こんにちは、管理人のyukiです。実は先日から親知らずの抜歯を行っています。抜く歯は2本だけなのですが、1本抜くだけでもかなり大変で、時間もかかります。

今回は、私の実体験をもとに、ホワイトニング前に親知らずを抜いておくべき理由についてご紹介します。逆に親知らずを放置しておくとどんな影響があるのか不安な方も、ぜひこちらを参考にしてみてください。

親知らずが歯に与える悪影響とその原因

まず、何故ホワイトニングと親知らずが関係しているのかについて説明します。ホワイトニングを検討している方は、つまり「口元の見た目」を気にされていますね?

真っ白な歯できれいな笑顔を作りたい。第一印象を良くしたい。理由はそれぞれですが、歯を白くしたいと考えている人は、他人が自分の口元を見てどう思うかをある程度気にされているということです。

親知らずが引き起こす影響として挙げられるものの多くが、実はこういった人が気にかける『口元の見た目』や美しさを乱してしまいます。

<親知らずが原因で起こること>

  • 虫歯になりやすくなる
  • 口臭が出やすくなる
  • 歯並びが悪くなる
  • 歯ぐきの炎症が起こりやすい
  • 歯周病リスクが高まる

何故このような影響が出るのか、私の実体験とともに順に解説していきます。

虫歯になりやすくなる

まず第一に注意したいのが、虫歯のリスクを上げる点です。親知らずがまっすぐ生えてくることは稀で、ほとんどの場合が斜めや真横に生えてきます。そのため、隣り合った歯(本来の奥歯)にもたれかかるように生えたり、横から押すように生えます。

もたれかかるように生えている親知らずの根元と、隣りの奥歯の根元の間には、わずかなすき間ができます。ここはとても歯ブラシが届きにくい場所。上から磨こうとすれば親知らずがすき間を塞いでいて、ブラシが届きません。根元のすき間には食べかすが詰まり放題です。

横向きに生えている場合も同じ。このような状態を放置しておけば、食べかすについた細菌が繁殖して虫歯になってしまいます。

口臭が出やすくなる

二つ目の口臭も、このような事情から起こりやすくなっています。また、親知らずの周りに細菌が繁殖すると歯ぐきが炎症し、歯と歯ぐきの間に溝ができるのですが、そこに食べかすや細菌がさらに入りやすくなる危険があります。

中途半端に頭の一部だけが歯ぐきから出ている親知らずもあります。この場合も歯と歯ぐきの間に溝があり、口臭の元となる食べかすや細菌がすっぽり収まるスペースとなっているかもしれません。

私もいつの間にか歯ぐきの中に潜っていた親知らずが頭を出し、歯と歯ぐきの間に溝を作っていました。歯磨きのたびに意識してブラシをあてていますが、奥歯のさらに奥なので、満足にケアできた実感はありませんでした。

歯並びが悪くなる

実は、親知らずは少しずつ動いていることをご存知でしょうか。数年前は完璧に歯ぐきの中に埋まっていたはずの親知らずでも、いつの間にか頭を出して、歯と歯ぐきの間に溝を作っていることは珍しくないのです。

私の場合も、数年前のレントゲンでは埋まっている親知らずでした。当時は「歯ぐきの中に完全に埋まっているから、無理に抜かなくても良い」と言われていたものだったのです。それが、5年ほど経った今、わずかに頭を出しています。

もしこの記事を読んでいて「私の親知らずは歯ぐきの中に埋まっていたから、抜く必要はない」と思っている方がいたら、それは何年前の診察結果だったか、よく思い出してみてください。

そして、奥歯のさらに奥を、舌やつまようじで探ってみてください。人によっては、数年前に埋まっていた歯ぐきから、頭だけ出している親知らずに気付くかもしれません。ちいさな溝の中に硬いものがあったら、親知らずを疑ってみましょう。

親知らずが少しずつ動く現象は、言い換えるならば親知らずが植物の芽のように土(歯ぐき)を押しのけて地表(歯ぐきの上)へ顔を出した状態でもあります。その押しのけられた歯ぐきには、隣り合う奥歯や他の健康な歯も生えています。

親知らずが動けば動くほど、これらの歯は親知らずに押されるため、いつの間にか歯並びにまで影響が出てしまいます。私も昔は「矯正してなくてもそこそこ歯並びが悪くない」のが唯一の自慢だったのですが、いつの間にかガタガタに。

