贈与税を申告しない人が増えている

国税庁のデータによると、申告モレの中で、贈与は受けたけど申告していない人が82%にも及んでいるようです。

申告したけれど、税務署で部分的に申告モレを指摘されて追徴課税を払った人は少ないです。知らなかったにせよ、故意にせよ、申告しない人がたくさんいることは事実です。

申告自体を行っていない、申告モレ財産の内訳を見ると、現預金が62%、有価証券が13.6%、土地6.6%、家屋1.1%、その他16.6%、となっており圧倒的に現預金という財産の受け渡しが多い、というデータもあります。

これぐらいなら別に贈与税など払わなくても大丈夫、贈与税はまず分からないから払わなくても良い。こういう人がかなりたくさんいるということです。

親から多額なお金を贈与されていながら、申告していない人、無申告のまま、時が過ぎて、結局、親が亡くなった時も、相続税の対象から外して計算し相続税を払い、税務署から指摘されることもなかった。

このような人も中にはいるかもしれません。

贈与税は、親族間のお金の移動だけでなく、全くの他人からお金の贈与や色々なケースがありますので、実際、税務署も贈与の事実関係の調査は大変です。

しかし、確実に贈与税を払わない方法は存在しません。

もし仮にあったとしても、その方法論は公にはできませんし、払わないことに成功した本人にしか分かり得ないことです。

従って、贈与税を申告しない方法を指南するノウハウ書は存在しません。もし人に贈与税の無申告の方法を指南すると、脱税行為と見なされ逮捕されます。

贈与税を節税する方法はたくさんあります。これは合法ですから、問題ありません。

贈与税には時効があります。通常6年

贈与をしたけれど、贈与税を支払わなくても良い日のことで、通常6年です。但しこれは、知らない内に贈与をして、申告を忘れていた場合です。

わざと、申告せずに贈与税を支払わなかった場合、意図的に隠していた場合は7年です。(国税通則法72条1項)

この法律で、幸いか不幸か、財産をもらって、贈与税を払わないで7年経った。

しかし税務署から何も言ってこなかった。やれやれ税金が助かった。という人が中にはいるかもしれませんが、実態は分かりません。

大多数の人は、相続税が発生した時の税務署の調査で、贈与税の未納が指摘され、故意に脱税を行った事が判明すれば、追徴金や延滞税、重加算税などがたっぷりかけられ、大変重いペナルテーが課せられます。

つまり、時効という制度はあるのですが、実態としては税務署がほとんど認めていないのです。

贈与には贈与契約書が必要です。これによって、基礎控除の110万円を超える部分については贈与税を払っておけば、贈与が成立する。

契約書がない場合は単なる貸付金とみなされ、贈与が成立していないから時効は関係ない、と言われてしまい、過去に遡って追徴課税を支払わなければならないことになります。

贈与税の無申告 なぜバレる?

基本的に税務署は、贈与税と相続税に対しては特別な対策をとっています。最近特に力を入れているようです。贈与税の申告モレは徹底的に追求してきます。

では、どんな対策をとっているのでしょうか、詳しいことは分かりませんが、考えられることを並べてみましょう。

申告モレが判明する原因の1つは、財産の移動があったかどうかです。

これは、所轄のある程度の資産家は既に税務署でマークされており、また、金融機関から高額な金額の移動については情報の提供が受けられるようです。

誰がいくら、誰にお金を移動させたかが分かります。

しかし、この移動が贈与かどうかはこの段階では分りません。

次に確定申告の申告書が出されておれば、贈与の事実関係が分かります。ここに記載がなければ、税務署から直接問合せが入り、調べられることになります。

現金の移動でなくて不動産の移動の場合は、登記という工程がありますから、簡単にバレます。

資産家でなくても、普段にはないような、大きな金額の移動があると、税務署で分かるようなシステムが構築されています。

マイナンバー制度が普及してきますと、税務署は以前より増して情報が取り易くなります。

贈与税の申告・節税の相談は税理士へ

贈与税の申告・節税は税理士に相談するのがおすすめです。

特に金額が多額になる場合は節税方法も思案してくれますので、できれば贈与する前に相談するのがおすすめです。

関連記事:贈与税の節税テクニック ~相続税精算課税制度という方法~

税理士紹介サービスの税理士ドットコムであれば、無料で贈与税にも強い税理士を紹介してくれますので、気軽に利用してみましょう。

まとめ

贈与税は、生前のうちに贈与して、相続税の課税を逃れることを補完するための税です。

税務署は相続税と贈与税をセットで考えており、相続税の税務調査の段階で贈与も一括して調べられる、と考えています。

上記の贈与税の申告モレは、脱税の意図の有り無しに関係なく、この相続が発生した時に全て明らかになる、としています。

時効が成立したと安心していても、この相続が発生した時に、脱税が明らかになり、時効は成立しなくて、追徴課税が課せられます。

結局のところ、贈与の無申告はバレる確率が非常に高いということです。

もしバレたら、ペナルティーが大きいですから、真面目に申告した方がはるかに安いことになります。

税務署は、贈与税は相続税より高いために、多くの節税対策の制度を設けていますから、これを専門家と相談しながら制度を使用していけば、かなりの節税が図られます。

⇒贈与税・相続税のご相談は税理士ドットコムへ