高校新卒者の就職状況はよくなってきているとはいえ、地域間格差が大きい現実があります。東京、愛知などは仕事が選べる可能性があるのに対して、北海道、東北、九州、沖縄などでは非常に限られた数少ない仕事しかありません。

住んでいる県の中で仕事を探そうとすると、非正規雇用にならざるおえない状態で正規雇用は限定され、選択できる仕事は極めて少ないのが現状です。そのため志望する職種に就労できる機会が少なく、ミスマッチが起きています。また傾向としていろいろな業種の中で製造業に就職する人が多く、大きく偏っています。

高校新卒者の就職者数は平成2年をピークに年々減少していて、卒業者に占める就職者の割合も低下し続けています。既に20%を大きく割り込んでいます。就職内定率だけ見れば97%ぐらいになっておりかなり改善されてきました。

高校新卒者の離職率が高いことも問題となっています。就職して1年以内に約4人に1人が離職し、3年以内に離職する人は約半数を占めています。ちなみに、新規学卒者の離職率は中卒で65.3%、大卒で32.3%です。

高校新卒者で離職するとフリーターになる人が多い

フリーターとは15歳から34歳までの男性又は未婚の女性で、パートやアルバイトをして働く者又は希望するものとなっています。現在全国で180万人ほどいると言われています。15歳から24歳では約80万人ほどです。

フリーターのタイプは、やりたい仕事が見つかるまでの暫定期間として、正規雇用を目指したが失敗して仕方なくフリーターなっている、あるいは明確な目標があるので生活のためにフリーターで稼ぐなどに分類できます。

フリーター期間が長くなると正規社員への雇用が難しくなる傾向があります。離職して半年以内なら男性の70%が正規社員になっており、女性のそれは60%です。フリーター歴3年を超すと正規社員になれる確率は半分近くまで下がってきます。

高校新卒者の採用の方法

企業が高校新卒者を採用する場合は厳しいルールがあります。基本的な採用までの流れを辿ってみましょう。

  • 求人票の開示機関、求人解禁は7月1日からです。学校での推薦選考や一般公開が開示されます 
  • 高校生の会社見学、職場見学実施は7月中旬から8月上旬までです。但し生徒の就職希望会社への見学は全て学校を通じて行うことに厳格に定められています。 
  • 応募、学校推薦開始は9月5日です。生徒が応募書類を作成して、学校経由で企業に届けます。 
  • 選考開始、入社試験は9月16日からです。面接、筆記試験、適性検査など1回で行うことになっています。 
  • 結果、合否、内定通知は選考日より7日以内と決められています。 
  • 追加募集は9月下旬以降です。不合格者のために募集を終了していない企業に応募します。 
  • 求人企業は所轄のハローワークにも求人票を提出しなければなりません。 
  • 生徒及び保護者と企業間の就職に関するやりとりは厳禁です。

以上のような流れになります。

厚生労働省による若者応援宣言企業、ユースエール認定企業について

中小企業は積極的に認可申請したい国の応援制度です。

若者応援宣言とは、一定の労務管理の体制が整備されていて、若者(35歳未満)を採用、育成するための求人募集を行っている企業に対して通常の求人情報よりも詳細な企業情報を公表する厚生労働省の応援事業です。申請して認定を受けなければなりません。

ユースエール認定制度とは、若者雇用促進法に基づき、認定企業限定の就職面接会や認定マークの使用、そして若者採用、育成に関する各種助成金の活用が可能です。

若者応援宣言企業、ユースエール認定企業への認定申請は全国都道府県労働局で行ってください。認定企業の閲覧は厚生労働省ユースエール認定企業、若者応援宣言企業検索システムで詳細を見ることができます。高校新卒者は希望する企業の採用に関する意気込みをこのシステムで確認することができます。