2016年3月看護師日記 ~救急車で受入れたのにやっぱりもういいや~

こんにちは。ER看護師のヨッシーです!

3月に入りましたね!春が近づいてきていますね。花粉症の私はちょっと辛いですが・・・・

では、今月も看護日記始めさせていただきます。

病院に勤務しているとたくさんの方々とお会いします

病院に勤務しているとたくさんの方々とお会いします。メインは患者さんとその家族や関係者が多いですね。

同じ人間なのですが一人として同じということはありません。優しい方、短気な方、きちがいのような方、無口な方、病気に前向きな方。など本当に色々です。

救急にかかる患者さんの中にはやはり少し変わっていたり救急車の使い方を間違って?!いたりという方もいらっしゃいます。

もちろん救急車は具合の悪い本人や家族の方が「これは救急車で病院だ!」と思ったら救急車で病院にいらっしゃってもいいと思います。

でも今回はかなり逸脱した救急車の使い方をしてらっしゃる方がいたのでご紹介させていただきます。

昼間は何をしていたのかな?

人間の体というものは夜になると具合が悪くなるものです。そのために病院や私たちの存在があるのです。

急な体調不良や急な怪我の時には遠慮なく利用していただきたいです。しかし深夜も深夜人も草木も眠る丑三つ時に我がERのホットラインは鳴り響きました。

救急隊からの

「〇〇歳の男性ですが3日前からの歯痛です。市販の痛み止めを飲んで様子を見ていたらしいのですが今日の深夜になり痛みが強くなってきたということでの救急要請です。本人は歯科ではないので専門的な治療はできないということは説明しています。受け入れはいかがでしょうか?」

当直の救急医が

「そうですね専門的な器具もないので昼間に歯科受診することになるでしょう。こちらに来ても痛み止めを出すことくらいしかできないと伝えてみてください。それでよければ受け入れは可能ですが昼間は何をしていたのですか?こんなことを今言っても仕方ないけどいくらでも歯科受診できる暇はあったはずですが。」

救急隊から

「昼間は仕事が休みで日帰り温泉に行っていたそうです。」

まあそんなもんだろうなという感じでした。深夜に歯科を受診できるところはまず首都圏でも滅多に見つかりません。

15分くらいして救急車は到着しました。

ERの救急搬送口のドアを開けてそこで待っていると救急車の後ろのドアがなかなか開かずに患者さんも救急隊隊員も下車してきません。

沈黙の時間が5分くらい過ぎたところでしょうか。

やっと救急車の中から患者さんが降りてきたと思ったら一人で病院のタクシー乗り場に向かって走って行ってしまいました。

私たちもなんのことか全く分からずぽかーんとした感じで様子を見ていたら

救急隊隊員が

「せっかく受け入れていただいて申し訳ございません。119番を要請した時に市販の薬を内服したら車内で痛みがだいぶ良くなりこの分なら昼間に歯科に受診できるとのことでやっぱりもういいやと言って制止を振り切って帰ってしまいました。病院に来たからには診察だけでもと説得はしましたが受け入れてはもらえませんでした。」

私の経験の中にまた新たな歴史が生まれました。そこに居合わせた全員がそう思ったでしょう。

呆れるやら腹が立つやらでこれでこの一件は終了いたしました。傷病者搬送なるも受診拒否ということになりました。いったいなんのために救急車を呼んだのでしょうね!

関連記事:救急外来を訪れる自分勝手な患者さんたち

DMATのブロック研修会に行ってきました。

さて、最近ですが各地で災害に備えての対策や訓練の様子がテレビなどでよく目にします。

もうすぐ東日本大震災が起きてから間もなく5年を迎えようとしています。それにちなんででしょうか?まだまだ復興というには程遠いという印象があります。

被災された方々には身体的に精神的に傷ついてしまった方や家や財産を失った方々も数え切れないでしょう。

そんな方々のために少しでも医療支援を施すために誕生したDMAT。平時においても私たちは常に日常業務と並行しながら自己研鑽し訓練や研修に参加して実戦に備えています。平時からのこのような取り組みが重要なのです。

今回は近県からもたくさんのDMATが参加しました。

201603①

どのような訓練かというと直下型の大きな地震が発生したくさんの被災者が発生したという想定です。

病院には災害に備えてタブレット型の端末があります。その端末に国から情報が送られてきます。その情報をもとに最初の集合場所に参集します。

病院にはDMATカー兼Drカーがあります。それに乗ってさあ出発です。

参考:DMAT看護師の装備の一つDMATカーについて

参集場所から次の参集場所へ

運転は我が隊の優秀なロジスティック隊員です(業務調整員といいますが現地で医療支援する私たちの縁の下の力持ち的な存在です)。

カーナビで最初の集合場所を入力し参集場所に到着しました。そこで本当の派遣場所を指示されます。

ある地区でも大きな病院でした。車の中では皆静かで無口でした。

私はただ後ろの患者室で車窓の風景を眺めながら時間を過ごしていました。持参したお弁当を車内で食べながら交代で運転もしてあっという間にその病院に到着しました。

201603②

写真にもあるように机や椅子などがありシュミレーション訓練をしました。そしてたくさんのDMATが参集していて本番さながらも訓練を行いました。

この訓練に参加して実際の出場はもっと物々しいと思いますが言葉では言い表せない実感と言うものを感じました。

机上訓練とはいえ災害現場というものを頭に描いて自分はこの現場でどのような活動をすればよいのか?何ができるのか?をとても考えさせられた訓練でした。

地味な訓練でしたがこのような活動の積み重ねが本番で力を発揮することができる大切な場面だと痛感した一日でした。