増加傾向にあるM&A仲介業者

地域経済を構成する中小企業、その中心は小企業で全体の87%を占めています。

多くの企業が豊かな経験や独自のノウハウを持ちながら、後継者問題などで、企業の承継が難しい、という問題を持っています。

M&Aは大企業を中心に、企業戦略の重要な手法として、これまで多くの企業で使われてきましたが、中小企業には、まだまだ馴染みにくい面があり、広く普及しているとは言えません。

しかし、中小企業を対象とするM&A仲介業者の存在が、中小企業のM&Aの展開を後押ししています。徐々に普及が広がりつつあります。

中小企業の経営者がM&Aで企業が抱える様々な問題の解決策として使用したい、という需要が増加していることを示しています。

中小企業のM&Aのメリット

〇譲渡側
・ 会社が存続できる。
・ 従業員の雇用が守れる。
・ 体質の強化が図れる(財務基盤、社内組織、営業基盤など)
・ 社名の引継ぎ。

〇譲渡側の経営者にとって
・ 事業承継問題の解決。
・ 株式譲渡で、創業者利益が確保できる。
・ 連帯保証、担保提供が解除される。
・ 譲渡後も引き継ぎのために会社に残れる。(会長、相談役、顧問など)

中小企業のM&Aの進め方

M&Aの進め方は、大枠下記のような手順で進めていきますが、実際はなかなか大変な作業です。

全く企業文化の異なる会社同士のマッチング作業ですから、信頼関係をどこまで深めるかがポイントとなります。

こうした難しい交渉ごとは、間にアドバイザーやコンサルティング会社、M&A仲介業者を立てて進めた方が確実です。

① M&Aの目的を明確化する。
② 買収先(売却先)の選定。
③ 相手先の会社の概要、財務状況、事業内容、の情報を入手する。
④ 相手先の会社のスキームを策定する、シュミレーションを行ってみる。
⑤ 相手先と直接面談を行う。
⑥ 基本合意、契約。

中小企業のM&Aはアドバイザーが必要

M&Aは、上記のように中小企業にとっては、決して易しい経営戦略ではありません。中小企業に本来持っていないノウハウを必要とします。

・ 対象先の選定には、広範囲の情報ネットワークが必要です。
・ 当事者同士の条件交渉は難しい。
・ M&Aを進めるには、法務、財務、税務、会計など高度な知識が必要で、弁護士や税理士、公認会計士などの協力が必要です。
・ 契約書や多くの専門的な書類が必要です。
・ 最も厄介なものは、企業価値の評価です。

従って、M&Aアドバイザー(仲介会社)又はFA(フィナンシャルアドバイザー)に依頼することになります。M&AアドバイザーやFAが担当者に代わって、必要な作業を効率的に進めていきます。

M&A仲介、代行業者の選び方

仲介会社はたくさんあります。選び方の参考にしてください。
・ 経験と実績が豊富にあること。
・ 親切、丁寧であること。
・ 手数料の初期負担額が少なく、成功報酬型であること。
・ 企業情報を豊富に持っていること。
・ コミュニケーション能力が優れていること。
・ 規模のマッチングが適切であること:売却規模が数百万円から数百億円まであります。仲介会社の規模により所有する情報や経験、実績が異なります。当該M&Aの規模が合っている仲介会社を必ず選択してください。
・ 報酬体系の見分け方:(参考)成功報酬型がよい。着手金、中間金、成功報酬などがあります。他社との比較は必須です。
・ 進め方の違い:1社のみか複数並行か、ということですが、着手金の問題があり、1社で進めて、契約まで至らなかったら、次の会社で進める仲介会社と、複数同時に並行的に進めていく仲介会社があります。複数並行がベターです。

どんなM&A仲介会社があるか

参考までにいくつか上げておきます。
日本M&Aセンター

日本最大級、中小企業専門、コンサルタント150名
クラリスキャピタル

成功報酬型 業界最安値
ビザイン

相談からクロージングまでワンストップ 成功報酬型
アドバイザリー 

会計事務所グループが母体 着手金50万円成功報酬各種
M&Aアソシエイト

初期費用完全無料、政府系金融機関出身者のスタッフで運営
ストライク

公認会計士が中心となって運営する会社
中小企業M&Aサービス

料金はどのくらいか?(一例です)

成約時の成功報酬は総資産額ではなく、成約金額がベースであることが望ましい。

簿価の総資産が5,000万円未満の小規模な企業の場合は、基本的に着手金不要、成功報酬加減200万円。

通常着手金がある場合は、成功報酬の内金とする。
参考額

成約金額
2億円以下の部分  手数料8%
2億円~5億円以下の部分  6%
5億円~10億円以下の部分  4%
10億円超の部分  2%

小規模企業(簿価総資産5,000万円以下の企業、個人事業者)
着手金不要、成約時、下限200万円
成約金額

3,000万円以下の部分              手数料10%
3,000万円~5,000万円以下の部分           8%
5,000万円~1億円以下の部分              6%
以上参考、大阪商工会議所

まとめ

企業の大小に関わらず、企業のM&Aは簡単ではありません。地方の小規模の商店街は疲弊し、アーケードでは、シャッターが下りたお店が多く見かけます。地域の商業の復興には、M&Aは有力な手法と思うのですが、自分のお店を売る、と言うこと自体、知らない商店主が多いです。

中小企業、とりわけ、小規模な企業の再建は急務です。もともと企業価値の高い商店は、十分にM&Aの対象となるのですが、そこまで至らないで閉鎖される場合が多いです。

M&A仲介会社が益々力をつけてきています。徐々に地方の小企業まで調査のエリアが広がっていくと思われます。M&A仲介業者が中小企業復興の大きなリーダーとなりつつあります。