歯の着色汚れを予防するには、毎日の歯磨きが必要不可欠です。歯磨きをしっかりすることで歯の表面に付着した汚れを取り除き、ひいては口臭や虫歯の予防にもつながります。
また、歯磨きを正しい方法で行うと、口内の血行促進効果も得られます。
これだけでも歯の美白以外にも重要だと分かる歯磨きですが、実は、歯磨きが全身の病気予防に効果的だということをご存じでしょうか。今回は、歯磨きをきちんと行わなかった場合に引き起こされる可能性の高い病気についてまとめてみました。
歯磨きをサボると起こる病気~口内編~
まずは基本の口内編。歯磨きをサボると、視覚的に分かるのが口内の異常です。
- 歯の着色汚れ
- 口臭
- 虫歯
- 歯周病(歯肉炎・歯周炎)
- 口内炎の悪化
歯磨きをしなければ、まずは歯の着色汚れや口臭が目立ってきます。歯についた食べかすやヤニ、茶渋などが歯にこびり付いたままなので、見た目も美しくない上に悪臭の元にもなります。
歯に付いた汚れや舌についた食べかすなどが口臭の原因でもあり、これらを細菌が分解した時に出すガスが食べかすの臭いと混じって酷い口臭や口内の粘つきを生み出します。
もちろん、汚れを放置して細菌の繁殖しやすい状態が続けば虫歯や歯周病にもなりますし、細菌だらけの口内では口内炎がすぐに悪化。歯磨きの手抜きは、良いことがありません。
口臭予防のガムを食べれば口臭は防げるし、虫歯や歯周病は痛みが酷くなるまでは放置していても大丈夫だと思っていませんか?でも、そもそも歯磨きを正しい方法できちんと行っていれば、そんな対策自体が不要です。
何より、虫歯菌や歯周病の菌はやがて全身を巡る恐ろしいものなのです。ただ歯が欠けて食事がしにくくなるだけだと思って放置し続けていると、脳や心臓の病気に発展してしまうかもしれません。
歯磨きサボりが引き起こす病気~全身編~
何故、虫歯菌が脳や心臓の病に発展するのかというと、虫歯菌に侵される歯は歯茎や骨、周囲の血管などにつながっているためです。
歯磨きをサボった結果、全身に起こる病気として次のものが挙げられます。
- 脳や心臓など重要な器官付近の血栓
- 体内の血管や脳の炎症
- 食道がんや子宮頸がん
たとえば虫歯菌の一つ、ミュータンス菌はとても小さく、血管の中へ入ってしまえば自由に体内を移動できてしまいます。ミュータンス菌が血管を通るとあちらこちらにダメージを与え、炎症を引き起こします。
多少の炎症であれば体の自己治癒がはたらき癒してくれますが、体中で炎症が発生すれば治癒も間に合わず、炎症部分が膨れ上がって血栓となり、血管が詰まる事態に。最悪の場合は、脳にまで炎症が見つかるようになります。
血栓ができると心臓も心筋梗塞などのリスクが高まりますし、腕や足につながる重要な血管に血栓が生まれると壊死の可能性も出てくるでしょう。
ミュータンス菌の他にも口内には歯磨きしないことで生まれる細菌がたくさんあります。アセトアルデヒドという細菌もその一つ。発がん性物質として知られている細菌です。
歯磨きをサボったことでアセトアルデヒドが生まれ、知らぬうちに唾液などと一緒に飲み込んだとします。食道に移動したアセトアルデヒドは食道でがん化を促し、食道がんのリスクを上げます。
子宮頸がんの元となるヒトパピローマウィルスは人と粘膜接触した際に移りますが、歯磨きをしていない口内は歯茎なども弱っていることが多く、その歯茎の隙間から感染すると言われています。
米国の2011年から2012年にかけての研究では、ヒトパピローマウィルス感染者の多くが歯磨きなどをきちんと行っていなかったという結果が出ています。他にも歯磨きが少ない人はきちんと行っている人より血行が悪い、というケースも多いです。
歯磨きは口内マッサージの役目も担っているため、それをサボるのは口内の血行ケアもサボるということ。どんなにサプリや体力づくりのスポーツを意識した生活を送っていても、口内ケアを怠ってしまっては本当の健康的な生活とは言えないのです。
毎日の歯磨きで病気予防!美白にもつながるケア
歯磨きは汚れを落とし、見た目や口臭の悩み対策となるだけではありません。虫歯をはじめとした口内のあらゆるトラブル、全身の病気の予防としても重要です。
近年では単純な洗浄作用だけではなく、口臭予防や粘つき対策、歯槽膿漏の予防に特化した歯磨き粉も出ています。既に何らかの悩みを抱えている人は、こういった歯磨き粉で今からきちんと対策をしてみてはいかがでしょうか。
<歯周病予防成分入り歯磨き>
<口臭予防の成分入り歯磨き>
こういった通販できる歯磨き粉の他、歯医者さんや薬局で購入できるアイテムの中にも似た機能付きのものがあります。自分の悩みに合った機能付きの歯磨き粉を見つけて、毎日きちんと歯磨きしましょう。
歯磨きで歯茎から血がでる人は、柔らか目の歯ブラシを使ったりブラシを持つ手に加わる力を意識して弱めてみたり、工夫してみてください。正しい歯磨きを繰り返せば、歯茎も傷付かなくなります。丈夫な歯茎は細菌の侵入を防いでくれるので、根気よく正しい歯磨きで歯茎ケアも行ってください。
ただし、あくまで予防なので、虫歯など明確な異常がある場合は、早めに病院へ行きましょう。口内以外の場所に痛みや違和感が出ている時はすでに細菌が体にダメージを与えている可能性があります。歯科以外の科も受診することをおすすめします。
口内の健康と一緒に、全身の健康も守りましょう!