銀行の融資担当者はまず人物を見る!

法人企業が銀行に融資を依頼した時、銀行の融資担当者はどこを見て融資の可否を判断するのか?

普段から取引実績のある銀行に初めて融資を依頼する場合と、借入実績があって、再度の融資依頼をする場合では、融資担当者の見るところが異なります。

また、取引実績がない初めての銀行に融資を依頼する場合もあります。この場合の銀行の審査は非常に厳しいものがあります。

銀行が求める基本的なポイントは2つ。

1つは、何に使う資金ですか?つまり資金使途。

もう1つは、返済の財源は何ですか?きちんと返してもらえるか、つまり資金計画です。

銀行がお金を貸すときに、この2つのポイントが客観的に信頼性の高い内容になっているかを、色々な資料や調査データに基づいて肉付けしていき、多くの審査段階を経て融資が実行されます。

融資担当者が融資に関し、最初に見るところは、融資依頼に訪れた企業の代表者の人物そのものです。

代表者の人となり(その人に備わっている性質や品位、人柄など)や事業運営に関しての情熱です。人物を見て、融資の話を進めていくかどうか、まず判断されます。

自慢話や夢物語は100%NGですが、信頼に足りる事業目的や運営手法は内容が充実しておれば説得力があります。

この社長、1,000万円の融資依頼に来ているが、どうも今一つ信用できない、と思われたら、具体的な話に入る前に断られます。

少なくとも他人様の資金を借りる行為は、借りる人に信用力と事業運営に関して熱い情熱がなければなりません。銀行の融資担当者はまずは、企業の代表者の人物を見るのです。

あなたは決算書を熟知していますか?

融資依頼のツールとして、決算書は必須です。銀行にとって初めての融資先となる場合は、その企業のことは何も分っていないため、融資が適当であるかどうかを判断するための資料は多いほど良いのです。その中で最も重要な資料は決算書です。

融資を依頼しようとしている社長さん、あなたは決算書を熟知していますか?

初めて融資を依頼しようとしているのに、経理担当者を連れて行って、決算書の中身に関して、経理担当者に説明させたら、まず融資は断られるでしょう。

銀行の融資担当者は、融資を依頼したい企業の代表者の方を向いて話をします。融資のための企業実態を経理担当者に説明させてはいけません。

代表者自身が自ら、企業実態ともいうべき、決算書の中身、貸借対照表や損益計算書の数字の意味を説明できなくてはなりません。過去3期分くらいの決算書は最低必要です。

決算書から、その企業の多くの情報が得られます。融資担当者は決算書から得られる情報を下に融資の可否を判断します。

融資担当者が決算書の中身の項目に関し疑義を感じて、代表者に質問したら、適格に答えなくてはなりません。答えられない代表者は確実に心証が悪くなります。

銀行の融資担当者は決算書のどこを見るのか?

一般的には、銀行の融資担当者が重視する決算書の見方は、

①まずは企業の収益性です。本業で利益が確実に出ているかどうか、赤字ですと、融資が厳しくなります。

②債務超過になっていないかどうか。貸借対照表の左の欄にある資産の部から、右の欄にある負債の部を引いてマイナスなら債務超過です。お金を貸しても返済が難しそうだ、と判断され、融資が難しいでしょう。

③資金繰りに無理がないかどうかも決算書から判断します。

④返済能力を見る。決算書から返済能力を判断します。

⑤企業の将来性はどうか。3期分の決算書からと、事業計画書及び銀行が持つ業界調査データなどから予測します。

他にも決算書からは実に様々な企業の実態に関する情報、データが得られます。従って融資を依頼しようとする企業の代表者は決算書の内容を熟知しておくのは至極当然なことです。

まとめ

銀行は一般的に企業に融資がしたいのです。人から預かったお金を企業などに貸して、金利を稼がないと銀行という企業が成り立ちません。

しかし銀行が融資したい企業は優良企業が優先です。赤字の会社には融資したくありません。優良企業は銀行の融資は必要としていません。

赤字の会社は融資がなければ存続できません。銀行の融資担当者の苦難は尋常ではないことがわかります。銀行は長い時間をかけて、特に中小企業などは、育てていく使命も持っています。

融資を実行してもらうためには、融資担当者が持つ審査基準や審査方法、あるいは悩みなども知っておくと有利ではないでしょうか。

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