請求書に決められたフォーマットはありませんから折り込み広告の裏を使って請求書としても別に違法ではありません。

昔、屋台のおでん屋さんが、飲み代が足らなくなったお客に箸袋を拡げて簡易の請求書を渡していた、ということもありました。

請求書の体裁は発行元の氏名又は名称、取引年月日、取引内容、取引金額(税込み)、相手方の氏名又は名称などが最低限記載してあれば立派に請求書として通用します。

今でも文房具店に行きますと古くからあるコクヨの請求書用紙が売っています。

小規模事業者やフリーランスの人は、この請求書用紙を使っている人が多いです。

別に変哲のない普通の請求書用紙です。請求書というタイトルと記入欄があるだけです。記載事項は全て手書きとなりますが、月に数件くらいしかお客さんがいない事業者や、請求金額が少額な場合はこれで十分です。

この用紙での請求書はダメです。と言われる場合はありますが、極めて少数派でしょう。

請求書は会社の顔です

月々の取引件数も増え、1件当たりの取引金額も高額となり、継続取引の件数も増加してくると、コクヨの請求書では対応できなくなります。第一ものすごく面倒ですし、後での集計も大変、おまけに記載ミスも発生しやすい。

そこで、どこの企業も自社専用のデザインの見積書、納品書、請求書を大量に印刷して、これを使用していた段階を経て、パソコンが普及して、自社用にデザインされた請求書のフォーマットに請求内容を打ち込んで、それをプリントアウトして発送するようになりました。

デザインされた自社専用請求書用紙は、その商店や事業所の格を表し、信頼性に通じるものとなりますから各社とも競って、デザインには気を遣うようになりました。

それでも相変わらず請求書発行の手間やチェックの時間は膨大です。小企業、大企業を問はず、毎月の請求書発行業務は営業管理部や経理課に相当の負担がかかっていました。

現代は「ミソカ」がある

請求書発行代行という、いわばニッチの業態に着目して大きなビジネスにしたのが「ミソカ」です。

着眼点には敬服します。小規模事業者やフリーランスの人達には誠に便利な請求書発行ツールです。

ミソカ以外にも数社競合する請求書発行代行会社がありますが、総合的に評価してもミソカのサービス、システムが最も優れているようです。これから事業を始められる人にはミソカがおすすめです。(競合会社とのサービス比較は割愛します)

ミソカ(Misoca)の特徴

ミソカは請求書だけでなく、納品書、見積書の作成を行うことのできるソフトです。基本使用料金は無料です。期限もありません。取引先件数は無制限で無料です。ミソカだけの特徴です。

製作画面で作った請求書はワンクリックでメール送信も可能です。勿論見積書の内容を請求書に変換もできます。
誰でも簡単に短時間で請求書が作成でき、送信もでき、ダウンロードして自社で郵送も可能です。

このクラウド請求書システムを知った以上、もう手書きで請求書を起こす必要はありません。但し、請求書郵送代行を依頼する場合は1通180円に費用がかかります。

ミソカの回収保証

ミソカの優れたサービスです。ミソカで発行した売掛金の回収保証が付与されたサービスがあります。

小規模事業所同士の取引や新規取引などで発生する支払い遅延や取引先の倒産等によって売掛金の回収ができなくなった場合に損害を補填してくれるシステムです。1通の請求書に対して100,000円以下は保証料800円、100,000円超過は10,000円に対して80円の保証料です。

事業者にとっては誠に使い勝手のよいサービスでしょう。

ミソカの評判

ミソカの評判は他の競合会社との比較においては概ね良好です。おすすめのサービスには違いありませんが、時代の変遷とともにお客の要求も変化していきます。

特に使い勝手の要求などで、例えば、何通かの請求書を月にまとめて合計請求書(まとめの鏡の請求書)にする機能がない。1件ごとの消費税額、源泉徴収額などが確認できない。(但し、これは弥生会計のシステムに取り込めば可能)。

あるいは郵送代行サービスにおいて、請求書と一緒に送付しなければならない作業報告書や勤務表などの付帯書類がある場合は、このサービスは使用できない。あるいは領収書の発行ができない。などの機能向上の要求があります。

使用者側に徹底的に寄り添ったシステムとなっていることはかなりの評判となっていますが、進展とともに発生してくる色々な革新的なアイディアも今後において積極的に取り込んで欲しいものです。

まとめ

株式会社ミソカは2016年に「弥生会計」や「やよい青色申告」のソフトで有名な弥生株式会社の傘下に入りました。

年間取扱高102億円のトップクラスのミソカを弥生が買収したわけです。もともと弥生はオリックスの傘下にある優良会社です。弥生の会計システムとミソカの請求書代行サービスが結びついて、この業界の強力なリーディングカンパニーとなるべく、計画が進行しています。

新しい付加価値の創造に向けて熾烈な競争が行われていますが、ミソカも大きな援軍を受けてどんなサービスが展開しようとしているのか目が離せません。