慢性腎不全の原因、症状、予防方法について

現在日本において透析療法を受けている患者さんは約26万人と言われています。

そんな患者さんを支えるのは人工透析と呼ばれる透析療法ですね。

透析療法の種類

一口に透析療法といっても2種類あります。まず血液を人工透析機を介して浄化しまた体内に血液を戻す「血液透析」とお腹の腹膜というものに管を通して透析を行う腹膜透析があります。

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腎臓の役割とは何か

尿を作り出すという役割は皆さんよくご存知だと思います。尿を作るということは老廃物を排出するということですよね。その他にもまだまだ腎臓の役割はあるのです。飲んだり食べたりすることによって体の中に蓄積されてくる余計なものを体外に排出させ必要なものを再吸収して体の中の環境を一定に保つという働きもしています。

その他にも血圧を一定に保つ、血液を作ったり貧血を防ぎカルシウムを吸収して骨を作るなど重要な役割も果たしています。もし腎臓の機能が悪くなったり低下した時体にどんな異変が起きてしまうのでしょうか?

貧血、むくみ、肺に水が溜まる(肺水腫)、高カリウム血症、高血圧、高リン血症、低カルシウム血症、骨粗しょう症、尿毒症、アシドーシス(体が酸性に傾いてしまう)などが起きてしまいます。

慢性腎不全とは何か?

蛋白尿、血尿などの尿の異常、腎臓の形態異常、腎臓の機能が60パーセント以下の状態が3か月以上続く状態です。

さらに腎臓の機能が15パーセント以下のなると人工透析や腎臓移植が必要となる末期腎不全と呼んでいます。腎臓の機能が悪くなっていると検診などで指摘されたら悪化する前に専門医を受診しましょう。泌尿器科や腎臓内科という科目がいいと思いますが近くにない場合は内科で相談されても大丈夫ですよ。必要に応じて紹介を受けれますからね。

慢性腎不全の原因は?

腎臓病と呼ばれるほとんどの病気が慢性腎不全に移行する可能性があります。その中で一番の多さが糖尿病の合併症の一つで糖尿病性腎症が一番多いです。そのほかに多い疾患といえば高血圧、慢性腎炎が原因の腎硬化症などもあります。

気をつけなければいけない疾患はまだまだたくさんあります。

全身性エリテマトーデス、腎臓腫瘍、尿路系腫瘍、腎結核、腎盂腎炎、痛風、動脈硬化、糸球体腎炎、紫斑性腎炎、腎形成不全、多発性腎のう胞などです。

慢性腎不全の治療方法とは?

これも残念ながら特効薬というものがありません。

慢性腎不全から末期腎不全になってしまった場合透析療法を受けないと尿毒症や高カリウム血症による致死性の不整脈や心不全という重篤な症状を発症してしまいます。

透析療法のほかにも症状をコントロールする内服も開始されます。例えば高血圧があるなら降圧剤の服用や糖尿病が持病であったなら血糖を下げるための内服や注射などもしなければなりません。腎移植という治療方法もありますが今の日本の現状ではドナーや倫理の問題から非常に少なく難しい状態です。

慢性腎不全にならないためには?予防方法

今のところ予防と持病の治療と持病の悪化防止しかありません。それは日常生活の改善や見直しがとても重要です。持病を治療中の方は定期受診をしたりきちんと内服することはこれも重要です。定期受診や内服の自己中止はもってのほかですよ。十分な睡眠や規則正しい生活、適度な運動などが予防の基本となります。

生活習慣病はその他として薬剤や生活指導によって是正することや食事療法も取り入れ効果的にしていきましょう。食事の内容としては塩分控えめの食事や低タンパクがいいでしょう。あと言い忘れましたが喫煙も大敵です。有害物質や発がん物質を含んでいるほか動脈硬化も進行させてしまいます。動脈硬化は慢性腎不全を引き起こす原因の一つですからね。

以上 慢性腎不全についてでした。