先物取引は投資の一つです。先物取引で儲けた所得はどの所得として所得税がかかるのでしょうか?先物取引には店頭取引と取引所取引の2種類があります。先物取引での利益は投機性の強い取引ですが、株式投資でもなく、宝くじや馬券などの一時所得でもありません。先物取引での利益は雑所得となります。それではみていきましょう。

1.先物取引はデリバティブ取引の1つ

先物取引というのは、字のとおり将来の1地点で決済がおこなわれる取引のことです。デリバティブ取引の一つが先物取引となります。デリバティブとは派生したという意味です。枝のように派生したということは、その幹となる部分があるわけです。その幹となる部分が、預貯金、株式、債券、外国為替などです。

これらはもともと金融商品として投資の対象となっていた資産です。株式投資や投資信託はすでに利用されている投資方法です。ですがFX(外国為替証拠金取引)等の先物取引というデリバティブ取引は最近になってその投資が認められた投資方法です。ですからあらかじめ発生している投資方法から新たに投資方法が生み出されたその投資法がFX等となるので、これらは金融派生商品となりデリバティブ取引ということになります。

2.FX取引という先物取引から得た利益は譲渡所得ではなく雑所得

先物取引の一つにFX取引(外国為替証拠金取引)があります。FX取引は為替の変動を利用した投資のことです。株式投資の場合、儲けは譲渡所得になります。ですがFX取引の場合は雑所得になります。また雑所得には総合課税と分離課税があります。そしてFX取引には取引所取引と店頭取引の2つの取引があります。

3.店頭取引とは

店頭取引は相対取引とも言われます。FX会社と直接取引をするということです。FX会社には様々な会社があります。GMOクリック証券、FXトレーディングシステムズ、岡三証券、為替ライフ、インヴァスト証券などです。店頭取引はFX会社が倒産したら元金は返還されないというリスクがありました。

4.取引所取引とは

2005年7月に世界で初めて取引所取引での為替の取引所取引、FX取引が始められました。東京金融証券所取引所によって公設されたくりっく365です。くりっく365では投資家からFX会社が預かった証拠金は取引所に全額預託されます。もしFX会社が破綻しても証拠金はすべて投資家に返還されることになっているのが特徴です。また実質的な手数料である買値と売値の差額であるスプレッドも安いのが特徴です。

5.FX取引で得た利益は雑所得

株式投資では利益は譲渡所得になります。ですが、先物取引では対象となる資産がないので雑所得になり申告分離課税となります。国税15.315%、地方税5%の20.315%となります。

6.FX取引で損失が出た場合

FX取引は雑所得の先物取引に係る雑所得等の金額で申告分離課税されますので、発生年度に利益を上回る損失が出てしまった場合は、他に先物取引を行っており利益が出ていた場合、その利益とのみ損益通算ができます。また、翌年以後3年間、毎年の先物取引による利益がでていた年度のその利益とだけ損失の繰越控除ができます。

総合課税では損失が出ると、総所得金額と損益通算ができましたがFX取引では先物取引に係る雑所得等の金額という所得以外の所得とは、損益通算も繰越控除もできないということになります。

<国税庁>http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1522.htm
<やさしいデリバティブ>http://www.shiruporuto.jp/finance/kinyu/deriv/deriv104.html