企業の従業員募集は、ハローワークや転職サイト、人材紹介会社など様々な手段で行われています。求職活動をする人は、こうした機関を使用して新たな職を懸命に探しているわけです。

求職者は生活がかかっていますから真剣です。ここに企業側が付け入る余地が出てくるわけです。

ハローワークや求人誌の企業求人情報はほぼどこもフォーマットが決まっており、掲載された情報から、その会社がブラックであるかどうかを見極めることは至難の業です。

現実に多くのブラックと言われる企業が存在していることは事実です。ブラックの可能性が高いと思われる企業を見分ける方法の1つに従業員募集人員があります。企業の規模の割に募集人員が多く、また長期にわたって募集をかけている会社が時々あります。

離職率が高く、職場環境が劣悪と想像されます。そのため常に求人募集を行っている。しかし、多店舗展開の進展が速く、早く沢山の人員を必要としているかもしれません。求職者は要注意マークを付けて、より多くの情報を確保する努力が必要です。

ブラックは確信犯です

ブラックと言われる会社は、超忙しくて残業などがとても多く、自然にブラックと言われるようになった訳ではありません。労働基準法違反であることは重々分かっています。ですから確信犯です。

会社の利益のためには、超過勤務や無理なノルマは当然という企業風土があります。

また従業員を消耗品のように扱う知恵が備わっています。

しかし、そうした法律の網をかいくぐってでも会社を運営していかなければならない理由が経営者側にあるわけです。そうしなければ会社の資金繰りが成立しなくて、当たり前のことをした途端に会社は倒産します。
こうした中小企業は別に珍しいことではありません。

ここまで行かなくても中小企業の多くは大なり小なりブラックの部分があります。それが社会的に許されるかどうかの境界が極めて曖昧です。

政府もこれを問題視してその防止策を各種講じるようになりましたが、その効果はまだ限定的です。

中小企業がブラックと言われないためには

最も重要な対策は会社の代表者の経営方針です。ブラックにならない方法での経営に徹することが明確に述べられていることです。方針だけでなく、社員や非正規社員、パート、臨時職員に至るまで、具体的にその方法論が浸透していなければなりません。

年間の就労日数、1日の労働時間、残業時間、有給休暇など労基法で定められた基準で経営が行われるよう、そのチェック機能も合わせて管理されなければなりません。

厳しいノルマが課せられて、達成できなければ帰れない、などの裁量労働制の悪用はナンセンスです。

中小企業がブラックと言われないためにはホワイト企業になるべきです。

ホワイト企業とはどんな会社か。

  • 従業員の離職率が低い。従業員の待遇や福利厚生が充実し、働きやすい環境となっている。
  •  達成可能な目標値はあるが、ノルマはない。
  • ノー残業デーなどがあり、残業を厳しく管理するシステムが実際に稼働している。
  • 残業手当は当然のことながら、実際の残業時間で支払われる。
  • 給与が同業他社と比べて高い。利益を継続的に上げている会社でなければできないことです。
  • 女性従業員の定着率が高い。この数値はかなり信頼性が高い。
  • 社内制度が充実している。育児休暇、資格取得支援制度、教育実習プログラム、国内海外研修制度、アイディア制度、フレックスタイム、在宅勤務制度、など。
  • 従業員募集広告で時々見かけます。組合あり、給料の基準が細かく明示されている、昇給、ボーナスの前年度と過去3年間の実績が掲載されている。こんな会社はホワイトの可能性が高いと思われる。

まとめ

世の中の中小企業がみなホワイト企業ならば、何も問題は起きません。法スレスレで会社を運営しなければやっていけない会社があまりに多いのが問題です。

たまたまブラックと評判になってしまった会社は社会の制裁を受け、やがて消滅していくでしょう。はたしてそれでいいのでしょうか?

原因はほとんど会社の収益率に関係してきます。利益がなかなか上がらないからブラックまがいの行為に走ってしまうわけです。この解決策はもちろん一筋縄では行きません。企業経営者の経営に関する高い意識の構築によるしかありません。

最も、利益は十分上がっているが、最初から脱法行為を手段として、さらなる利益追求を行っている企業は、断固として法の手が入るべきです。