皮膚科クリニック看護師の生活

皮膚科クリニックの看護師になるためには

みなさんは皮膚科の看護師についてどのようなイメージをお持ちでしょうか?

 

一般的に皮膚科は地域に根付くクリニック(個人医院)であることが多く、看護師も当然そこでの勤務となります。病院では皮膚科領域となると、やや特殊な形成外科が含まれます。

 

ここでは私が勤務している一般皮膚科クリニックについて、実際の看護師の業務など実体験を交えてご紹介したいと思います。

 

皮膚科クリニックとは

一般皮膚科と、近年良く耳にする美容皮膚科があります。一般皮膚科は主に皮膚疾患の治療にあたる科です。対象患者は小児から高齢者と幅広く、その地域のクリニックとして根付いていることが多く、対象患者は地域の住民が主になります。

 

美容皮膚科は疾患ではありませんが、施術することにより審美を向上させることができる科となります。こちらは一般皮膚科とは違い、自由診療となるため、患者様(お客様)は実費払いとなり、やや接客サービス業の色が強いことが特徴です。

 

今回は美容皮膚科のことも織り交ぜながら一般皮膚科クリニックについての経験を紹介させていただきたいと思います。

 

皮膚科クリニックで看護師として働くには何か資格が必要?

皮膚科看護師として働くには、准看護師、看護師免許以外これといって必要な資格はありません。

 

実際私は一般の内科病棟での経験しかなく、皮膚科疾患については看護学生時代の記憶がうっすらと残っている程度で転職しました。

 

他科のクリニックでは即戦力の観点から経験の有無を問うことがありますが皮膚科にいたっては全く未経験でも大丈夫です。全くの未経験であっても皮膚科に興味があり、勉強したいなという気持ちがあれば問題ありません。

 

皮膚科クリニックの看護師の業務について

私が勤務する一般皮膚科クリニックでは主な業務は医師の診療補助です。

 

しかし医師の診療補助といっても看護師が問診することが多く、私も実際に問診を行っています。

 

業務の流れとしては、三段階であり、まずは受付が簡単な問診表記入をお願いし、次に看護師が医療従事者の観点から問診を行います。

 

例えば「発疹が出た→いつからか?何を基点に発疹が出たか?アレルギーの有無、内服は行っているのか」など、アセスメントを行いながら問診していきます。私の場合まだまだ勉強中の身ではありますが、アセスメントを行いながら看護診断とだいたいの医学診断の予測を行います。その中で電子カルテを記入していきます。皮膚科領域での看護診断はある程度決まっているためそこまで難解に捉える必要はありません。

 

しかし看護師といえど、医療知識がここで必要となってきます。私は皮膚科学の医学書を常に読んでいます。そして問診が終わり、医師の診療に入ってもらうといった流れです。どこの皮膚科クリニックもこのような流れだとは思います。

 

基本は上記のような流れですが、医師の診療後に採血検査のオーダーが医師より入った場合は採血を行います。しかし待合の人数が多いなど比較的忙しい場合は医師がそのまま採血してくれたりと臨機応変に動きます。

 

問診、採血、点滴などの他に看護師は生活指導を行う場合もあります。

 

皮膚科での生活指導は主に、掻痒感に対する対症看護援助が主になります。私が勤務するクリニックでは、事前に3枚ほどの各疾患によって生活上の注意点が書かれた用紙を用意しています。小児患者の場合は母親に説明し、医師の説明で分からない点を親しみやすい雰囲気をつくりだしながら説明していきます。これはどの科でも同じではないでしょうか?ここでは看護師の本領発揮の場面です。

 

また、皮膚科特有ですがアレルギー検査のためのパッチテストも行います。看護師が行う場合が多いため、検査に使用するもの、例えば患者様が普段使用しているシャンプーやボディーソープ、台所用洗剤などの持参をお願いすることは非常に重要な業務となります。この検査をすることによってアレルギーの原因を根本的に探り、今後の治療方針を計画するからです。

 

皮膚科の看護は特殊なこともありますが、そこまで難しい科ではありません。クリニックでは院長である医師がすぐ側にいるため、わからないことはすぐに聞ける環境にあります。

 

皮膚科クリニックの残業は少ない

クリニックというと残業がないように思われることが多いですが、完全予約制の体制をとっているクリニック以外、多少の残業はあります。

 

しかし、残業は多くて一時間ではないでしょうか。

 

実際私も最高40分の残業しかしたことはありません。

 

皮膚科は特にめったに重症な患者様はこられないので、もちろん一人一人の患者様を丁寧に診ますが、ある程度流れ作業なところがなきにしもあらずです。

 

また、忙しいときももちろんあります。十数名の待ちが出ている場合などは、問診は的確にスピーディに行わなければなりませんし、採血も一発で決めなければいけません。緊張感はどの科も同じであると思います。

 

