倒産防止共済は、取引先が倒産した場合、連鎖的に自社が倒産しないように資金を借りられる制度が倒産防止共済です。倒産防止共済についてみていきましょう。

1.加入資格は?

1年以上事業を継続している中小企業者であれば加入できます。

2.掛金はいくらくらい?

掛金は月額5,000円から20万まで5,000円きざみで選べます。そして800万になるまで積み立てていきます。そして取引先の売掛金が回収できなくなったときに、800万までの間で、積み立てた金額に応じて最大8,000万円まで資金の調達ができます。貸付金や不動産賃貸料などは債権には含まれません。買掛金がある場合は、売掛金と債権され差額が調達対象額となります。

3.支払った積立金は必要経費に算入できる

支払った積立金は全額必要経費に算入できます。法人の場合は全額損金算入できます。

4.貸付金額は?

貸付金額は50万円から8,000万円で5万円単位の額となっています。また掛金が貸付金となるわけではなく、売掛金債権と前渡金返還請求権の額の合計額と、掛金総額の10倍額を比較し、いずれか少ない額を最大値として貸付してもらえます。

5.返済期間は?

返済期間は5,000万円未満は5年にはじまり、6,500万円未満は6年、8,000万未満は7年となっています。6か月の据置期間が含められています。ですから5年の場合は60か月から6か月を控除した残り実質54か月で返済するということになります。支払期日までに返済できない場合は、年14.6%の延滞利息が返済額に加算された者が返済額となります。

6.貸付利率のない倒産防止共済金

倒産防止共済金で資金の調達を受けた場合、返済にかかわる利息は0円です。では積立さえすれば、無利子で貸付金額だけを借りて、返済すればいいということなのでしょうか?

7.貸付金を借りたなら掛金が減るシステム

取引先の倒産被害にあった場合、掛金の10倍または被害額のどちらか少ない金額を借りれます。30万円の掛金のときに被害にあえば、10倍の300万円を限度額とし、被害額といづれか少ない金額を借りることができます。また調達した資金の10分の1の額が掛金から控除されるしくみになっています。ですから貸付金の利用をした場合はこうなります。限度額の300万よりも被害額が大きかった場合は300万円を借ります。このとき10分の1の30万が掛金から控除つまり、掛金は0円に戻ります。そして新たに掛金をかけていくことになります。

8.借入方法

倒産防止共済金の借入の手続きはどのようにするのでしょうか?まず必要書類を入手し、書類を記入していきます。それらを金融機関へ提出し、確認印を押してもらいます。金融機関が中小機構へ送付し、中小機構が審査をします。審査を通過すると契約書が送付されてくるので、これらを金融機関へ提出して貸付金の交付をうけることになります。

9.解約返戻金について

解約した場合、解約返戻金が支払われます。このとき解約には3つの種類があります。

・任意解約・・・誰もが解約できる解約です。
・みなし解約・・・事業主がなくなった、法人を解散したなど解約したとみなされる場合の解約のことをいいます。
・機構解約・・・12か月以上掛金のしはらいが滞った場合に解約したと機構がみなした場合の解約のことをいいます。

任意解約の場合、契約期間が40か月以上あれば、解約返戻金は掛金の全額が戻ってきます。

10.一時貸付金について

一時貸付金は取引先の売掛金等の債権が受け取れなくなった場合以外でも、事業資金として借入が出来る制度です。機構解約の場合の解約返戻金を限度額として、掛金納付月数に応じて、借入できる額の計算式が決まっています。

掛金の金額を基礎額 × 割合A × 割合Bとしています。Aは75%から95%、Bは95%で設定されています。返済期間は1年です。期間をすぎると、14.6%の額が延滞額として、返済すべき金額に加算されて返済することを強制されます。借入金額は30万円から5万円単位で借入ができます。借入方法は、共済金と同じ手順です。

ただ、銀行で確認印をもらった後は、書類を事業主自身が機構へ送付することになります。金融機関から審査のための書類は送付されないということになります。約2週間で書類審査が行われ、通過すれば機構から契約書類が送付され、金融機関に入金がされることになります。

まとめ

いかがでしょうか?倒産防止共済は、取引先が倒産し、売掛金等の債権の回収が出来ない場合のみならず、事業用資金としての借入もできるようです。

http://www.smrj.go.jp/tkyosai/050951.html
http://www.smrj.go.jp/tkyosai/customer/flow/050815.html