一般的な中小企業の従業員募集方法は

  • 自社のホームページ
  • 紙媒体による求人広告(新聞、雑誌)
  • ハローワーク
  • 人材紹介会社
  • ネットの転職サイト
  • 転職フェアー、会社説明会、合同説明会、

などがあります。それぞれにメリット、デメリットがあり、企業側は自社の都合に合わせて、これらの中から単独又は複数を併用しながら採用していくことになります。

重要な人員計画

通常、大、中小企業に関係なく、どこの会社でも経営計画があり、その中に適正な人員配置に関わる人員計画があります。短期、長期の経営、販売、生産戦略にとって人材をどのように配置するか、又どんな人材を採用しなければならないかを具体的に明らかにしたものです。

企業の従業員募集のアクションはまずは人員計画から始まります。

長期計画では、定年退職者の数は予め分かっていますから、人員補充の数は表にしておくことが可能です。また売上高の増加により、必要とする新規採用者数(新卒、中途採用者)も計画として数値化が可能です。

こうした長期計画の中の人員採用計画は企業の採用担当課にとってはいくつかの従業員募集方法を駆逐して行うことができ、計画的な採用が可能です。但し中小企業は人材紹介会社の使用率は大企業と比べて極端に少ない傾向にあります。

人員の短期計画では、長期計画の部分修正や、売上高の景気や季節変動などにより採用人員数は常に変わってきます。急激な企業業績の悪化は採用どころか、希望退職者の募集をしなくてはならない場合があります。売上高が計画と大きく異なり増加している場合は、人員不足を訴える部署が当然出てきます。

こうした短期決戦となる人員採用は、なるべく早く必要なスキルを持った人を採用して補充しなくてはなりません。緊急の従業員募集であっても上記の募集方法は有効です。

企業としては、会社の業容変動に対して、いつでも即対応できるように、採用方法、ルートの確立が必要です。求人関係媒体と日頃からの情報交換が前提となります。

人材紹介会社の使い方

中小企業では中途採用が中心となります。

採用効率のよい方法は人材紹介会社を使う方法ですが、人材紹介会社経由の転職者は実は全体の3.4%に過ぎないようです。

大手、中小と多くの人材紹介会社がありますが、転職者全体からすればわずかな人数です。正に少数精鋭主義に特化されています。

一方ハローワーク経由の転職者は全体の34.6%にもなり、根強い就職機関として定着しています。

人材紹介会社は別名人材バンクと呼ばれ、厚生労働省の許可を得て、職業を紹介する民間の職業紹介業の1つです。

企業が人材紹介会社を使用するには、多くの人材紹介会社から自社にふさわしい会社を選んで申し込み登録をするだけです。

登録費用は不要ですが、採用を決定すると紹介手数料として、採用者の年収の30%から35%が必要です。

人材紹介会社の役割は、その会社に登録された多くの求職者の中から、企業側の採用条件に合った人材を選択し、企業側に紹介することです。この時、人材紹介会社は求職者とスキル、希望する年収や待遇などを打ち合わせて、その人材情報を求人側の企業に伝えます。

企業側では人材紹介会社から推薦された求職者と面接などを独自に行い、自社の採用基準に適合しておれば採用決定となります。

最終的に採用とならない場合は企業側も費用は発生しません。

人材紹介会社を使うメリット・デメリット

メリット

  • 多くの求職者の中から企業側の採用基準に合う人物を選択してくれる。
  • 人材紹介会社への登録、依頼は無料。
  • 企業側の採用条件、スキル、キャリア、待遇など総合的に判断して適切な人材を紹介してくれる。
  • 応募書類などの提出書類の書き方、作り方が適切に指導されているため、信頼できる。
  • 求職者の年収、賃金、待遇などの交渉が応募者ではなく人材紹介会社とできる。

デメリット

  • 費用が高く、中小企業にとっては大きな負担となる。
  • 明らかに一般応募者とスキルに差がない場合もある。この場合はハローワークなどの一般応募者を優先した方がよい。

大手人材紹介会社

大手の人材紹介会社は求人登録件数も数万件にも及び、あらゆる職域に対応できるよう、デパート式に広く紹介できる機能を持っています。

例えば、パソナ、マイナビ、ワークポート、タイプ、アデコ、マンパワー、キャリアプランニングなどです。他にも多数あります。

中小人材紹介会社

ある特定の地域や専門職に特化している場合が多いです。

例えば、

  • 銀行、金融関連に強い会社(トーエイオフリール)
  • 物流業界、外資系に強い会社(商船三井キャリアサポート)
  • 食品業界、健康食品関連に強い会社(RDサポート)
  • 東海地区に特化した会社(キャリアデザイン・コム)
  • 経理、会計系に強い会社(大原キャリアスタッフ)
  • 大手機械メーカーに強い会社(ジェイエイシーリクリートメント)

など他多数。

まとめ

人材採用には多くの費用がかかります。特に人材紹介会社に依頼して人材募集する場合はかなりの高額費用となりますから、採用者には必然的に厳しい目が向けられます。

期待に背いて1,2年で離職されたら企業にとったら割に合わない採用となります。従って紹介する人材紹介会社はもちろんの事、採用する企業側も、応募書類や面接も非常に慎重にまた厳しく対応せざるお得ません。

特に中小企業が人材紹介会社を使用する時は、入社してからの採用条件などミスマッチが起きないようにしなくてはなりません。

中小企業の従業員の募集方法 ~ハローワークだけでは集まらない~