以前より何回かDMATに記事をご紹介させていただいています。私もDMATの隊員です。
ご存知の通りDMATは広域災害や大災害などが起こった時に被災地や災害現場の救護所などで医療活動を行うチームです。病院などで医療を行うのと災害現場での医療はかなりの違いがあります。そのため特別な訓練や特別な学習をして資格試験を突破したものだけがDMATになることを許されるのです。
資格取得後も技能維持研修や自己学習は常に行わなければなりません。精神的な鍛錬も必要ですね。悲惨な現場で活動するのですから心が折れてばかりいては任務が遂行できませんからね。
DMATの編成
基本的な人編成ですが大体5人編成ですがその内訳は医師2人看護師2人業務調整員(事務員や薬剤師、病院によっては放射線技師という場合もあります)1人といった感じです。私のチームはこの編成ですが他のチームは若干編成が違うチームがあります。
DMATの装備とは
DMATは自己完結型のチームです。出動要請がかかったら誰かが連れて行ってくれるわけでなく任務終了後も誰かが送ってくれるわけでもありません。つまり自力で出動して自力で帰還することが前提です。
しかし例外があります。遠隔地、例えば東京のチームが沖縄や北海道の被災地に赴く場合や道路が寸断されてチームが現地入りが困難な場合は消防や自衛隊などの車両を使ったり航空支援を受けて現地入りすることがあります。基本的には自力出動、自力帰還です。
そのために必要なのはやはり車が必要になってきますね。そのために私たちの病院では最近ですがDMATカーを購入しました。
DMATカーとは
予算がとても厳しいので中古ですが、救急車をDMATカーとして購入しました。四国地方に関連病院がありそこで使わなくなった消防の救急車を無料で譲り受けてきました。
災害派遣などで使用しないときは転搬送で使用したりDrカーとして使っています。しかし災害派遣時では我々を被災地まで連れて行ってくれる大切な仲間です。常日頃の整備は欠かせません。毎日エンジンをかけバッテリー、オイルの点検、タイヤの状態、外観に異常はないか、ガソリンの量などを点検します。
次は内部の点検に入ります。救急車といえばサイレント赤灯ですね。音はきちんとなるか?赤灯はきちんと光っているか?マイクロホンからきちんと音は拡声しているか?点検をします。エンジンがかかれば特別な車なのでその一つとして発電機を搭載しています。これは色々な医療器具を搭載しているため電力が車のバッテリーだけではまかないきれないからです。その発電機がきちんと作動しているかも点検します。
カーナビゲーションやラジオその他として心電図モニター、自動血圧計、輸液ポンプやシリンジポンプ、人工呼吸器、酸素ボンベの残量、吸引機の作動状態、そして換気扇の作動状態や中で小手術をすることも視野に入れた照明がついていますがその点灯がきちんと点灯しているかどうか、冷暖房機器の点検、ストレッチャーも電力を使用しているので固定や振動をできるだけ吸収するサスペション機構が装着しているので故障はないか、作動しているか、これには最初びっくりしたのですが水道がついていて手が洗えるのですが水道水の交換や量の点検もします。
バックボードや全脊柱固定用の器具、その他として酸素マスクやビニール袋など細かいものまで点検、不足していたら補充をします。医薬品、例えば点滴や緊急薬品、サクションチューブや喉頭鏡などの医療器具は出場のたびに携行するのでERで保管管理しています。このDMATカーの管理点検はER勤務しているDMAT副隊長である私が管理しています。
DMATのユニホームにも工夫
DMATのユニホームは個人装備の一つです。もし現地に車が使えなかったり電車やバスなどの公共機関を止むおえなく使う場合一般の方から違和感がなるべくないようなデザインになっています。他のチームでもそんな工夫がされていますが私たちのチームではオーダーした時からデザイナーの方と相談して作成しました。DMATに興味がある方は他にもDMAT関連の記事がありますのでドシドシとアクセスやご質問してくださいね。