歯を白くするホワイトニング施術は、近年では手軽になったと謳われることも増えてきましたが、はたして本当に以前より手軽になったのでしょうか。

今回は、現在の歯科医院でのホワイトニング料金は本当に安いのかどうかを検証してみました。歯科医院の料金表を見て『あれ、意外と安いじゃん』と思って施術を考え始めている方、施術を受ける前に、もう一度こちらで料金システムの仕組みについて知ってください。

歯科医院でのホワイトニングは高い?安い?

231543

ずいぶんと社会に浸透した歯のホワイトニング。今では一部の病気や体質の人を除き、誰でもお金さえ払えば簡単に施術を受けられます。

料金は医療施設によってまちまちですが、およそ数千円~数万円を表記しているところばかり。ホワイトニングが知られ始めた頃は、まだ数十万円はくだらないと言われていました。

数十万円すると言われていた時代を知っていると、歯科医院で料金表を見て、意外と安くなっているかも?と思う人もいるかもしれません。

しかし、この料金は『前歯数本分』だったり『歯一本分』の値段だったりします。すべての歯の料金と明記されていない限りは、そういった仕掛けがあるのです。

もともとホワイトニングは外見だけを良くするために行うため、ほとんどの歯科医院では笑った時に見える前歯5~6本の施術を取り扱っています。前歯6本ずつ、上下で行うとして、一本あたり5,000円の歯科医院で行うと、12本分で60,000円かかります。

しかもホワイトニングは、一度行えば未来永劫真っ白な歯を手に入れられるわけではありません。しばらく生活していると、段々と歯がまた黄色くなっていきます。(色戻りという現象)つまり、定期的に似たような価格の施術を受ける必要があるのです。

人によって回数は異なりますが、最初のホワイトニング自体、数回繰り返し行わなければ白くならないというデメリットがあります。結婚式の日だけで良い、その後は色戻りしても良い、という短期間だけの効果を望む人でも、歯を白くするには何度も歯科医院に通い、ホワイトニング施術を受けなければなりません。

<歯科医院でのホワイトニング料金を試算してみました>

たとえば、お見合いのために歯を白くしたいと考えるA子さんがいたとします。彼女は絶対に失敗したくないお見合いのため、歯を真っ白にしてチャームポイントの笑顔をさらに魅力的にしようと考えました。

しかし、彼女の歯の象牙質はかなり黄色いです。彼女の望む程度の白さにまでするには最低4回は医院に通って施術を受けなければなりません。お見合いの席のためだけのホワイトニング。彼女はできるだけ料金をかけたくありません。

考えた末に、笑った時に見える上下の前歯6本ずつ計12本を施術してもらうことにしました。お見合い後は元に戻っても良いけれど、とにかく本番の日は白い歯になりたいと頑張って歯科医院に通うことを決めました。

この彼女のケースでは、単純に考えて上下12本の歯の施術代×4回分を支払わなくてはなりませんね。先の説明で挙げた1本あたり5,000円で施術してくれる医院に行っても、最低60,000円×4回分で240,000円支払う必要が出てきます。

歯科医院のホームページや医院内の案内板を見ただけでは、『なんだ1本あたり5,000円で済むんだ』と安易に考えてしまいがちです。しかし、実際にはこのように歯を白くする本数や白くするまでの施術回数、色戻りのケアのための施術についても考えなくてはならないのです。

今回挙げた料金は一例です。ホワイトニングは保険の効かない自由診療となるため、医院によって料金はかなり異なります。中には1本あたり700円程度という医院もありました。それでも、同じように本数分や回数分の料金を考えなくてはならない点は同じです。

もしあなたが一生白い歯を維持したいと思うなら、その一生分、このホワイトニング料金を定期的に支払い続ける必要があることを忘れないでください。もしかしたら将来的にもっと簡単かつ持続性の高いホワイトニングが低価格で提供される日がくるかもしれませんが、現状ではそのようなものは見つかりませんでした。

ちなみに、今回ご紹介したのはオフィスホワイトニングという完全に歯科医院で行ってもらう場合の料金目安です。ホームホワイトニングという歯科医指導のもと自宅で行うセルフホワイトニングはもう少し安くなりますが、繰り返し行う必要がある点は同じです。

ホワイトニングは施術料金以外も必要!