後述しますが病棟勤務とは違い、クリニックには中抜け時間があるためたっぷり休憩をとることができます。そのためメリハリをつけて勤務できるため、わたしにはその働き方が合っており効率よく、かつ丁寧に看護するということが出来ていると思います。無理な残業などは個人医院で、従業員全員の顔が見え、士気に関わるためさせません。

 

また、処置自体は比較的短時間で終了するため、皮膚科クリニックは特に残業が少ない科であるといえます。私が勤務するクリニックは常時看護師二人体制であるため、協力しあって業務をスムーズに行っています。なので残業は少ないですが、一人体制のクリニックでは看護業務の全ては自分で行うため少し忙しいかもしれません。

 

残業が少ないという点で家庭と仕事を両立したいという方にはおすすめですね。

 

皮膚科クリニック看護師になるためには 求人情報について

皮膚科クリニックの求人は地元の求人誌が多いです。

 

一般皮膚科、一般皮膚科でも一部美容皮膚科を取り扱っている皮膚科、全面的に美容皮膚科であったりと、一言に皮膚科といってもさまざまな特色があります。一番良い調べ方は医院の院長のことを調べることが良いかもしれません。

 

たいてい個人医院を開業される医師は経験も実績も積まれていますので論文発表をされている方が多いです。

 

その医師が自分が興味のある領域の研究をされているかも就職活動のひとつの目安です。何件か絞り、面接をお願いしますが、前述どおり、皮膚科看護師は未経験でも大丈夫なため、面接では看護師である自分自身と医院(院長)の相性、カラーをみられることが多いです。

 

なので面接ではかしこまらず、普段の自分で面接したほうが良いと思います。私は面接では、緊張というよりも、このことが頭にあったため、むしろこちらがこの医院に合うか自分自身で面接していた感覚で挑みました。

 

私は3件ほど面接を受けましたが、最も話が合い、雰囲気も居心地が良かった現在勤務している医院に決めました。正直なところ選べるというスタンスで面接を受けたほうが後々自分の理想どおりの職場を見つけることができると思います。
 
多くの情報をリサーチして面接に挑んでください。

 

そのほかには転職サイトに紹介してもらったりナースセンター、ハローワークに求人が掲載されています。

 

おすすめの転職サイトは「マイナビ看護師」

今の職場で働きながら転職先を探すのであれば、転職サイトを利用するのがとても便利です。

 

希望の条件を担当者に伝えれば、候補のクリニックを探してきてくれますので、転職活動の手間が大きく省けます。

 

おすすめの看護師転職サイトは「マイナビ看護師」です。

 

マイナビ看護師は看護師目線でとても丁寧に対応してくれ、無理な転職は薦めないことをモットーにしていますので、安心して利用できます。

 


(2020年7月時点 マイナビ看護師掲載求人抜粋)

 

上記のように、マイナビ看護師では皮膚科クリニックでも月収30万円以上と高待遇の求人もあります。

 

条件の良い求人は既に終了している可能性がありますが、新規求人もどんどん増えていきますので、あなたに合った条件の良い求人がないか、事前に登録してチェックしておくことがコツですね。

 

給料交渉、面接対策もしてくれますのでおすすめです。
皮膚科クリニックの求人→マイナビ看護師

 

皮膚科クリニック看護師の給料はどれくらいか 夜勤がないのがメリットでありデメリットでもある

クリニックはどの科でもそうですが、病棟勤務時代に比べて最低でも月5万円は減ります。

 

また、少人数ということから厚生年金が無く、自分で国民年金に加入しなければなりません。健康保険についても、医師国保のところが多いです。手取りでは目安として21万円程です。決して高給ではありませんし、私自身も大幅に月給はダウンしました。

 

また、パート勤務になると地域差があるとは思いますが、時給は1650円〜が相場と考えて良いと思います。皮膚科クリニックの場合、手術などないため、診療報酬が高くはなく看護師の給料に影響してきます。

 

しかし、収入面を差し置いて考えても、家庭やプライベートとの両立がしやすいです。なんといっても夜勤がありません。

 

午前診療・午後診療に分かれており私のクリニックでは中抜けは4時間あります。日勤・夜勤ででぶっ通しで勤務するのと、中抜けがある勤務とを考えると中抜けがある場合、一旦自宅に戻り夕飯の支度など家事が出来ます。実際に私も夕飯の支度を行い午後診療に出ることも多くあります。時間活用の有意義さは、クリニック勤務ならではないでしょうか?

