トヨタ国内売上で4兆円をたたきだす大企業です。トヨタはじめ輸出企業は、商品を輸出することで還付金を得ている企業がたくさんあります。トヨタでは2010年から11年にかけて約2,200億円もの還付金を得たと言われています。どうしてこのような巨額な還付金が得れるのでしょうか?消費税は税金なのにどうして儲けられているのでしょうか?

1.消費税のシステムは輸出売上には0%課税

商品を100円で売り上げたとします。消費税率は今は8%(国内消費税6.3%、地方消費税1.7%)になっています。会社は売り上げた商品に消費税をプラスして、消費者から消費税を支払ってもらっています。この消費税は会社のものにはなりません。会社はこの消費税を消費者に代わって納税します。なので仮受消費税とも言われます。

ですが、外国へ商品を売り上げた場合、外国の人たちに国の財源である消費税を支払ってもらうことはできません。消費地課税主義というものが決められており、商品を消費した国内で消費税は支払われると決められているからです。ですから海外で消費されるという商品の輸出は、日本の消費税はかかりません。これを免税といいます。輸出売上は免税売上になります。

2.日本の消費税のシステムは相殺型

会社は売り上げる商品をつくるために、材料を仕入れます。このとき仕入れるという行為は会社側が消費者になるのです。仕入先から100円の材料を仕入れる。このとき、国内で仕入れる場合は消費税がかかります。会社は100円に消費税8円を加算した額を仕入先に支払います。このとき会社は2つの消費税を扱っています。1つめは売り上げた時、消費者から仮受した消費税。もうひとつは会社が商品を仕入れた時に支払った消費税。

3.会社が仕入のとき支払った消費税は還付されるという日本のシステム

会社にとってうれしいことがあります。それは仕入の時に支払った消費税を、売上げのときに消費者から預かった消費税から控除できることです。本来は会社は売り上げた商品に課税されている消費税を消費者から預かり、それを国へ全額納付しないといけません。ですが事業を営んでいる会社は、仕入れた時自分が支払った消費税が還付されるというシステムがあります。その結果、企業は売上げのとき預かった消費税と、仕入の時支払った消費税を相殺し、残額のみを納付するということができます。

4.輸出売上と国内仕入だとどうなるのか?

トヨタのように売上げを国外にした場合、免税売上なので、会社が支払う消費税額は0円となります。そして仕入を国内でするのですから支払った消費税が還付されます。

支払った消費税の還付だから差引0ではないの?そう思うかも知れません。ですが大企業のように力のある企業は仕入先に負けさせたり、売上げる商品に自分達が支払った消費税を上乗せしてここでまず支払った消費税を精算できるのです。この地点で差し引き0です。さらに税務署から支払った消費税として還付を受ける金額が約2200億円ということなのです。一見当然のようにみえますが、実は消費税を負担しているのは弱い立場の下請けや仕入れ先なのです。

5.仕入消費税の還付を受けるという節税

トヨタのような大企業だと金額も巨額になります。ですがある商品を作っている会社の場合はその商品の需要が海外にないかどうかを調べることが節税につながります。そして仕入は国内ですることです。そして円安である今を狙うのもひとつです。今から起業しようと思う人は、海外に需要のある商品を調べてそれを展開していくと消費税の面では節税になります。

いかがでしょうか?日産自動車、ソニー、本田技研工業、マツダ、キャノン、三菱自動車、新日鉄住金、東芝、パナソニックなど大手輸出企業全体では1兆円を超える還付金が支払われているそうです。円安のときは輸出がいいというのは、為替相場からの面だけではく、消費税の面でも輸出するということは節税につながるようです。

http://www.kin-ikyo.or.jp/headquarter/tokusyuu/201201-2syouhizei/syouhizei02.htm