この試算だけでも、やっぱり高かったと驚いた人は少なくないでしょう。実は、ホワイトニングを行うには、この施術料金だけではありません。別の施術費用も必要となる可能性もあるのです。

ホワイトニングできる歯は、あくまで健康な状態の歯でなくてはなりません。

  • 歯石がついている
  • 虫歯がある
  • 歯周病がある
  • 知覚過敏になっている

このような状態の人は、施術を受ける前に問題となっている病気や症状を改善する必要があります。歯石がある人は歯石除去費用が、虫歯や歯周病、知覚過敏の人は治療費がかかります。

歯石は簡単に処置できますが、虫歯などの病気は数回治療に通うことになります。歯をホワイトニングする前に、病気の治療で時間やお金をかける必要があるのです。

他にも、ホワイトニング料金として表示されている料金とは別に、事前処置のクリーニング代が別となっていたり、知覚過敏予防処置費用が別となっていることもあります。また、施術に使用される薬剤は医院によって異なるため、薬剤代で違いが出てくることも多いです。

歯科医院で受けるホワイトニング施術は強力な効果を求められる反面、このような追加料金の存在もあって想像より高額出費となりがちです。

1回あたり数万円になる上、一度ではそれほど効果は出ない。しかもいずれ歯の色はまた黄色くなっていく。そんな施術にちょっとした社会勉強としてでも、高いお金をかけるのはもったいないですよね。

歯科医院でホワイトニングを受けるかどうか検討している方は、回数や期間なども考慮して、総額いくらかかるのかで判断してみてください。自分じゃ計算しきれない、という時は、かかりつけの歯科医さんに相談してみるのもひとつの手です。

他にも、歯科医院の口コミサイトを活用してみるのもおすすめです。料金が安いところで施術を受けようと思っている人はとくに、このようなサイトで評判を見ておくことは重要です。

歯科医院でのホワイトニングの料金は複雑だった!総額に注意しよう

最近はホワイトニングが安くなりましたよ、という謳い文句を目にすることもあり、そんなに安くなったのなら施術を考えても良いかなと思うこともありました。

実際に調べてみると、一回一回は安くても繰り返し行わなければならない点から、総額はやはり高額となってしまうことが分かりました。

先ほど挙げたA子さんの例をもう一度おさらいしてみましょう。

  • A子さんは歯の象牙質(芯に近い部分)がかなり黄色い
  • ホワイトニングには4回通う必要がある
  • 歯1本あたり5,000円の施術代が必要
  • 笑った時に見える前歯部分上下6本ずつの施術

このA子さんの条件でホワイトニングを受けると、総額では

前歯6本×上下分=12本
1本あたり5,000円×12本分=60,000円

60,000円×4回分=240,000円

と、240,000円かかることが分かりました。
仮に、多くのクリニックで採用されている1本あたり1,000円の施術を受けたとします。

前歯6本×上下分=12本
1本あたり1,000円×12本分=12,000円

12,000円×4回分=48,000円

です。こちらはまだ手が届きそうですね。1回なら何とかなりそうですが、定期的に必要となると、やはり躊躇しそうです。

ちなみに700円ホワイトニングで調べてみたところ、出てきたものの中にはティースマニキュア(歯のマニキュア)による施術メニューもありました。1本あたり700円で歯を白くできますよ、と書かれているクリニックでは、本当にホワイトニングなのか、それとも白いマニキュアを歯に塗るだけの施術なのかをきちんと確認しましょう。

ホワイトニングは定期的に施術を受ける回数、かつ施術する歯の本数だけ費用が高額となります。

白い歯を維持するには、やはりそれなりのお金をかける必要があるようです。

しかし、自宅で日常的にできる歯磨きなどでのケアを上手に行えば、芸能人のように真っ白な歯は難しくても、着色汚れのない自然な色の歯を維持することは可能です。歯磨きは毎日行うことなので、たとえ少し高めの歯磨き粉に換えてみても、今より極端に高額になることもありません。

海外では着色汚れだけではなく薬剤で歯そのものを白くしようとするアイテムもあります。自宅ケア用のデンタルケアアイテム市場は常に活発なため、市販品で安く健康的に自然な白さを維持することも難しくなくなりました。

最初から高額な施術費をかけて病院に頼るのではなく、まずは市販のアイテムを活用して、自然な色の歯にすることから始めてみてはいかがでしょうか。

※着色汚れに効果的な歯磨き粉については、こちらの記事を参考にしてみてください。
→→『ポリリン酸入り歯磨き粉特集』へ