経理課で出世するとはどういうことか?

企業の規模や事業形態、職種によって千差万別ですが、入社して何年かは基本的には経理課だからといって、特別なことは何もありません。特別年収が安いわけではなく、高いわけでもありません。通常はその会社の平均的なレベルの給料は少なくともいただけるでしょう。

経理課で出世する、ということは会社の組織の上で、職位が上がっていくことを指している場合が多いですが、仕事の難易度によって、あるいはより責任が重い仕事、仕事の範囲が広くなることにより、特別な肩書を設けている場合もあります。

当然、通常は職位が上位になる、特別な仕事、特別なプロジェクトを任されるようになれば、年収は格段に上がることになります。経理課であっても、そのチャンスは多いです。

経理課の出世の分かれ目

経理とは?で辞書を見てみると、企業などの組織における会計の事で、金銭や物品の出納を、お金を単位として記録、計算、管理などをすることを意味しており、集めた情報やデータを使用者が事情に精通した上で判断や意思決定をすることができるよう、経済的な情報を識別、測定し、伝達するプロセスのこと。とあります。

実はここに出世に関する重要なポイントがあります。

企業などの組織で金銭や物品の出納をお金(貨幣)の単位で記録、計算、管理という仕事が、経理という一般事務に近い仕事です。決まったことを決まった通りに行う事が重要です。いわゆる経理事務と言われる仕事です。

第一段階の出世は、このバックオフィスと言われる日常業務から卒業して、集めた情報やデータを分析又は解析して決算書や各種の経営報告書を作る立場になることでしょう。

恐らく職位としては係長とか主任、課長補佐、主査などの肩書が付くレベルです。

経理課は数字との戦いの場所ですから、大雑把な人では務まりません。従って性格的に真面目でどちらかと言うと神経質な人の多い部署かもしれません。

こうした経理課で、経理の日常業務は完璧にこなすのですが、分析、まとめ、報告業務となると、身体が引けてしまう人がいます。どこの会社でも結構います。このような人は、出世はできないでしょう。

ここで同期入社であっても昇進に差がついてきます。当然ここから年収の差が歴然としてくるでしょう。

最も大きな出世の分かれ目は、経理課の記録、計算、管理などをして集めた情報やデータを使う立場に変わった時です。事業計画、プロジェクトを推進するために、この情報やデータを使って判断や意思決定を行う仕事に就いた時です。

作る人から使う人に変わった時です。

出世するとどのくらい給料がもらえるか?

出世するということは、当然より難しい仕事ができるようになり、重要な仕事が任せてもらえるようになることですが、必然的に年収が上がってきます。

正社員のモデル賃金の例を言いますと、おおよそ、20代では年収354万円くらい、30代で467万円、40代で564万円、50代では701万円くらい、というデータがあります。(1つの例です)

職種別で見ると、経理、財務と言う部門を含む企画、管理という職種が他の営業、技術より10%くらい高い年収となっています。

統計的には経理、財務は年収においては恵まれた職域ということができます。従って上記モデル賃金よりは幾分高めとなることでしょう。

相対的に、数字を使用する立場になると、企業の中では重要な地位を占める場合が多く、役員登用も経理、財務出身の人が有利となります。

この段階、経理課長や経理部長、財務部長、財務担当役員など、あるいは、プロジェクトマネージャーとかチームマネジャーなどになれば、年収は1千万以上となります。

但し、経理の仕事にも一般事務、アシスタントの職種がありますが、前記(データを作る人)しましたように、この職域では年収は平均360万円くらいで、昇給はあまり望めません。

まとめ

経理課でも、いわゆる日常業務の一般的な会計業務を行っている人は平均的な給料しかもらえません。これが、これらのデータを使う立場になれば、一気に年収が上がります。

全国の企業の社長の企業内での経歴を見ると、大きく文系と理工系に分かれます。メーカーでは圧倒的に技術系、理工系出身の社長が多く、当然銀行や商社、証券会社などは文系で財務系の出身者が多くなります。

従って、経理マン志望で将来役員や社長を目指すなら、メーカーではない方がいいかもしれません。

経理課で出世をする人は、前向き思考の人が多いです。経理課で出世するなら、なるべく早く、係長、課長に昇進できるよう、懸命に努力すべきです。経理マンとしてやるべきことは大体決まっていますから、早くこれらの会計データを駆逐して使用する立場になるように目標を定めましょう。

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