そう、親知らずは虫歯や口臭の原因となるだけではなく、放置すればするほど歯並びの悪化も招くのです。

歯ぐきの炎症が起こりやすい・歯周病リスクが高まる

他にも食べかすや細菌の繁殖により、歯ぐきが炎症しやすく、それにより歯周病になりやすいリスクを持っています。親知らずを放置するだけで、こんなにも口内環境を乱してしまいます。

歯科医院でホワイトニングを受けられる人や、個人輸入で手にはいる外国製のセルフキットを使用できる人は、その条件として口内トラブルを抱えていないことが必須です。

とくに虫歯や歯ぐきの炎症、歯周病はホワイトニングの大敵です。シールタイプや自分でジェルを塗りつけるタイプのものであれば、親知らずによってガタガタにされた前歯は貼ったり塗ったりが難しくなります。

ホワイトニングに親知らずは関係ないと思っている方は、虫歯や歯周病などを抱えていないか、もう一度確認してみてください。

また、歯並びや虫歯、口臭などは歯の黄ばみに負けないほど人からの印象を左右します。せっかく歯を白くしても、歯並びがガタガタだったり、虫歯の黒ずみが目立ったり、口臭があっては台無しです。それらを避けるためにも、親知らずの処置も検討されることをおすすめします。

親知らずはいつ抜くべき?~若いほど負担が少ない~

親知らずは、早めに抜くことをおすすめします。昔の私のように歯ぐきの中に埋まっている場合は「抜かなくて良いよ」と歯科医院で言われる可能性が高いのですが、少しでも頭が出ているのであれば、抜くことを考えてみてください。

少しでも頭が出ていれば歯ぐきの炎症は起こりやすくなりますし、食べかすや細菌が入り込む溝もできます。何より、早めであればあるほど、親知らずは抜きやすい状態。安く済んだり、処置が早く終わります。

バラしてしまうと、実は私、現在30歳。以前親知らずを抜いた時は大学生の時だったのですが、今回はとにかく大掛かりで、痛みもすごかったです。

麻酔を広範囲に注入して、歯ぐきをメスで切開し、口腔外科の医師が格闘すること45分。顔面に血は飛び散るし、麻酔が効いていないところにまで衝撃が走って痛い。しかも終わったら唇の端が裂けていました。

大学生の時は口腔外科ではなく、近所の歯科医院で20分もかからない処置でした。もちろん親知らずなので、どちらも奥歯のさらに奥。しかも頭が出ている状態で斜めに生えている点も同じでした。

にもかかわらず、今回は大きな病院の口腔外科を紹介され、痛みと戦いながらの抜歯となりました。それは生え方や深さはもちろん、何より年齢も関係していたのです。

年齢が上がるほど歯と顎の骨はしっかりと固定されていきます。20代の頃はちょっと頑張れば抜けるくらいだった歯の根元も、30代になればしっかりと骨にくっついてしまいます。骨と歯を無理やりはがす作業に時間と腕力が必要になります。

また、後処理も大変です。傷の治癒力も20代をピークに劣ってしまうため、傷がふさがるのに時間もかかります。よって親知らずを抜く最適な時期は、次のような条件が揃っている時がおすすめです。

<親知らずを抜くべきタイミング>

  • 親知らずの頭が一部でも歯ぐきから出ている
  • できるだけ若いうちに(10代~20代)
  • 長期の休みがとれる時に
  • 体力がある時に

実体験も含め、もっとも親知らずを抜きやすい時期はこのような状態の時でした。つまり大学生や専門学校生、夏休みなどです。社会人になると歯科医院や口腔外科の予約を入れるのも一苦労ですし、抜いた後も消毒や抜糸のために仕事を休んで通院しなくてはなりません。

まだ休みやすく、体力的にも治癒の速度が速い学生のうちに抜いておくことがベストです。社会人になってからでも大丈夫と思っている方は、せめて有給を利用するなど、長期の休みが取れるタイミングを選びましょう。

ただし、長期休暇の時期は患者数が増えるため、予約がとりにくくなるリスクがあります。また、お盆やゴールデンウィークなどは歯科医院自体がお休みとなっていることもあります。

