海外製品を使用して自宅でホワイトニングを行う人が、日本国内でも増えてきました。

いざ自宅でホワイトニングを行う際も注意したいのが、ホワイトニング施術を受けられない人の特徴に当てはまっていないか、です。たとえばビーグレンデンタルなどの有名な海外製品でも、注意書きに「使用できない人」の例を明記しています。

今回は、その中でもっとも当てはまりやすい虫歯について解説します。

去年しっかり治したから、大丈夫!なんて思っている方は要注意。虫歯は治療後も、同じ場所にできることがあるのです。詰め物の下でひっそりと再発している虫歯のことを二次カリエスと呼びます。

ホワイトニングは虫歯があるとできない理由

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ホワイトニングのメカニズムは、過酸化水素もしくは過酸化尿素という成分をメインとしたホワイトニング剤を使用し、化学反応を起こさせることで白くするというものです。

このホワイトニング成分は歯に浸透し、表面の水分を奪ったりエナメル質が薄い場合は歯の神経部分にまで刺激が伝わったりします。つまり、虫歯があるとその分歯の表面が薄くなっているため、薬剤の刺激が神経に伝わりやすいのです。

例外として初期虫歯や奥歯の虫歯であれば、施術を引き受けてくれるクリニックもあります。それはホワイトニングを行うのが主に前歯の上下8本ずつというケースが多いためです。奥歯は施術することがないため、状態によってはホワイトニングを引き受けてくれることがあります。

とはいえ虫歯が自然に治るわけではないため、ホワイトニングの前や施術後に必ず虫歯治療をすすめられるでしょう。

ほとんどのクリニックでは、虫歯治療を先に終えてからでないと施術はできないと言われます。どうしてもホワイトニングを先にしたいという場合は、歯科クリニックのホームページなどで「虫歯でも状態によっては施術可能」と明記されているところを探してみましょう。

また、虫歯があってクリニックではホワイトニングできないからといって、自宅で行うのもおすすめしません。万が一の場合の対処が素人には難しいからです。

そのため、虫歯があることを自覚している場合は、自宅ホワイトニングをする予定であっても歯科クリニックで虫歯治療を先に済ませておきましょう。症状によりますが、数千円程度で治療できるケースがほとんどです。

治療済み虫歯も注意!二次カリエスもホワイトニングできない

虫歯なら去年治療したから大丈夫。そんな風に思っている方も多いでしょう。実は、このような人の方が危ないのです。

治療済みの歯の下で、虫歯が再発している可能性も珍しくありません。虫歯を治療しても、口内に虫歯菌が住み着いていることから、ちょっとした不注意で虫歯は再発してしまいます。

<二次カリエスとは?>

  • 詰め物と歯の間でできる二次的な虫歯
  • 虫歯を完全に治療しても発症することがある
  • 虫歯が原因で詰め物がとれやすくなる
  • とれた詰め物の再利用はできない

二次カリエスとは、以前治療した虫歯部分にまた虫歯が発生し、前回の治療で使用した詰め物がポロリととれてしまうような状態になることをさします。その原因は前回の虫歯治療が適切ではなかった場合の他、経年による口内状況の変化なども挙げられます。

たとえば、詰め物と歯の間に挿入されるセメント(接着剤)は、唾液で溶け出してしまうものもあります。唾液でセメントが流れてしまうと詰め物と歯の間に隙間ができ、虫歯菌が入り込みやすくなります。

入り込んだ虫歯菌が繁殖し、セメントがあった部分で新たな虫歯を作ると、詰め物の土台は脆くなります。そのまま虫歯の進行が進むと、ふとした拍子に詰め物がとれてしまうのです。患者の多くは、詰め物がとれてしまったからと歯医者に診てもらって初めて、この二次カリエスに気づきます。

二次カリエスの特徴の恐ろしいのが、この点です。虫歯が初期の段階では、口を開いて患部を見ると、詰め物がかぶさっているため虫歯の存在に気づきません。痛みもあまりなく、詰め物が歯磨きやマウスウォッシュなどによる殺菌成分から守ってくれるため、進行しやすいです。

日ごろから歯磨きを頑張っていても発症してしまうリスクがあるのが、この二次カリエス。もし虫歯はとっくの昔に治療したから大丈夫と思っているのなら、二次カリエスの可能性についても考えてみましょう。

歯科検診程度であれば短時間で済むため、歯の状態が不安な方や過去に虫歯治療の経験がある方は、ホワイトニング前に検診を受けてはいかがでしょうか。

ホワイトニングの前は虫歯チェックが大切な理由まとめ

歯科クリニックや海外製品のホワイトニング剤の注意書きで、虫歯がある人はホワイトニングできないと書かれています。これは虫歯治療費で稼ごうとしているのではなく、安全面や痛みのリスクを考慮してのことです。

もちろん、同じ成分を使用して行う自宅ホワイトニングでも当てはまる注意点です。現在虫歯の可能性がある方だけではなく、過去に虫歯治療を行ったことのある方も、ホワイトニング前に虫歯の有無を確認しておきましょう。

ホワイトニングの効果を最大限に得るだけではなく、その後の安全を得るためにも、虫歯の軽視はおすすめできません。

当サイトでも何度かご紹介したことのあるアメリカ製のホワイトニング剤、ビーグレンデンタルも虫歯がある方は使用できないと書かれています。

仮に虫歯があっても使用できますよ、と書かれているものがあっても、それは有効なホワイトニング剤が含まれていない、いわゆるクリーニング剤かもしれません。歯の表面に付着した汚れは除去できても、内部の黄ばみには効果を期待できないでしょう。

効果があるものを利用したいのであれば、ビーグレンデンタルなどのように「虫歯の方は使用できません」と書かれている、過酸化水素か過酸化尿素が配合されたものを正しく使用する必要があります。