる糖分はあまり残されません。一方で少しの甘いものをちょっとずつ、時間をかけて食べると、その間ずっと口内は歯の表面が糖類に晒されます。

長時間、口の中に何かが入り続けることは、唾液で洗い流してもまた新しい虫歯菌のエサが現れるということ。これでは唾液による再石灰化も起こりません。

甘いものを食べる頻度を減らせば、唾液による洗い流しで虫歯菌のエサは減ります。さらに再石灰化もスムーズに行われ、歯の表面に傷が残るリスクも減らせます。そのため、糖分は食べる量よりも頻度を意識して減らすことをおすすめします。

ホワイトニング後の歯を守るにはデザートがおすすめ

歯の表面を虫歯菌から守り、再石灰化で傷の修復を促すには、虫歯菌に影響が少なく済むように糖分を摂取することが大切です。基本として、頻度を減らし、口内に糖類がとどまる時間を短くしましょう。

このポイントで言うと、甘いものを摂取する際は、間食のおやつよりも食後のデザートの方が最適です。食事直後は唾液腺も刺激されているので、唾液による糖の洗い流しもスムーズ。虫歯予防しつつ甘いものを食べるには、ベストなタイミングです。

間食はできる限り避けましょう。どうしても何か口にしたい、というときは、キシリトール入りのガムの出番です。キシリトールなら虫歯菌のエサにならない上に、虫歯菌のはたらきを抑制してくれます。

注意したいのが、市販のキシリトール入りガムではなく、歯科医院や通販で購入できるキシリトール100%のガムを選ぶことです。市販品は別の甘味料も配合されており、虫歯予防としては適切ではないものとなっています。

キシリトールのみの甘味料で作られているガムは唾液腺を刺激し、食事で酸性にかたむいた口内を中和するのにも役立ちます。間食のおやつの他、歯磨き前に歯の酸化を食い止めるケアとしても活用できます。歯の表面に傷ができやすい人は、歯磨き前に試してみてください。

このように甘味料を意識して選んだり、口にするタイミングを変えるだけで、歯の表面の傷や虫歯の予防になります。

また、ホワイトニング後の色戻りをより効率よく予防するためにも、自宅で使用できる歯の黄ばみ対策アイテムを活用することも忘れずに。虫歯や歯の表面のう蝕が予防できても、着色汚れを完全に対策できるとは限りません。

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>>『ナイトホワイトニング

こちらのナイトホワイトニングなど、飲食しない夜間などに使える、歯に直接塗るタイプのケア用品がおすすめです。歯磨きのように歯を傷つける心配もないため、毎日行える色戻り対策です。