年金は将来の年金のための保険料を納付する場合と、将来に毎年受け取る年金があります。年金にも所得税や住民税が課税されています。これらの税金の節税する方法についてみていきましょう。

1.確定申告が不要な人

公的年金等の収入が400万円以下で、その他の所得が20万円以下場合は、所得税の申告をする必要はありません。ですがその人が子供の社会保険料や自分の生命保険料などを支払っていた場合はどうなるのでしょうか?

2.年金の節税をしよう

年金から所得税が控除された残額を受け取っていて申告不要に値するかたということで放置している場合は見直してみることができそうです

各種控除

  • 社会保険料控除(国民健康保険料、介護保険料及び後期高齢者医療保険料等)
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 医療費控除
  • 扶養控除

これらの保険料や医療費などは、年金という収入金額から控除できます。その残額で所得税が計算されるので、控除する前の所得税よりも減少し、節税できるということになります。

3.年金という収入を所得に換算する

年金と所得税の考え方についてみていきましょう。受け取った年金そのものはすでに税金が控除された残額です。

給与の場合もそうですが、支給額から税金が差し引かれて手取り額となります。このとき差し引かれた税金の計算方法はこのようになっています。まず税率を乗じるための基礎額というものがあります。

このとき、税金の基礎となる金額は年金支給額ではありません。A × B - Cこの解に税率が乗じられることになります。このときAは支給された年金額です。そしてBは支給された年金ごとにきめられた割合です。そしてCは控除額で、これも支給額によって決められた額となっています。さらに65歳未満と65歳以上とに分けられています。ですから自分の年齢と、支給年金額(A)さえわかれば、BとCも分かるということになります。これらの計算の解が税率を乗じる前の金額であるところの課税標準となります。

参考:https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1600.htm

4.子供の社会保険料を親が支払ったほうが節税に

子供の保険料を親が支払ったほうが、親の年金が節税できる場合があります。

4-1.子供の社会保険料を、子供が支払えない場合の措置

子供が何かの理由で国民年金保険料が支払えない場合は様々な措置があります。

4-1-1.若年者納付猶予制度

例えば30歳未満の子供が30歳未満の配偶者と結婚し、所得が少ないために社会保険料が支払えないという場合、滞納ということになっていませんか?申請すれば保険料の納付を待ってもらえるという「若年者納付猶予制度」というものがあります。国民年金は25年間支払期間が必要です。猶予してもらった期間も25年の1年にカウントできます。ですが、金額にはなんら反映されません。

4-2.国民年金 学生納付特例制度

20歳以上の短大、大学、専門学校生で一定以下の所得の場合は、国民年金の納付を待ってもらえる制度があります。10年以内であれば追納することもできます。ただし3年経過すると、利子額が加算されて支払うことになります。国民年金は25年間支払期間が必要です。猶予してもらった期間も25年の1年にカウントできます。ですが、金額にはなんら反映されません。

4-3.国民年金保険料の免除制度の活用

社会人になってからも、収入が少ないために国民年金保険料が支払えない場合は、保険料の全額、半額、2分の1、4分の1免除の制度があります。支払えないから未納とするよりは、少しでも支払って、年金を少しでももらえるようにというシステムです。国民年金は25年間支払期間が必要です。猶予してもらった期間も25年の1年にカウントできます。受け取る年金は全額免除の場合は3分の1、4分の3免除の場合は2分の1、半額免除の場合は3分の2、4分の1免除の場合は6分の5というように、もらえる金額も免除してもらった金額分だけ減少しています。

5.親が年金を受け取っている場合は節税材料になる子の保険料

親は年金をうけとりながら、事業をしている場合は、所得が増えて子の保険料が支払える状況にあるとします。この場合は、親が子の保険料を立て替えて支払い、出世払いで子に後で支払ってもらうほうが、節税になります。

なぜならば、年金から控除できる社会保険料は、親自身の分だけでなく、配偶者や子も含めて社会保険料控除とできるからです。同居している20歳以上の子が2人いたとします。大学生である子供達の保険料の年額の合計額が36万だったとします。このとき、世帯主の課税所得が400万だったとします。このとき所得税は超過累進税率表により、20%となります。そして都道府県民税が4%、市民税が6%なので、合計30%の税金となります。

このとき子等の社会保険料分36万円 × 30%→108,000円が節税できたことになります。そして子供達の支払うべき保険料36万からこの額を控除すると、360,000 - 108,000=252,000円となり、子供達が支払う保険料が少なくできたということになります。

まとめ

年金をうけとっている親がいる場合、子や配偶者の保険料は年金の節税材料となるとともに、子等の保険料そのものも減額できるようです。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1600.htm