あなたは、自分の会社の顧問税理士の専門が何かを知っていますか。

税理士だから、税に関してすべて知っているわけではありません。全ての税務に対して熟知しているわけでもありません。

特に税法は毎年のように変わります。それらを全て網羅して、税務相談に活かすことは難しいことです。

税理士は大雑把に分けて、確定申告、節税対策、融資銀行対策、個人事業主の確定申告、税務調査など一般的な領域から、相続税、贈与税、国際税務、連結税務、経営コンサルタントなど、かなり専門的でレベルの高い領域があります。

依頼している顧問税理士の専門は知っておいた方がいいです。

何でもできる税理士は結局何もできないかもしれません。つまり節税対策のノウハウや手順を熟知していなく、確定申告を行ってもらうと、事業主も知らない、税理士も知らないまま、申告が完了して、過分な税金を納めることになりかねない。

特に難しいとされる相続税の資産評価などは、あいまいな知識で対応すると、数百万円、数千万円あるいは数億円も余分に税金を納付することになります。

事業主に顧問税理士の専門外の領域の対応を依頼されたら、これは専門外ですから、それが得意な税理士を紹介するか、他で探してみてください。と言うべきです。

これがセカンドオピニオンです。

顧問税理士が別の知り合いの税理士に依頼してもいいですし、事業主が自ら顧問税理士とは別の税理士を探して依頼しても、セカンドオピニオンということになります。又同じ領域であっても、2人の税理士がおれば2通りの評価や判断が出る場合があります。

税法というのは、結構グレーゾーンがいっぱいありますので、見解が分かれる場合は少なからずあります。

従って、今お付き合いしている顧問税理士先生の判断に疑義を感じたら、別な税理士にも意見を聞いて見ることも大事です。これもセカンドオピニオンです。

もっとも年配の税理士先生ですと、自分がかかわっている案件に対して、事業主が別な税理士に意見を求めるようなことをしようとすると、嫌な顔をされるかもしれません。

もしもセカンドオピニオンで別な税理士の意見が、事業主が思っているように、過分な納税額と判断されたら、今まで依頼していた顧問税理士さんの立場は完全になくなります。

仕方ないですが、顧問税理士の交代を考えなくてはいけない時かもしれません。

相続税のセカンドオピニオン

日本においても、ようやく普及してきたセカンドオピニオンという考え方。医療機関では、かなり一般的になってきました。

患者さんにとって、最も適した治療方法は何であるか、患者さんの目線で医療を考えた時、セカンドオピニオンは大変良い制度です。医師の専門分野がますます細分化されてきている今日、より多くの医師の意見や診察によって、その患者さんの最善の治療方法を決めていくことは優れたシステムです。

同様に、税理士の世界でも言えることです。

特に相続税は、かなり専門性の高い分野です。相続税の申告は、各種の財産評価や税法の特例適用可否など、一般的な税理士では入り込めない難しい部分があります。これらは専門家であっても意見の分かれる場合が多々あります。

相続財産の中の、複雑な土地の評価や非上場の会社の株式の評価などは、相続税専門の税理士に依頼すべきです。

顧問先にそのように相続財産に関しての案件を所有しているところがあれば、税理士自らセカンドオピニオンで他の相続税専門の税理士を紹介すべきでしょう。あるいは依頼主が独自にセカンドオピニオンで専門の税理士に依頼してもよいでしょう。

特に富裕層のお客さんを持っている税理士は、セカンドオピニオンで優秀な相続税専門の税理士を紹介は必要です。申告額に専門とそうでない税理士との間にとても大きな金額の差が出る可能性があります。

まとめ 申告額が大きいと思ったら相談を

専門性の高い分野の申告は、専門領域の税理士に依頼することが重要です。これを実現させるのがセカンドオピニオンの考え方です。

長い付き合いがあるといって、一度も相続税の申告を行ったことがない税理士に依頼すると、後で大変悔しい思いをすることになりかねません。1年で相続税の申告を数件しか取り扱ったことがない税理士さんも同じようなものです。

実は税理士さんの相続税の申告の間違いは少なくありません。データによると平均1,200万円も税金が還付されているようです。

申告してから、どうも申告額が過大ではないか、と思ったら、セカンドオピニオンにより別な税理士さんに修正申告、正確には更生の請求を依頼してください。5年以内であれば還付の可能性があります。

逆に、税理士さんの申告間違い、申告モレで過小申告のペナルティーを受ける場合があります。

この場合は、過小申告加算税10%~15%、延滞税14.6%(2ヶ月以内なら7.3%)がかかってきます。

相続税の専門でない税理士さんは、このような汚名を被らないように、過分に財産の評価をする傾向にありますから、注意すべきポイントです。

相続税申告の場面にを迎えるようなことがありましたら、セカンドオピニオンを考えてください。

参考:相続税が高過ぎると思ったら~相続専門税理士によるセカンドオピニオン~