第2新卒者とは中学校、高校、大学などを卒業して就職した後、数年以内に離職して転職活動を行う求職者のことです。数年以内とは概ね卒業して1~3年程度です。

第2新卒者の就職動向

第2新卒者に該当する人の割合は年々増加の傾向にあります。すなわち、高校や大学を出て正規社員に採用されても早期に離職する人が増加していることを表しています。

この早期離職者が再度求職活動して正規社員に採用される場合も多いのですが、離職率の増加は同時に無職者やフリーターの増加となっていく側面があり社会問題として国の施策の実行が待たれます。

早期離職者は現在30%にも及びます。3年以内に最初の会社を退職する人達です。

企業が第2新卒者を採用する理由

新卒者ではない、社会経験者とも違う、ちょっと立ち位置が微妙ですが意外と好評です。

新卒者と比べて採用後の教育、育成のコストがあまりかからない、新卒者と比べて短期ではあるが前職で社会人としてのマナーなどの教育を既に受けている、短期ではあるが既に社会人としての経験があるため、今度は失敗できないという緊張感があり、適応力もあり、戦力になり易く、会社への溶け込みも早いという採用メリットを感じている企業が多いようです。これらの理由で第2新卒者を採用する企業が増えているわけです。

企業が第2新卒者を採用しない理由

一方、新卒で正規社員として入社しても短期間で辞めてしまった、という離職経歴があるため、当社で採用しても又辞めていくかもしれないという心配を持たなくてはならない。これが最も多い理由です。

既に社会人経験があることが逆に採用担当者にとっては抵抗となる場合があります。新入社員教育計画がしっかりしている会社ほど嫌う傾向があります。新卒者と同等には扱えない面もあるようです。

フリーター、無職、離職の経験はマイナス

他社での勤務経験を評価する企業が多く、又新卒者と特に対応に違いがないとする企業も多い反面、既卒者を採用する企業が絶対数としては少なく、採用試験などでは離職理由についてかなり詳しく聞かれますし、フリーター、無職、離職の経験がマイナスに評価されるといった第2新卒者にとってはデメリットとなる情報も報告されています。該当者は求職に際してはこの点に十分な配慮と準備が必要です。

第2新卒者の労働市場

独立行政法人労働政策研究、研修機構の第2新卒者の採用実体調査によりますと、企業の第2新卒者の採用実体は、新卒者枠で採用するケースと中途採用者枠で採用するケースの大きく2つに分けられます。その割合もほとんど半々くらいです。

第2新卒者に該当する求職者はこの2つの労働市場が併存していることをしっかり認識すべきです。なお極めて少数ですが、新卒者枠、中途採用者枠以外に第2新卒者枠を設けている企業もあります。

新卒者枠と中途採用枠では業種、職種、採用条件などが異なる

第2新卒者の求職者は新卒者枠と中途採用枠では業種、職種、採用条件などが異なるに点に十分注目して就活しなければなりません。新卒者枠で採用する企業と中途採用者枠で採用する企業では業種、職種、採用条件、採用方法、採用理由などが異なります。

・業種・・新卒者枠では電気、ガス、水道業、情報通信、金融・保険業、医療福祉、サービスなどが多いですが、中途採用枠の場合は飲食店、宿泊業、運輸業、小売り、製造業、建設業、不動産業、医療福祉、サービスなどが多くなっています。

・職種・・新卒者枠では事務、販売、技術、医療福祉となっており、中途採用枠では、営業、販売、技術、医療福祉などです。

・採用時期・・新卒者枠の場合は4月一括採用が多く、通年採用もあります。中途採用枠では通年採用が主流です。

・募集条件・・新卒者枠の場合、年齢、卒業年次の制限があります。概ね26歳以下、卒業後2年以内となっています。中途採用枠では、年齢、卒業年次の制限があり、概ね28歳以下、卒業後3年以内となっています。

・採用方法・・新卒者枠の場合は企業のホームページ、ハローワークがほとんどです。中途採用枠の場合はハローワーク、ホームページ、新聞広告、情報誌などです。

・採用理由・・新卒者枠の場合は新卒者と変わらないが大多数で即戦力を期待している企業は少数です。中途採用枠の場合は即戦力が40%以上占めています。

第2新卒者の採用方法

上記のように第2新卒者を新卒者と同等に扱い採用している企業が確実に増えています。また第2新卒者に対する評価も良好であることから、離職後の再就職がし易くなっています。

しかし離職後3年以内には就活によりどこかに採用されないと、再雇用率が大きく下がっていくことも認識すべきでしょう。

第2新卒者の現況の動向を踏まえ、新卒者枠、中途採用枠にそれぞれ企業の特性が出ていますが、これらを参考にして、採用計画を作って欲しいものです。