飲食業で新規融資を必要とする場合(新規創業を除く)

  • 店舗を改装して、お店のイメージを変えて、売上の拡大を図りたい。
  • 店舗を拡大して、売上の拡大を図りたい。
  • 厨房設備を更新して、料理人が仕事をし易いようにしたい。
  • 今以上に大きな店舗に移転したい。
  • のれん分けして新店舗を開店したい。
  • 売上の拡大のための広告宣伝を行いたい。
  • 将来のために従業員教育をしたい。

など飲食業が事業を継続するためには様々な新規の資金を必要とする場面があります。

新規の資金の調達方法は全額自己資金であれば問題ありませんが、こうした事業計画を遂行するためには金融機関からの融資により不足資金を調達することになります。

融資を依頼するとなると当然、事業計画書を作成しなくてはなりません。もちろん事業計画書は融資を依頼する時にだけ必要となる特別なものではなく、将来計画を念頭に入れた経営計画書として作成し、1年ごとに見直ししながら経営の羅針盤とすべきものです。

事業計画書の作成ポイント

計画書の作り方は様々ありますが、融資に通り易い計画書は融資担当者が見て、分かりやすいものでなくてはなりません。それにはいくつかのポイントがあります。

損益計算ができるか

基本的に重要なポイントは、経営者自身、損益計算がきちんとできる人かどうかです。

夫婦だけのお店で、原価管理を奥様が行っている場合であっても、経営者である店主はきちんと損得勘定ができなくてはなりません。融資担当者からメニューごとの原価やお店の回転率などの質問があった時、きちんと答えられないと、かなり不利となります。

経営者の経験

2つ目は経営者の経験です。融資担当者は飲食店の失敗の多くが店主、経営者の経験不足からきていることを知っています。損益計算ができない、飲食業の経験がない、料理の修行が足りない、サービスの経験がない。

などの経験が不足していると、融資担当者は不安になるのです。その他、他店の成功例や失敗例を研究しているかどうか、価格設定(値決め)においてメニューの原価などの工夫の方法を知っているかどうか、等も問われます。

経験不足は他店での修行を再度行うことになります。事業計画書の中の事業主の経験、経歴は重要な項目です。

事業目的及び融資の目的を明確に

次は事業目的及び融資の目的です。新規融資を必要とする理由と使途を明確にします。

設備投資の場合は、先に店主の理念や目標がなければなりません。売上を2倍にしたいとか、地区一の繁盛店にしたい、主婦層に特化したお店作りをしたい、あるいは地元の人達が気楽に入れる居酒屋にしたいとか、色々あります。

それらを達成するための手段として設備投資があるわけですから、この導入の部分は大事なところで、店主の情熱が伝わるような内容でなければなりません。

資金計画

そして資金計画です。融資担当者が最も関心の高い部分です。新規に必要とする資金の調達先ですが、自己資金、融資、そして担保、保証人の内容に関して、です。

100%融資に頼る場合は担保や保証人が要求されます。通常三分の一は自己資金で充当させることが望ましいです。融資担当者は借入金の返済額や利息が資金繰り表の中で大きな負担となって、経営に悪影響が出ることを恐れています。

その程度を計っているのです。従って無理のない整合性のある損益計算書の提出が重要となります。いずれにしても貸したお金がきちんと返済されるかどうかが見られるわけです。

事業計画の売上の数値の根拠を示す

事業計画の基本となる売上高は数字の根本的な根拠が示されなければなりません。

飲食店であれば例えば売上高の計算は昼と夜に分けて席数×満席率×回転率×客単価=昼1日分の売上高となります。あるいは地区の平均坪当たり売上高を参考にしてもいいでしょう。

商品メニューの差別化、雰囲気のよい店作り、接客サービスの向上策、などの具体的な方策を示し目標とする粗利益を出す流れが必要です。