 

私は病棟勤務で心身共に辟易してしまったため給料が下がっても良いのでクリニック勤務を選びました。また、私は一般皮膚科なので収入は減りましたが、美容皮膚科になると、夜勤はなくても月収28万円以上のクリニックもあります。大手の美容皮膚科や、領域は異なりますが美容外科となるとそれ以上の収入になる場合もあります。しかしその場合は中抜けなどはなく、休日も不定休であったりします。自分がどの点を重視するかにより皮膚科を選ぶことが重要だと思います。

 

皮膚科クリニックで看護師として働く

皮膚科は簡単に肉眼で観察できる疾患です。私自身、子供の頃にアトピー性皮膚炎になったことや現在も仕事柄手洗いを頻繁に行うため手湿疹を罹患していることからずっと皮膚科に興味がありました。

 

看護師はよく根拠(エビデンス)を求めて原因を探るという思考過程を経ますが、皮膚科看護師も同様です。家族が家庭内で火傷を負ったりすると冷静に対処できたり、重症度も判断できる経験が身につけられます。自分自身の疾患も冷静に対処できますし、どの科にもいえることですがやはりその科のスペシャリストになれることは間違いありません。

 

命の危機に接するほどの科では決してありませんが、その反面多くの人が何かしらの皮膚科疾患を罹患しているといえます。なのでより多くの患者様をみることができるといっても過言ではないと思います。私は一般内科から皮膚科へ転職しましたが、病棟での激務に耐え切れず、精神的に限界の状態でした。しかしやはり医療には携わることは続けたかったので皮膚科を選択しました。

 

一番の理由は生死に即直結する科ではないことが挙げられたからです。もちろん皮膚ガンなど命に関わる疾患もありますが、比較的症例は少ないです。病棟勤務にはない、クリニックの外来という解放的な職場が自分には合っていたようです。また、病棟看護師をしている方で腰痛の方は結構いると思います。実は私も腰椎ヘルニア持ちです。

 

病棟勤務や、透析クリニックなどでは必ずといっていいほど患者様の移乗介助があります。私にはそれは自分の主治医からドクターストップがかかっており、腰に負担の少ない皮膚科を選択したことも、皮膚科を選んだ理由です。腰痛をお持ちの看護師さんにはお勧めできる科ではないかと思っています。

キャリアアップについて

皮膚科クリニックで働く看護師のなかには皮膚・排泄認定看護師の資格を持った看護師も過去には一緒に勤務していましたが、前述しました通りやはりクリニックなので緊急の熱傷など以外ではルーティンワークなため、病棟勤務に戻った方もいます。

 

看護師としてどの科でキャリアを積むのかはとても重要ですが、私は美容皮膚科にも興味があり勉強させていただくためにも現在は一般皮膚科に身をおいています。なので、例えば一般内科でキャリアを積みたいといった方には残念ながら皮膚科、更にはクリニックとなると日常生活援助を含む看護技術は落ちていくと思います。

 

皮膚科を目指している看護師さんへのアドバイス

前述しましたが、看護師免許を持っており、皮膚科領域に興味がある方はぜひ皮膚科での勤務をお勧めします。皮膚科のようなマイナー科は一般科に比べ楽そうなどといわれる場合もありますが、全くそんなことはなく、勉強はもちろんのことですが、問診や生活指導を行うのでコミュニケーション力は必ず必要になってきますし、どうすれば患者様がすっきり理解できるか、納得できるか、常に工夫していく必要がある科です。

 

また、目に見える疾患ですので、良くなったり、悪くなったりがダイレクトに分かります。ダイレクトに治療の結果がわかるため、それがやりがいにも繋がります。皮膚科は患者様と二人三脚で治療を継続的に行う科とも言えるため、大変なことはありますが、楽しいです。また、皮膚科は本当に身近です。程度の差はありますが、湿疹や蕁麻疹、白癬に罹患したことがある人は極めて多いと思います。

 

乾燥やにきび、しみ・しわなど、もはや無関係な人はいないといっていいほどの科です。これから皮膚科を目指す方はぜひ皮膚科のエキスパートナースになって欲しいと思います。私も皮膚科のエキスパートナースになれるよう日々勉強しています。一緒にがんばりましょう。

 

皮膚科クリニック看護師 当サイトメニュー

以下、当サイトのコンテンツも参考にしてください。

 

皮膚科クリニック看護師の業務解説

皮膚科クリニック看護師の業務を解説しています。腫瘍性病変の手術や脱毛レーザーなどの具体的な手法についてや新人看護師さんの心構えなどについても書いています。

 

皮膚科クリニック看護師へ転職

皮膚科クリニックへ転職したい方向けの情報を書いています。おすすめの看護師転職サイトについて等。

 

皮膚科クリニック看護師の給料 

皮膚科クリニック看護師の給料や待遇、残業情報について書いています。転職する際の条件で注意すべき点についても。

 

皮膚科クリニック看護師の勤務体験談

皮膚科クリニックに看護師として実際に勤務した体験談を書いています。

 

皮膚科クリニック看護師向けお勧め書籍

皮膚科クリニックに看護師として勤務している方、興味がある方向けに、教材として役立つおすすめ本を紹介しています。

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