ハローワークとは厚生労働省設置法第23条に基づいて設置される公共職業安定所のことです。

国民に安定した雇用機会を確保することを目的にして、厚生労働省が設置する行政機関です。

職安とも言われ、愛称がワローワーク(1990年から)です。

ハローワークは、職業安定法により、求職者からの手数料、紹介料を徴収することは禁じられています。民間有料職業紹介事業者(所謂転職エージェント)は手数料、紹介料が必要ですが、ハローワークは無料です。




ハローワークの主な業務

事業主に対しては、

  • 人材の紹介、求人申し込み、応募者紹介、雇用保険の適用(雇用保険被保険者資格の取得及び喪失手続き)
  • 助成金、給付金の支給 雇用調整を行わざるを得ない事業主向け助成金や人を雇用する事業主向けの助成金など非常に多くの助成制度があります(詳細後述)。

求職者に対しては、

  • 求職申込、職業相談、職業紹介
  • 雇用保険手続(失業給付、就職促進給付、教育訓練給付、高齢者雇用継続、育児休業など)
  • その他、就職、仕事に関する情報提供

企業がハローワークで従業員募集する方法(求人申し込み手続き)

ハローワークで従業員を募集する方法。流れに沿って説明します。

①所轄のハローワークに行き、求人の申込を申し出ます。

②初めての場合は、事業所登録が必要です。事業者登録シートに求職者に関する重要な情報を記入します。

事業所名、代表者名、住所、社会保険、育児休暇制度などの使用状況、資本金、連絡先、メールアドレス、などを記入して、事業内容を記入します。

事業内容は、事業の種類、取扱商品、ブランド名、店舗数、最近の業績、事業展開の状況などを詳しく記入します。会社の特徴欄には会社の経営方針、社風、スポーツ、文化支援、ボランティア活動など会社のアピールポイントを記入します。

③登録受付が完了すると事業所確認票が渡されます。

④求人申込書に求人の条件等を記入して提出します。インターネット上にも掲載されます。

求人申込書は、フルタイムかパートか、職種、仕事の内容(詳しく)、雇用形態、雇用期間、就業時間、休日、年間休日数、昇給賞与実績、賃金、試用期間などを記入します。

⑤求人票を受け取ります。有効期間があり、原則として受理した日の翌々月末日までです。

⑥ハローワークでは求人の求人情報提供端末で公開します。掲示板にも展示し、情報誌に記載します。

⑦応募者の企業への紹介:ハローワークから事業者に連絡があり、面接日等を調節して紹介する。応募者に紹介状を渡す。

⑧事業者は応募者と面接します。応募者の紹介状を受け取って面接を実行します。

⑨採否決定はすみやかに行い応募者に連絡します。同時に紹介状裏面の選考結果通知をハローワークにFAXします。

以上のような流れでハローワークで人材の募集ができるようになります。

企業がハローワークを使うメリット、デメリット

若い人からお役所的でダサイとか中高年者向けとか言われ、敬遠される傾向にありますが、地方都市のハローワークはその地区の求職求人の重要な拠点です。

事業者がハローワークを使用するメリットの最大のものは、手続きの費用が無料であること、採用にかかるコストが0であることです。

企業が転職エージェントを使って採用すれば、求職者の年収の20%から30%くらいを報酬として支払わなければなりません。

従って当然のことですが、企業の応募者に対する求人条件も厳しくなります。

一方、ハローワークなら採用条件が低くなり、採用し易くなります。一般に中小企業が多く、特に地域の中小企業が多いです。勿論大企業の求人もあります。

デメリットは、ハローワーク経由の求職者の質が低い傾向にあることです。また面接日が決まっていても黙って欠席する人が多いです。従って企業側にとってもあまり良い印象ではないわけです。

企業が使える助成金と申請方法について

雇用に関する国の助成金は非常にたくさんあり、とても全部は紹介できませんが、特に中小企業の事業主の人はぜひとも積極的に申請したいものです。

ただ手続が煩雑ですので、専門の税理士や社会保険労務士に依頼した方が間違いありません。

雇用調整助成金は最も多く使われていますが、労働者の失業防止のために国が事業主に対して給付する助成金で、景気の悪化や金融危機などで企業収益が下がり、被雇用者を一時的に休業、教育訓練、出向させる場合に助成されます。

詳しくは「雇用調整助成金の申請方法(中小企業におすすめ)」をご覧ください。

また、従業員を新たに雇い入れる場合の助成金は、65歳以上の高齢者を雇い入れる高年齢者雇用開発特別奨励金や安定就業を希望する未経験者を試行的に雇い入れる時のトライアル雇用奨励金などがあります。

他にも、従業員の処遇や職場環境の改善を図る場合の助成金、障害者が働き続けるように支援する助成金、仕事と家庭との両立を取り込む場合の助成金(育児休業や仕事と介護の両立)、従業員の職業能力の向上を図るための助成金、キャリア形成促進助成金など、があります。

ハローワーク以外の人材募集方法については以下をご参考に。
中小企業の従業員の募集方法 ~ハローワークだけでは集まらない~