親知らずを抜くと起こるトラブルについて~顔の変形など~

逆に、親知らずを抜いたことでトラブルが起こる場合がある、といううわさもあります。たとえば、親知らずを抜いたことで顔が変形するというものです。

実はこれは半分嘘で、半分本当です。その理由は、親知らずを抜いた後の生活に関係しています。

親知らずを抜いた後、しばらくは片方の顎で食べ物を噛むことになります。この時にクセができてしまい、親知らず抜歯後の穴がふさがってからも逆の顎でばかり食べ続けていると、やがて顔が変形してきます。

使い続けた方の顎や頬を覆う筋肉ばかりが発達して、抜歯した方の使わない方の筋肉は衰えてしまうためです。抜歯した後の状態が落ち着いたあとは、左右の顎でバランスよく噛むようにすれば、このようなトラブルは避けられます。

また、抜歯から1週間前後は腫れで片方がふくれて見えることがあります。その場合は顔の変形ではなく歯ぐきや頬の腫れによるものなので、傷が癒えるにつれて元に戻っていきます。

親知らずを抜いた後は、治癒後も片方の顎ばかりで食べ物を噛まないようにするだけで、顔の変形は予防できます。ちなみにこれが親知らずではなく通常の奥歯だった場合は噛み合せがズレるために顔の変形が起こります。

あくまで噛み合せの関係がない親知らずに限った話なので、奥歯を抜歯した人は顔の変形が心配であれば担当歯科医に相談しましょう。

他にも親知らずを抜いたことで頬にあざができる場合があります。これは傷の内出血によるもので、やがて治癒していきます。予防するには内出血の範囲が大きくならないよう、抜歯後は血行が良くなる行為を避けること。

たとえば飲酒やスポーツなどは、血行が良くなり出血量も増えます。お風呂もシャワーのみにし、傷の状態が落ち着くまでは湯船につからないようにしましょう。これだけで多少は内出血の範囲を抑えられ、顔の表面に現れることもありません。

他にも親知らずの抜歯で起こるトラブルがあります。別の記事で親知らずを抜く際の注意点とともに紹介していますので、そちらも参考にしてみてください。→→『親知らずを抜く際に余計な痛みや唇が裂けるのを予防する方法』

ホワイトニングは親知らずを抜いてから行うべき

親知らずを残しておくと、虫歯になりやすいだけではなく、口臭や歯並びといったその人の第一印象を左右する影響も起こします。少しでも歯ぐきから頭が出ていると、そこから何度も腫れたり炎症を起こしたりして、終いには歯周病に発展することも。

ホワイトニングを検討されている人は、口元の印象を良くしたいと考えている人ではないでしょうか。せっかくホワイトニングを成功させても、親知らずを放置したままでは、口臭や歯並びなどで第一印象がマイナスになるかもしれません。

歯周病や炎症などのリスクを考えると、親知らずはホワイトニングを行う前に抜いてしまうことをおすすめします。
ホワイトニングは複数回にかけて行う必要があり、また白さを維持するために定期的に施術を受けなくてはなりません。そのため、親知らずが不具合を起こした場合は、治療中はホワイトニングを中断する必要が出てきます。

いつか必ず抜くことになる親知らずのために、せっかく始めたホワイトニングを中断するのはもったいないことです。中断のリスクを避けるには、ホワイトニングを始める前に親知らずを抜いておくのが確実です。

親知らずは一般歯科や口腔外科を診療項目に掲げている歯科医院で抜いてもらえます。ホワイトニングや矯正専門の審美歯科では抜いてもらえないことが多いので、先に一般歯科や口腔外科へ行きましょう。

近所にある歯科医院が一般歯科か審美歯科かいまいち分からない、あるいは、やっかいな親知らずなので口腔外科でしか抜いてもらえそうにない、という場合。歯科医院のホームページで確認してみましょう。

他にも、歯科医院の口コミサイトも参考になります。診療項目や診療時間も書かれているので、予約もしやすいです。たとえば、こちらの口コミサイトは診療項目(ホワイトニングや矯正など)別で歯科医院を検索できます。


>>『口コミ歯科・歯医者

こういったサイトを活用して、ご近所で親知らずを抜いてくれる歯科医院を探してみましょう。近年は親知らずを利用した別の治療法なども開発されていますが、多くの人にとって親知らずは不要なものです。口元の印象アップのためにも、早めに抜歯を検討してみてください。