なぜ金利の高い通貨なのかを理解しておく【スワップが高い理由について】

なぜスワップ金利の高い通貨なのか理由を理解しておく

低金利通貨を売って高金利通貨を買えばスワップポイントがつくというのは確かに間違いありませんが、そもそもこれだけ先進国を中心として各国の中央銀行が金利を下げて金融緩和をしている時期に高い金利を市場に提供している通貨の意味合いというものをよく理解しておく必要があります。

 

低金利通貨を売って高金利通貨を買うという行為は単なるオペレーション上の手法に過ぎませんのでその奥に隠れている高金利通貨実施国の事情というものをよく考える必要があるのです。

 

資金調達のためにやむなく高金利を設定しているのが新興国

通貨が政策金利を高く設定するにはいくつかの理由がありますが、新興国の場合に最も多い理由となっているのが、対外的に資金を呼び寄せるためにあえて金利を高くしているケースです。

 

南アフリカやトルコなどはまさにこのケースであり、南アフリカはまだ鉱物資源が豊富であるため一定の海外からの投資を呼び込むことができますが、トルコの場合には、産油国に隣接はしているものの、石油は一滴も産出されないため、こうした高金利政策で資金を呼び寄せざるを得ない状況が続いているのです。

 

インフレ対策に金利の高い国も

一方、オーストラリアやニュージーランドは過去数年インフレ対策から利上げを行ってきた経緯があります。

 

この場合、新興国と異なり、経済状況に合わせて金利を動かしていくことが考えられ、常に高金利通貨の国にはならないこともあらかじめ想定しておく必要があります。実際にここ1~2年オーストラリアもニュージーランドも積極的に中央銀行が利下げを示唆し、実施する傾向があります。

 

オーストラリアの場合、主力の輸出産品となっている鉄鉱石が直近では高値の5割程度までその価格が落ち込んでいるものの、為替は5~6%しか安くなっていないためより事項通貨安にしたいのが中央銀行の意向であり、今後もさらなる利下げが考えられる状況にあります。

 

また同様にニュージーランドも主要輸出品である乳製品の価格が5割近く落ち込んでいますが、為替は10%程度の落ち込みにとどまっており、こちらもさらなる利下げの可能性が市場でささやかれる状態となっているのです。

 

したがってこうした国の場合、日本がほぼゼロ金利であるから、依然として金利差はスワップ金利としてかろうじて享受することができていますが、今後はスワップ狙いの対象としてはかなり魅力の低い国になることも想定されます。

 

なにより日本の国際金利が上昇するような局面に陥ればほとんどスワップを受け取れない可能性もあり、資源国通貨は高金利通貨と決め付けるのはきわめて危険な状況です。

 

新興国では政治的な混乱から利下げを強要されるケースも

新興国通貨で、本来は政権と独立した運営をはかるべき中央銀行が政権サイドから圧力を受けるといった事例も登場しています。今年6月のトルコの総選挙では、過半数以上の議席数を獲得してさらに強大な権力を握ろうとしたエルドアン大統領が中央銀行に利下げを迫るという異常事態が発生したのは記憶に新しいところです。

 

今回の場合には、結果としてエルドアン政権は単独過半数を確保することができず、中央銀行に対する恫喝も終焉していますが、経済情勢とはまったく関係ない要因で政策金利が下落するといったリスクが新興国には起こりうるということも肝に銘じておくことが必要なようです。

 

このように日々国内のニュースと同じレベルでこうした新興国の状況が掌握できれば、なんとかなるわけですが、日本にいるとトルコや南アのニュースというのはきわめて限定的であり、その政治、経済状況を知るためには欧州をはじめとするメディアや現地報道などをネットで丹念にチェックするといった努力も必要となりそうで、スワップひとつ稼ぐといっても意外に手間のかかる側面があることだけはあらかじめ認識しておきたいところです。

 

スワップ金利が高い通貨代表格はトルコリラ、南アフリカランド

当サイトTOP記事FXのスワップ金利だけで生活するための方法とはでも詳しくまとめていますが、スワップ金利の高い代表格の通貨はトルコリラと南アフリカランドです。

 

トルコリラの価格は現在25円前後で、トルコリラ円(TRY/JPY)のスワップが高いFX会社ヒロセ通商では100円前後の高いスワップが付きます。年間で利回り換算すると11%前後にもなります。

 

また、南アフリカランドは現在8円前後で、南アフリカランド円(ZAR/JPY)のスワップが高いFX会社のSBI FXトレードでは100,000通貨あたり1日約130円のスワップがつきます。年間利回り換算すると6%前後となります。

 

上記の通り、スワップが高い通貨はいずれもリスクはありますので、余剰資金で投資するよう心がけてください。

 

南アフリカランドおすすめ口座⇒SBI FXトレード
トルコリラおすすめ口座⇒ヒロセ通商

 

リスクを抑えて高金利スワップ通貨を投資運用する方法

スワップ金利の高いトルコリラや南アフリカランドは本当に急落リスクが高いです。

 

最近では年に数回、10%〜20%の暴落が起きたりしています。

 

金利が高い分、やはり、リスクは高くなるんですよね。

 

ただ、こういった高金利スワップ通貨をリスクを低く、堅実に投資する方法もあります。

 

それは、レバレッジを低くして、長期的に積立投資をするという方法です。

 

TOPの「FXのスワップ金利だけで生活するための方法とは」でも詳しくまとめていますが1,000通貨ずつ、レバレッジを1倍〜2倍以内に抑えて投資をすれば、暴落してもロスカットされず、スワップを受け取りながら回復を待つことができます。

 

実際の投資法については以下のサイトが参考になります。

 

 

 

各通貨のスワップはTOP記事でまとめていますので参考にしてください。

 

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