相続税では課税されない財産があります。それを非課税財産といいます。非課税財産にはどのようなものがあるのでしょうか?課税することが適切ではないもの、納税者の生活の保護のために課税されないもの等があります。債務控除というものは課税価格を減らす要素です。課税されないもの、課税されたものを減らす要素についてみていきましょう。

1.皇位とともに皇嗣が受けたもの

私的なものとして自由に処分することができないものなので、非課税となっています。

2.宗教、慈善、学術などの公益を目的とする事業者が公益を目的とする事業のために受け取った財産は非課税

公益性の高い事業を保護するために非課税となっています。ただし、2年を経過してもその財産を公益を目的とする事業の用に供していない場合は非課税となります。

3.心身障害者共済制度の給付金受給権

心身障害者を扶養する親などが地方公共団体に掛金をしその後、親が死亡した場合に給付金が子である心身障害者に給付された場合です。直接的に親から給付される訳ではありませんが、相続税では親から財産を受け取ったということになります。ですが心身障害者の生活の保護のために非課税となっています。

4・生命保険金の非課税

生命保険金の非課税額:500万 × 法定相続人の数

5.退職手当金の非課税

退職手当金の非課税額:500万 × 法定相続人の数

6.債務控除は相続を放棄した者は控除できない

相続人であった親がいたとします。相続人は配偶者と親の2人。このとき親の1人が相続を放棄したとします。ですが、遺言書によって遺言の財産だけは相続したとします。この場合は、遺言によって得た財産からは被相続人の債務額は控除されないことになります。放棄した人は債務控除を受けれないからです。

7.包括遺贈と特定遺贈

被相続人の遺言書によって財産を受けた場合、財産のうち別荘を与えるなど、特定の財産を与えられる場合があります。これを特定遺贈と言います。財産のうち半分を与えるという事が書かれた遺言書であった場合は包括遺贈となります。債務控除が受けられるのは包括遺贈の場合だけになります。特定遺贈の場合は課税価格は減りません。

8.制限納税義務者は控除できない債務がある

日本に住んでいる居住無制限納税義務者、国外に住んでいる非居住無制限納税義務者に認められる債務が、制限納税義務者には認められない場合があります。制限納税義務者は国内財産しか課税されないからです。

8-1.葬式費用は制限納税者は控除されない

葬式の費用は制限納税義務者は、葬式代金を負担していても、その額は課税価格を減らす要素にはできません。

8-2.制限納税義務者は被相続人の債務のうちの一部だけが債務控除対象額

制限納税義務者は取得した財産(国内財産)を手に入れるために被相続人が発生させた債務だけは、債務控除額とすることができます。その財産を得るための借入金やその財産に係る固定資産税やその財産の支払のうちの未払分などです。

9.相続税の非課税財産に係る債務は債務控除にならない

居住無制限納税義務者も、非居住無制限納税義務者も制限納税義務者も相続税の非課税財産を相続している場合に、その非課税財産を手に入れるために被相続人が発生させた借入金などの債務は、債務控除にはできません。

10.まだ支払っていない税金も債務控除になる

被相続人が相続の時に未だ支払っていない税金があるとします。この税金も相続人が支払うことになるので、債務控除の適用があります。

いかがでしょうか?相続税では非課税財産というものがあり、債務控除については国内財産だけに課税される制限納税義務者については、債務控除と出来る債務とそうでない債務があります。制限納税義務者も葬式費用等を負担している場合は、制限納税義務者にとっては不利になります。債務にできる財産はできるだけ債務控除を受けるようにすることが必要です。

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