税理士試験は日本の国家試験制度の中では超難関の部類に入るでしょう。

受験生諸君は当然そのことを自覚しています。

税理士になるには、このように難関の筆記試験を受験して資格を取得する場合と他にも色々方法があります。

  • 高卒で会計等に関する業務を3年以上経験という受験資格を得て税理士試験を受験し合格した人。
  • 高卒で簿記1級を取得又は会計士補を取ってという受験資格を得て税理士試験に合格した人。
  • 大学で会計学又は経済学を履修した人で税理士試験に合格した人。
  • 大学院(一部大学)で税法や会計学を学んで1部試験科目が免除され、残りの試験科目に合格した人。
  • 弁護士、公認会計士の資格のある人。
  • 税務署など国税官公署に23年以上働いて、指定の研修を受けた人。

などです。

税理士の資格を持っている人の中で、国家試験を受験しないで税理士になった人が実は50%ほどいます。いわゆる税務署OBの人達です。

税理士試験は国税庁が行う国家試験です。国税庁管轄の税務署OBが国家試験を経ずに資格を取得できる制度は、国家試験制度の中では特異な存在です。

従って、大卒後税理士試験を経ずに、国家公務員試験に合格して、国税庁の国税官公署、税務署職員になり、23年間税務職員として働けば、研修を経て税理士になれます。

この時、国家公務員試験に合格しなければなりませんから、これが又難関です。

税理士事務所で働きながら資格取得に挑戦すのが一般的

一般的には、大学を出て、税理士事務所に入所して働きながら資格取得をする人が多いです。

税理士試験は、科目合格制をとっていますから、1科目でも合格すれば、その科目は一生有効です。従って1年に1科目ずつ取得することができ、この場合は5年で合格となります。

試験科目は10科目ありますが、その中から5科目に合格すれば晴れて税理士になれます。

但し、試験は超難関です。1科目あたりの合格率は平均12~13%です。この超難関の試験を5回受験することになります。

膨大な勉強量が必要で1科目当たり1,000時間くらい必要という人もいます。毎日の生活のほとんどを受験勉強に費やすことになり、かなりの強い信念がなければ、とても合格には至りません。

普通5年から8年くらいかかって、ようやく合格できた人の割合が多いようです。

受験勉強が大変な試験です。

おまけに、独学はほとんど難しいようですから、大原とかTACといった予備校に通うことになります。

この費用も半端ではありません。5科目全部合格するのに5年も8年もかかるわけですから、予備校費用もばかにならない額となります。

親のスネがいつまでもかじれる人は問題ありませんが、ほとんどの人は、自らの生活費も稼ぎ、予備校費用も捻出しなければなりません。

従って、就職してまずは生活費を稼ぐことからスタートします。将来的に税理士の仕事を目指しているわけですから。就職先も税理士事務所、会計事務所となります。

正規社員として入所するか、契約職員か、あるいはアルバイトか。その人の経済事情により、選択が分かれるところです。

税理士事務所も個人経営のところから、何十人も勤務税理士を抱えているような規模の大きな事務所まで各種あります。どこも税理士事務所の所長が受験生に対して理解があるとは限りません。

受験生は昼間働いて、夜は予備校に通うパターンが多いでしょう。

税理士事務所は受験生に対して必ずしも寛大ではありません。特に税理士事務所は毎年、年末調整の時期や個人、法人の確定申告の時期は、猫の手も借りたいくらい忙しくなります。12月から5月ごろまでが繁忙期と言われています。

こんな時は受験勉強の時間を確保するのが大変難しいです。無理に自分の都合を優先すると、継続して勤務することが難しくなります。受験は毎年8月で1回しかありませんから、1日たりとも怠らず勉強を続けないと難関に通りません。

税理士事務所に勤務しながら受験勉強するには、ここが一番難しいところです。

税理士事務所に勤務しながら、その他の時間は全て勉強時間に当てます。当然睡眠時間も短縮し、日曜日もなく、遊びやデートはとんでもない、ということになります。

これでも合格率は13%台です。挫折して退場する人もまた多い国家試験です。

まとめ

多くの受験生が勤務形態は色々ありますが、税理士事務所で働きながら資格試験に挑戦しています。

税理士事務所で働くメリットは、生活費や受験費用が稼げる。毎年変わる税法の詳細がいち早く分かり、受験に対応できる。受験科目の理解度が深くなり、試験に有利となる。税理士としての心構えが分かる、税理士の仲間や業界の人達と顔ができる。などありますが、反面デメリットもあります。

最も大きな悩みは受験勉強の時間の確保が難しいことでしょう。事務所の人との相性や折り合いが悪く、退職に追い込まれる場合もあります。職場ですから人付き合いもまた、悩みの1つです。

そうした環境の厳しさもある中で、初志貫徹を実行していくことは、人間的な強さを鍛錬することになりますが、かなりの意志力の強さが必要とする世界です。

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