経費で落とせるので、車を購入しよう。そんなとき新車を買いますか、中古車を買いますか?当然新車のほうが新しいし、かっこいいし保有したいものです。

ですが、節税という面からみると、同じ金額であれば中古車のほうが断然有利になります。その理由をみていきましょう。

1.減価償却費というもの

固定資産を購入したら、減価償却をしていきます。減価償却の要素は、耐用年数、償却率、取得価額から成りたっています。定率法でみていきます。償却率は耐用年数によって決まっていきます。

ですから耐用年数が少ないほど償却率が大きくなっていきます。定率法は月日が経過するほどその率は減少していきますが、最初の率は耐用年数によって決まってきます。減価償却費が多ければ多いほどその年の損金も大きくなるので、益金を減少する効果が大きくなるという事であり、結果、益金が少なくなるので法人税も減少し、節税になるというわけです。

2.減価償却額を増加させるには償却率を増やす

減価償却費を増加させるためには、償却率が多ければ多いほどいいのです。償却率が高くなるためには、耐用年数が短くならないといけません。

3.新車と中古車では耐用年数がちがう

新車は購入したときは経過年数は0年です。ですから、耐用年数は法定耐用年数そのものを使用します。これに対して、中古車は購入した地点で何年か経過しています。残りの耐用年数を新耐用年数として、償却率を決める事になります。当然、中古車のほうが耐用年数は短くなります。

4.500万の新車と、中古車で比較してみる

新車500万と中古車500万をみてみましょう。中古車で500万ということは中古車の方が、新車よりも高級車だということがわかります。

自動車の耐用年数は6年だと言われています。このとき、中古車は3年が経過していたとします。中古車の経過年数を考慮した耐用年数の計算式はこのようになります。

(法定耐用年数 - 経過年数)+ 経過年数の20% このとき端数は切り捨て、2年未満なら2年とします。

(6年 - 3年) + 3年の20%=3年 +0.6年→3.6年 ∴3年

中古車の耐用年数は3年になりました。

新車は耐用年数の6年まるごと耐用年数として減価償却の計算に使用します。このとき、償却率は中古車は、0.667であるのに対し、新車は0.333となります。減価償却の公式は、期首の自動車の帳簿価額(未償却残額) × 償却率となりますので、当然中古車のほうが減価償却額が大きいということになります。このようなことから中古車のほうが新車を購入するよりも節税になります。

5.高級車は売却ができる

高級車を購入すると、中古でも売却することができます。このとき注意したいのは、売却額は売却年度に全額が益金となります。ですから、売却する時期を見定める必要があります。事業の経営状況がもし今年よりも、来年が赤字が見込まれるなら、今年売却して売却金を多く受け取るほうがいいのか、来年売却して赤字と相殺し、税金を節税するほうがいいのかということを思案していく必要があります。

事業が好転し利益が多い年度に中古車を購入し、事業が赤字をだす年度に売却するという風にすると、節税になるのではないでしょうか?節税のために中古車を購入して、支払う法人税を少なくする。赤字年度に売却し、売却額から支払う法人税を事業の赤字と相殺して少なくできる。そうすれば上手く節税ができていくのではないでしょうか。

6.フェラーリやポルシェは買わないほうがいい

ベンツやレクサスは事業用車両としての対象となりますが、2ドアのフェラーリやポルシェは事業用車両として是認されることは少ないようです。同じ高級車でも気を付けたいところです。

まとめ

節税をするために車を購入する場合は、高級車で中古車を買うのが、新車を購入するよりも節税につながるようです。
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