老人施設の看護師不足について【給料の格差問題】

「将来どんな部署で働こうか?」

「どんな施設で働こうか?」

「今は総合病院で働いているけどいつかは企業で働けるように保健師の資格も取得したい」

たくさんの希望や夢をお持ちだと思います。

私も人材派遣会社を通じてたくさんの医療機関や老人介護施設に派遣看護師として働いていた時期がありました。

やはり派遣看護師を雇わなければ業務が回らないんだなというほどまだまだ看護師の不足は続いています。一部の大学病院や大きく有名な病院などは黙っていても人は集まってきますがそのほかのところはホームページなどを見るといつも求人が出ているところが多いですね。

しかし、そのなかで深刻な看護師不足を感じたのは老人施設でした。

老人施設の看護師としての業務内容

派遣看護師として老人施設に赴いたときのことをお話しさせていただきます。

一番多かったのがデイサービスの仕事です。デイサービスは昼間だけ利用者の方をお預かりして夕方には自宅に送り届けるというものです。送迎も完璧で車椅子でも乗り降りできる車で自宅まできてくれます。

来所したら荷物を預かり、うがいや手洗いをして席があらかじめ決められており看護師は落ち着いたところを見計らってバイタルサインや会話をしながら異常がないかを観察します。

異常がなかったら入浴もできるところもあるので入浴の許可を出します。内服薬持参する方もいるのでそのチェックもします。なかにはインシュリンを注射しているかたもいるので、その介助をしたり吸引処置の方もいるので痰の吸引をしたり胃瘻や経鼻胃管の方は栄養剤を注入など病院と変わらない処置をすることもあります。転倒などのけがにも注意しなければなりませんよ。

その他は見守りしたり内服の投与、食事の介助をしたりします。突発的な出来事にも対処しなければなりません。救急搬送しなければならないのかどうなのか?という判断が迫られます。

次に老人介護施設ですが入居されている方々にとってはそこが家となるわけですから看護師は健康面のサポートと日常生活の援助が主な業務になります。食事の介助、入浴の介助、更衣の介助、口腔ケアの介助、投薬の介助、排泄の介助、トランスの介助など多技にわたります。バイタルサインの測定も大切な仕事です。

施設によって違いはありますが概ねこんな感じだと思います。勤務時間などは夜勤がないので日勤業務がほとんどです。施設の種類によっては看護師が夜間常駐したり何かあった場合は師の指示のもと医療行為をするところがあります。

慢性的な疾患を抱えている方がほとんどなので定期的な医療機関の受診をしなければならないことが多くその付き添いもしなければならないことも多いです。高齢の方がほとんどなのでいつ何があってもおかしくはありません。

突然の呼吸苦、胸痛、意識障害、転倒による頭部打撲や骨折の疑いで緊急受診や救急搬送を余儀なくされます。その判断や応急処置、家族への連絡などこれも看護師の仕事になります。

老人施設での看護師の役割については老人福祉施設における看護師と介護士の役割・業務の違いでも詳しく書いていますので参考にしてください。

なぜここでも看護師が不足しているのか?給料の安さ

派遣看護師としての経験上は決して業務がつまらない、暇すぎるということはありませんでした。夜勤がないところがほとんどなので給料が安いということが原因になっていると感じます。

基本給を参考にしていただくと、

看護師経験十年での基本給¥336000

有料老人施設の施設長に常勤になった場合の基本給は¥220000

具体的な数値を表示すればお分かりだと思います。かなりの違いがあります(これはあくまでも首都圏で色々な違いがあると思うので参考程度にとどめてください)。

これから日本は高齢化がどんどん進んでいくでしょう。老人看護に携わる看護師のニーズはますます高まっていくでしょう。現場で働く方々の苦労が報われるような体制になれば老人施設での看護師不足は解消されると思います。老人看護もやりがいのある仕事だと肌で直接感じました。

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