会計セミナー、人事セミナーの講師を外部から依頼するにはどうすればいいか?

世の中の景気も前よりは良くなり、大企業だけでなく中小企業もそれを実感できる環境になってき
た、と少しは感じるのではないかと思います。

いつの時代でもそうですが、企業に経済的な余裕てくると、企業内セミナーが大流行となります。

普段なかなか社員の付加価値や業務スキルの向上を目指すイベントは開催が難しかったのですが、少しでも余裕がありますと一斉に社員のスキルアップや、企業目標の共有、会社全体の団結を狙って、役員を含めた集団セミナーの開催が花盛りとなるわけです。

企業内セミナーを成功させるためには、当然、セミナー開催の目的、目標が明確でなければなりません。販売に特化したセミナーでは、具体的な販売目標額を提示して、その数字を達成するための手順を共有するセミナーもあります。

また一方、セミナーテーマを提示して、その道の専門家あるいは有名人にセミナーそのものを丸投げしているところもあるようです。

いずれにしても、第一にセミナーの目的、目標は十分の議論を経て明確化しておくことは最も重要なことです。

企業内セミナーの開催

企業内セミナーの開催を担当する部署は、企業規模と人材開発に力点の置き方により種々様々です。普通は総部部、人事部、労務部の範疇ですが、教育に特化した教育課、人材活躍推進課、人事戦略室などの名称がつけられた部署で担当されます。

中小企業なら人事部や総務部で教育担当者を置いて進めていくことになります。

セミナーの講師は、テーマによっては社内から選抜する場合も多く、外部から招へいする場合は、色々なルートがあります。

どこの会社でも、その道に長けたプロ中のプロが必ずいます。より専門的なセミナーであれば、こうした匠を講師に選抜してセミナーを開催するのも有効です。

但し、セミナーの進め方に技法を使う場合があります。非常に多くの技法がありますが、比較的よく使われているのは、ロールプレーイング、ディベート、ディスカッション、OJT、off-JT、PDCAプログラム、e-ラーニングなどでしょう。

いずれも専門的な知識が必要で、講師またはインストラクターの指導により進めていくことになります。社内から選抜された講師と技法の専門家のコラボでセミナーを進めて行く場合もありますが、この時は主催者側の司会者による誘導が必要です。

この司会者は目標とする方向にセミナーが進んでいくよう道案内すると同時に誘導していくことが仕事です。

企業がセミナー講師を依頼するためには

企業内セミナーを外部からの講師を招いて行う時は、明らかにしておかなければならないことが色いろあります。

セミナーのテーマは最初に明確にしなければならないことは既に申し上げました。

  1. セミナーの名称、テーマ
  2. セミナーの開催予定日時、場所
  3. 主催者側が狙っているセミナー効果の落としどころ、目標
  4. セミナー参加者の数、職種、経験、男女別、部門
  5. セミナー参加者は募集によって、自由参加、職務命令によって参加しているか
  6. 参加者のモチベーションの高さは
  7. セミナーは質疑応答が多く出ると思われるか、あるいは聞くだけセミナーか
  8. 講師に要求される基本知識、専門知識、具体例紹介、話し方技術、セミナー経験は
  9. セミナーは単独開催か、前後に他のセミナーが入っているか、入っている場合はそのテーマは
  10. 講師料予算は
  11. セミナー開催のための司会者、そしてトラブル処理担当(マイクが調子悪い、スクリーン、プロテクターが上手く作動しない、ネット環境が悪いなど)がいるか
  12. セミナー閉会後の質問回答フォローが必要か
  13. セミナー開催のため、各種機材の準備、調整は誰が行うか(マイク、レーザーポインター、スクリーン、プロテクー、接続端子、インターネット環境、PC(OS,ソフト、バージョンなど)等々
  14. セミナー資料、教材類の制作、配布の担当は

こうした準備に関する項目は、これも1つの企業のノウハウです。担当課内で共有できるようまとめておきましょう。講師にはできるだけ多くの開催情報を渡すようにしてください。

外部から講師を呼ぶ方法

企業内のエキスパートを厳選して講師を依頼する場合もありますが、講師料を払って外部から招聘する場合があります。

現在ではこうした講師派遣の専門のWEBサイトがあり、職種または目的を言えば簡単に選択して紹介してくれます。講師派遣会社をいくつか列挙します。

他にも企業向けに講師派遣を行っている派遣会社は多数あります。

この中では、アタックスグループ、システムブレーンなどが財務、会計、人事、労務などの専門講師を揃えた派遣会社です。派遣会社にセミナーの要件内容を十二分に伝えて、ふさわしい講師を選択してもらってください。

人事、労務、会計、財務などの専門家は公認会計士や税理士、中小企業診断士、あるいは外国の公認会計士やMBAなどを取得した講師が多いと思われます。

また、そして、講師から受講者への一方的な講演方式から、質疑応答を主体にしたり、実習や実技を伴うセミナー、研修会など内容によって講師も専門が色々分かれています。このあたりはセミナー担当者が、よく派遣会社と打ち合わせをしなければなりません。

講師料の相場

講師料は相場があってないに等しいです。講演を主な業務にしている先生方は価格表を作ってオープンにしている人もいますが、大体が要相談となっています。

大雑把ですがまとめてみました。

Speakers.jpでは、10万円から30万円、30万円から60万円、60万円から100万円、100万円以上、と講師をランク付けしています。

ごく普通の会計専門家で10万円から30万円、名の知られた財務専門講師で30万円から60万円でしょう、これ以上は有名人ということになります。この価格の中には派遣会社の手数料が入っています。

一般的には、情報をまとめてみますと、90分から2時間の講演で5万円から10万円のケースがもっとも多いです。

少し有名人というか雑誌などで紹介されたりすると20万円から30万円、テレビにでるような経済財務専門タレントですと50万円から200万円となります。タレントクラスになると、秘書や付き人が一緒についてくる場合があり、これで講演料を大きく押し上げます。要注意です。

但し、この他に、交通費、宿泊費、食費、諸雑費などが別途にかかりますから、必ず、交渉する時は見積書を提出してもらうようにしましょう。口約束の多い業界ですが、トラブルにならないよう、書面による確認は絶対必要です。

まとめ

セミナー(英語)もゼミナール(ドイツ語)ももともと同じ意味ですが、日本ではセミナーは企業などが少人数を対象に特定のテーマについて開催する講演会や発表会、研究会のことを言い、ゼミナールは大学の教授の指導で少人数の学生を対象に特定のテーマについて討論、研究発表する場またはクラスのことを言います。

一般的にセミナー開催の講師又はインストラクターを外部の専門家に依頼する場合が多いようですが、依頼先は、前記の紹介業者以外にも、地元の商工会議所、取引金融機関、人事部所属社員の出身大学、社長の出身大学、ロータリークラブ、経済団体など多くのルートがあります。

テレビや雑誌で見た専門家に担当者が直接、依頼しても何も問題ありません。